ライト、2027年3月期第1四半期決算、減収も採算改善で営業益19.5%増
ライトの決算を分析すると、2027年3月期第1四半期は売上高が前年同期比3.3%減の295億円となる一方、営業利益は19.5%増の33億円、純利益は17.4%増の22億円と増益でした。前期の大型工事の反動や着工遅れで売上高は減りましたが、工事採算の改善が利益を押し上げました。受注高も42.3%増え、通期予想は据え置きです。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 295億円 | -3.3% | 1,380億円 | 21% |
| 営業利益 | 33億円 | +19.5% | 169億円 | 20% |
| 純利益 | 23億円 | +17.4% | 118億円 | 19% |
| 営業利益率 | 11.3% | |||
この決算のポイント
- 1受注高は前年同期比42.3%増の699億円、次期繰越工事高は1324億円に拡大
- 2建設事業の売上高は3.2%減った一方、セグメント利益は18.8%増
- 31株を4株に分割し、分割前換算の年間配当予想は146円と前期比1円増
- 4通期予想は据え置き、売上高1380億円、営業利益168億5000万円を計画
業績のポイント
ライト(ライト工業)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比3.3%減の295億22百万円となる一方、営業利益は19.5%増の33億29百万円、親会社株主に帰属する純利益は17.4%増の22億95百万円でした。売上減でも工事採算の改善で増益となり、経常利益も22.7%増えています。
- 受注高: 前年同期比42.3%増の699億58百万円。専業土木と建築の両分野で受注が増加しました。
- 売上高: 前期の大型工事の反動に加え、建築の一部手持ち工事の着工遅れや米国子会社の反動減が響きました。
- 利益: 工事採算の向上で売上総利益は11.5%増加し、売上高が減るなかでも営業利益を伸ばしました。
受注環境を支えたのは、民間の非住宅建設投資や、防災・減災、国土強靱化、インフラ老朽化対策に関する政府投資です。受注の増加は今後の工事量を支える材料ですが、売上計上には着工や工事の進捗が必要で、受注増がすぐに売上高へ反映されるわけではありません。
セグメント別動向
建設事業は売上高294億84百万円で前年同期比3.2%減、セグメント利益は33億9百万円で18.8%増でした。建築工事では前期大型工事の反動と着工遅れが出た一方、専業土木は堅調に推移し、工事採算の改善が利益を押し上げました。
その他は売上高2億51百万円、セグメント利益19百万円でした。前年同期の利益はほぼゼロで、利益額は改善していますが、事業規模は建設事業に比べて小さく、連結業績への影響は限定的です。
建設事業の受注高は前年同期比で大きく増え、次期繰越工事高も1324億3百万円と、前年同期末から25.0%増加しました。なかでも斜面・法面対策工事や建築工事の受注が伸びており、受注残の積み上がりが先々の施工量を支える一方、着工時期や人員配置、工事採算を確保できるかが売上・利益の焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 295億円 | 99% | 33億円 | 11.2% |
| その他 | 3億円 | 1% | 19百万円 | 7.6% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比101億79百万円減の1157億50百万円、自己資本比率は前期末の71.5%から73.0%へ上昇しました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの金額は開示されていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総資産 | 1157億50百万円、前期末比101億79百万円減 |
| 自己資本比率 | 73.0%、前期末比1.5ポイント上昇 |
| 年間配当予想 | 分割前換算146円、前期実績145円 |
| 株式分割 | 2026年10月1日付で1株を4株に分割 |
| 自己株式 | 前期末から帳簿価額が38億22百万円増加 |
総資産の減少は、現金預金や完成工事未収入金などの減少が未成工事支出金の増加を上回ったことが主因です。純資産は配当支払いと自己株式取得の影響で減少しました。株式分割に伴い期末配当予想は分割後26円50銭に修正されていますが、分割前換算では106円で、実質的な配当予想の変更ではありません。
リスクと課題
受注環境は良好ですが、会社は国内外の景気や政策を巡る不透明さを挙げています。また、受注を売上・利益につなげるには、工事の着工や進捗を計画どおりに進めることが重要です。
- 景気・政策の不透明さ: 物価上昇、中東情勢の緊迫化、米国の関税政策転換が世界経済や国内景気を下押しする可能性があります。
- 工事の着工・進捗: 一部手持ち工事で着工遅れが発生しました。遅れが広がれば、売上計上の時期や通期業績に影響するおそれがあります。
- 大型工事の反動: 建築事業と米国子会社で前期の大型工事の反動減が表れました。案件の規模や時期によって、四半期ごとの売上高が振れやすい点に注意が必要です。
- 施工体制と採算: 人手不足は省力化需要を支える一方、受注した工事を適切な人員で進め、採算を保てるかが利益確保の課題です。
第1四半期の利益は改善しましたが、通期予想は前期比で減益を見込んでいます。今後は受注残の消化ペースと、工事採算の改善が継続するかを確認したいところです。
通期見通し
ライトは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。売上高は前期比0.9%減の1380億円、営業利益は2.0%減の168億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5.5%減の118億円を見込みます。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(概算) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1380 | 1380 | 約1393 |
| 営業利益 | 168.5 | 168.5 | 約172.9 |
| 純利益 | 118 | 118 | 約124.9 |
前回予想は2026年5月14日公表分で、今回は修正がありません。前期実績の概算は、短信に記載された前年比と予想額から逆算した値です。第1四半期は営業増益でしたが、会社は通期では減益を見込んでおり、着工の遅れや大型工事の反動を踏まえた計画とみられます。
戦略トピック
ライトは2026年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を4株に分割します。投資単位を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図るのが目的です。
- 分割の基準日: 2026年9月30日。基準日時点の株主が保有する株式を4株に分割します。
- 配当予想: 分割後の期末配当は1株当たり26円50銭。分割前換算では106円で、年間では146円の予想です。
- 実質的な変更: 配当予想の修正は分割比率に合わせたもので、会社は実質的な変更はないと説明しています。
株式分割は会社の利益や企業価値を直接増やす施策ではありませんが、投資に必要な金額を下げ、売買のしやすさを高める狙いがあります。投資家は分割後の株価や配当額を分割前の水準と単純比較せず、保有株数と1株当たり金額の変化を踏まえて判断する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/4)
922.5円
最新終値(2026/10/23)
952円+3.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ライト#決算#決算分析#四半期決算#建設業#受注高#工事採算#株式分割#配当予想
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コメント
売上高が前年同期を下回るなかで営業利益が伸びた点は、工事採算の改善が成果として表れた決算です。受注高と繰越工事高の増加も、今後の施工量を支える材料になります。
一方、通期予想は減益のままで、受注が売上に転じる時期や大型工事の反動を慎重に見ている印象です。今後は受注残の消化に加え、着工遅れを抑えながら採算改善を続けられるかが評価の分かれ目になりそうです。
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