レノバ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益68%減も通期予想は据え置き
レノバの決算を分析すると、2027年3月期第1四半期は定期点検などで発電量が減り、売上収益が前年同期比5.8%減の193億円、営業利益は同68.4%減の10億円となりました。親会社株主に帰属する四半期利益も同89.0%減の0.95億円に落ち込みましたが、発電所の稼働はおおむね計画通りとして、通期予想は据え置きました。定期点検が利益を押し下げる一方、通期計画は維持しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 193億円 | -5.8% | 957億円 | 20% |
| 営業利益 | 10億円 | -68.4% | 113億円 | 9% |
| 純利益 | 95百万円 | -89.0% | 34億円 | 3% |
| 営業利益率 | 5.4% | |||
この決算のポイント
- 1バイオマス発電所の定期点検などが響き、営業利益は前年同期比68.4%減の10億円
- 2開発・運営事業のEBITDAは前年の7.91億円から0.12億円の損失に転じた
- 3営業キャッシュフローは前年同期の14.77億円から44.74億円に増加した
- 4苓北・天草風力発電事業で東京ガスと25年間のコーポレートPPAを締結
- 5通期予想は売上収益957億円、営業利益113億円で変更なし、年間配当予想は0円
業績のポイント
レノバ(株式会社レノバ)の2027年3月期第1四半期は、売上収益が前年同期比5.8%減、営業利益が68.4%減、親会社の所有者に帰属する四半期利益が89.0%減でした。売上収益は193.30億円、営業利益は10.43億円、純利益は0.95億円です。売上収益の減少額は11.97億円、営業利益の減少額は22.53億円でした。
営業利益の減少では、バイオマス発電所の定期点検による運転停止の影響が最も大きく、軽米西ソーラー発電所の運転停止や事業開発報酬の減少も響きました。軽米西ソーラーは受変電設備の不具合で4月に運転を停止しましたが、補修を終えて7月1日に通常操業を再開しています。
売上収益が減った一方、営業利益の落ち込みはより大きく、EBITDAも前年同期比21.3%減の67.83億円でした。親会社株主に帰属する利益にはオプション公正価値評価益の増加があったものの、営業利益の減少を補いきれませんでした。会社は発電量が全体としてほぼ計画通りに推移したとしており、通期予想を維持しています。
- 前年同期33億円
- バイオ定検-11.5億円
- 軽米西停止-4.2億円
- 開発報酬減-3.1億円
- その他-3.8億円
- 当期10.4億円
セグメント別動向
再生可能エネルギー発電等事業は、売上収益が前年同期比4.6%減の192.15億円、セグメント利益にあたるEBITDAが18.4%減の76.79億円でした。バイオマス発電所の定期点検による停止が売上収益を22.57億円押し下げ、軽米西ソーラーの停止も影響しました。一方、唐津バイオマスエナジーの運転開始・連結化が減収を一部補いました。
開発・運営事業は、売上収益が前年同期比48.7%減の9.61億円となり、EBITDAは前年同期の7.91億円の利益から0.12億円の損失に転じました。事業開発報酬の減少に加え、匿名組合分配益が減ったことが背景です。開発案件の進捗に伴う報酬や分配益は四半期ごとに変動しやすく、発電所の運営収入とは異なる収益特性があります。
| セグメント | 売上収益の前年同期比 | EBITDAの前年同期比・増減 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー発電等事業 | -4.6% | -18.4% |
| 開発・運営事業 | -48.7% | 8.03億円減、損失に転換 |
会社は減価償却費の影響が大きい再生可能エネルギー事業の評価指標として、EBITDAを重視しています。発電事業の収益基盤を保ちながら、開発報酬などの変動をどう補うかが、今後の利益回復を左右します。
- 発電等事業-4.6%
- 開発・運営-48.7%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 再生可能エネルギー発電等事業 | 192億円 | 95% | 77億円 | 40.0% |
| 開発・運営事業 | 10億円 | 5% | -12百万円 | -1.2% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末比163.57億円増の6,278.21億円、親会社所有者帰属持分比率は21.1%と前期末の20.1%から上昇しました。現金及び現金同等物は202.42億円で、前期末から28.39億円減少しています。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期 | 比較対象・前年差 |
|---|---|---|
| 総資産 | 6,278.21億円 | 前期末比+163.57億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 21.1% | 前期末20.1% |
| 営業キャッシュフロー | +44.74億円 | 前年同期+14.77億円 |
| 投資キャッシュフロー | -24.14億円 | 前年同期-25.71億円 |
| 財務キャッシュフロー | -49.25億円 | 前年同期-1.34億円 |
営業キャッシュフローは売電収入などを背景に前年同期から増加しました。一方、財務キャッシュフローは長期借入金の返済や引出制限付預金の増加などで支出が膨らみ、純有利子負債/EBITDA倍率は前期末の8.4倍から8.8倍に上昇しました。資本比率の改善には、金利スワップや為替予約の公正価値変動による資本増加も含まれます。
2027年3月期の年間配当予想は0円で、前年実績も0円でした。短信に自社株買いの発表はありません。大型の発電所・蓄電所開発に資金を振り向ける一方、借入金返済も進めており、投資継続と財務健全性の両立が課題です。
通期見通し
レノバは2027年3月期の通期業績予想を据え置きました。第1四半期の親会社株主に帰属する利益は、各発電所の発電量がほぼ計画通りだったことなどから、会社の想定に沿って進捗したと説明しています。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 957億円 | 957億円 | +9.2% |
| EBITDA | 338億円 | 338億円 | +10.7% |
| 営業利益 | 113億円 | 113億円 | +36.5% |
| 親会社株主に帰属する当期利益 | 34億円 | 34億円 | +2.8% |
売上収益の第1四半期実績は通期予想の約20.2%、営業利益は約9.2%、親会社株主に帰属する利益は約2.8%に相当します。第1四半期は定期点検などで利益が前年を大きく下回りましたが、会社は発電量が計画の範囲内にあるとして予想を修正していません。今後は発電所の稼働回復に加え、開発報酬や蓄電事業の進捗が計画達成の焦点です。
戦略トピック
レノバは再生可能エネルギー発電に加え、蓄電事業とコーポレートPPAを成長分野として進めています。2026年6月には建設中の苓北・天草風力発電事業について東京ガスと25年間のコーポレートPPAを締結し、発電量全量の販売先を確保しました。会社はFITより高い価格での販売が決まり、事業の収益性向上につながると説明しています。
| 成長施策 | 開示された進捗 |
|---|---|
| 市場販売型蓄電所 | 安来蓄電所が2026年4月に運転開始、2MW・6.5MWh |
| 蓄電事業の設備出力 | 運転中・建設着手済みで合計452MW(2026年8月時点) |
| 太陽光コーポレートPPA | 契約設備容量206MW |
| バイオマスのコーポレートPPA | 契約設備容量145.4MW、3発電所 |
袋井宇刈蓄電所では、2026年7月に金融機関との融資関連契約を締結しました。出力99.9MW、容量280MWhで、2029年度の運転開始を予定しています。レノバは大型化によるコスト競争力と、既存蓄電所で培った運用ノウハウを組み合わせ、電力市場での収益確保を目指しています。
リスクと課題
再生可能エネルギーは政策支援や需要拡大が追い風となる一方、設備の稼働状況、電力市場、制度変更などによって収益が変動します。開発投資を借入金で支える事業構造も踏まえ、次の点に注意が必要です。
- 発電所の停止・定期点検: バイオマス発電所の定期点検や設備不具合による停止は、発電量と売電収入を減らし、今回のように営業利益を押し下げる可能性があります。軽米西ソーラーは運転を再開しましたが、設備の安定稼働が重要です。
- 電力の出力制御: 電力会社の指示による出力制御が一部発電所で実施されています。今回の影響は計画の範囲内で軽微とされていますが、制御の拡大は売電量の減少につながります。
- 政策・制度の変更: 米国では再生可能エネルギー導入政策の見直しが進み、日本でも大規模太陽光発電の制度見直しや蓄電池の新制度が進行しています。規制や支援条件の変化は、開発案件の採算や工程に影響し得ます。
- 金利・為替と財務負担: 長期借入金を活用して開発投資を行うため、金利や為替予約の評価変動が財務数値に影響します。純有利子負債/EBITDA倍率が上昇しており、投資拡大と返済余力の管理が課題です。
- 開発報酬の変動: 開発・運営事業は報酬や匿名組合分配益の増減で四半期業績が振れやすく、発電事業の安定収益だけでは吸収しきれない場合があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
928円
最新終値(2026/10/23)
744円-19.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#レノバ#決算#決算分析#四半期決算#再生可能エネルギー#蓄電池事業#コーポレートPPA#営業利益減少
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コメント
発電所の定期点検と軽米西ソーラーの停止が重なり、営業利益は大きく減りました。ただし、軽米西ソーラーは7月に運転を再開し、会社も通期予想を維持しているため、今回の減益がそのまま通期の構造的な悪化を示すとは限りません。
注目したいのは、蓄電事業や長期コーポレートPPAの拡大です。PPAで販売先と期間を確保し、蓄電所の運用ノウハウを積み上げる戦略は、発電量や電力価格の変動に対する収益の安定化につながる可能性があります。一方、設備投資を借入金に頼る面が大きく、案件の稼働遅れや金利負担が増えた場合の財務余力も見極めたいところです。
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掲載企業
株式会社レノバ
東証 9519
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