Sansan、2027年5月期第1四半期決算、営業利益4.4倍で大幅増益

Sansanの2027年5月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比20.1%増、営業利益は339.8%増、純利益は418.4%増となり、大幅な増収増益でした。Bill OneやEightの成長に加え、広告宣伝費率と人件費率の低下が利益を押し上げました。通期予想は据え置き、年間配当は前期の2.5円から5円を見込んでいます。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 148億円 | +20.1% | 653億円 | 23% |
| 営業利益 | 23億円 | +339.8% | 145億円 | 16% |
| 純利益 | 15億円 | +418.4% | 102億円 | 15% |
| 営業利益率 | 15.7% | |||
この決算のポイント
- 1Bill Oneの売上高は前年同期比34.4%増、有料契約件数も28.6%増と拡大した。
- 2Eight事業は売上高が前年同期比32.6%増の一方、成長投資で調整後営業損失が166百万円に拡大。
- 3Sansanの契約件数は前年同期比13.7%増の12,580件、月次解約率は0.54%だった。
- 4年間配当予想は前期の2.5円から5円へ増加。通期業績予想はレンジを維持した。
業績のポイント
Sansan(Sansan)は2027年5月期第1四半期に、売上高147億53百万円、営業利益23億21百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益15億45百万円を計上しました。前年同期比ではそれぞれ20.1%増、339.8%増、418.4%増です。増収を大きく上回る利益成長となりました。
- 売上の伸び: Sansan/Bill One事業の堅調な成長に加え、Eight事業も好調で、売上高は前年同期比20.1%増。
- 利益率の改善: 調整後営業利益は前年同期比328.3%増の24億75百万円。調整後営業利益率は4.7%から16.8%へ上昇。
- 利益の背景: 会社は、広告宣伝費率と人件費率の低下を調整後営業利益の主な押し上げ要因として挙げた。
- 粗利益の動き: 売上総利益は前年同期比19.8%増えた一方、売上総利益率は0.3ポイント低下し87.6%。
売上の拡大に対し、販売費及び一般管理費の増加は抑えられ、営業利益は前年の5億27百万円から大きく伸びました。利益増加の要因別金額は開示されていないため、コスト低下の寄与額を分けて評価することはできません。ストック型の収益が積み上がる事業構造のもと、今後も成長と利益率改善を両立できるかが焦点です。
セグメント別動向
Sansan/Bill One事業は売上高が前年同期比18.4%増の129億53百万円、調整後営業利益が306.3%増の27億34百万円でした。Bill Oneの高成長とSansanの安定した拡大が寄与し、広告宣伝費率・人件費率の低下も利益を押し上げました。
- Sansan: 売上高は前年同期比9.8%増の82億31百万円。固定収入であるストック売上高は12.1%増え、契約件数は13.7%増の12,580件となった一方、中小規模の新規契約増加で契約当たり月次ストック売上高は1.4%減。
- Bill One: 売上高は前年同期比34.4%増の40億67百万円。営業体制の強化を背景に有料契約件数が28.6%増え、月次固定収入(MRR)も33.0%増加。
- Eight事業: 売上高は前年同期比32.6%増の17億19百万円。採用関連サービスやビジネスイベントが好調だった一方、下期以降の成長を見据えた人員体制の強化で調整後営業損失は1億66百万円に拡大。
- その他: Contract Oneの高成長などにより、売上高は前年同期比57.6%増の6億54百万円。
Bill Oneは契約数の増加に加えて、契約当たり月次ストック売上高も前年同期比3.5%増え、顧客数と単価の双方が伸びました。Sansanの月次解約率は0.54%と低水準を保つ一方、前年同期から0.02ポイント上昇しています。Eightは採用・イベント関連の成長が売上をけん引しており、先行する人員投資を通期の利益につなげられるかが注目点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Sansan/Bill One事業 | 129億円 | 88% | 26億円 | 20.2% |
| Eight事業 | 17億円 | 12% | -196百万円 | -11.4% |
| その他 | 92百万円 | 1% | -92百万円 | -100.0% |
通期見通し
Sansanは2027年5月期の連結業績予想を据え置きました。売上高は637億6百万円から653億19百万円、営業利益は125億14百万円から144億64百万円のレンジで、売上高の前年比は18.5~21.5%増、営業利益は52.9~76.7%増を見込んでいます。
| 指標 | 通期予想の下限 | 通期予想の上限 | 前年比の予想レンジ |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 63,706 | 65,319 | +18.5~+21.5% |
| 営業利益(百万円) | 12,514 | 14,464 | +52.9~+76.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 8,376 | 10,221 | +23.6~+50.8% |
会社は、第1四半期の実績が7月13日に公表した予想に沿って順調に推移していると説明し、予想を変更しませんでした。ストック型のビジネスモデルのため売上が四半期ごとに積み上がり、利益は下期にかけて拡大しやすい傾向があるとしています。予想には幅があり、採用や販売促進など成長投資を続けながら、利益計画を達成できるかを確認する必要があります。
財務状況と資本政策
2026年8月末の総資産は525億27百万円で、2026年5月末から24億30百万円減りました。自己資本比率は38.1%と、前期末の36.4%から1.7ポイント上昇しています。
| 項目 | 2026年8月末・第1四半期 | 前期末または前期 | 増減・比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 52,527 | 54,958 | -2,430百万円 |
| 自己資本比率 | 38.1% | 36.4% | +1.7ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 35,529 | 37,006 | -1,476百万円 |
| 年間配当(円) | 5.00(会社予想) | 2.50(実績) | +100% |
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務活動別の資金収支は確認できません。現金及び預金は減少しましたが、前受金は顧客から契約期間分の料金を一括で受け取ったことなどから7億53百万円増えています。配当予想は中間2.5円、期末2.5円で、前期実績から年間配当を倍増する計画です。短信には自社株買いの発表はなく、自己株式の増加だけから買い付けの実施を断定することはできません。
リスクと課題
会社は将来見通しについて、入手可能な情報と合理的と判断した前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で大きく異なる可能性があるとしています。事業の成長を維持しながら、契約継続と費用管理を両立できるかが重要です。
- 顧客獲得と継続: Sansanの月次解約率は前年同期より0.02ポイント上昇して0.54%。低水準ではあるものの、上昇が続けばストック収入の積み上がりに影響する可能性がある。
- 顧客構成の変化: Sansanでは中小規模の新規契約が増え、契約当たり月次ストック売上高が前年同期比1.4%減った。契約数の伸びを単価の維持につなげられるかが課題。
- 成長投資と利益の両立: Eight事業は人員体制を強化し、調整後営業損失が前年同期の57百万円から166百万円に拡大した。下期以降の成長と通期黒字化の実現が焦点となる。
- 通期予想の不確実性: 業績予想はレンジで示され、会社も実績が前提から大きく異なる可能性を明記している。市場環境や事業の進捗が売上・利益の着地を左右する。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/8)
2,133円
最新終値(2026/10/23)
2,118円-0.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#Sansan#決算#決算分析#四半期決算#2027年5月期#Bill One#Eight#クラウドサービス#増収増益
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コメント
利益の伸びが売上成長を大きく上回り、費用率の改善が収益力を押し上げた点は好材料です。ただし、利益率の上昇が一時的な費用抑制だけでなく、成長投資を続けながら維持できるかを次の四半期で見極めたいところです。
Bill Oneは契約数と契約単価の両方が伸びており、主力のSansanに続く収益源として存在感を高めています。一方、Eightは売上が伸びても人員投資で赤字が広がっており、投資回収の進み方が全社の利益計画を左右しそうです。
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