滋賀銀、2027年3月期第1四半期決算、経常利益53%増で純利益も拡大

滋賀銀の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比30.6%増、経常利益は53.3%増、純利益は47.4%増となり、増収増益でした。貸出金や有価証券の利息収入に加え、金融派生商品収益が伸びました。一方、預金利息や債券売却損も増加しており、通期予想は据え置きです。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 457億円 | +30.6% | — | — |
| 営業利益 | 143億円 | +53.3% | 421億円 | 34% |
| 純利益 | 99億円 | +47.4% | 285億円 | 35% |
| 営業利益率 | 31.3% | |||
この決算のポイント
- 1貸出金・有価証券の利息収入と金融派生商品収益が増え、経常収益は前年同期比30.6%増。
- 2経常利益は前年同期比53.3%増の143億円、親会社株主に帰属する純利益は47.4%増。
- 3株式配当金の受領が第1四半期に集中し、中間純利益の通期予想に対する進捗率は約69%。
- 4株式分割後の年間配当予想は50円。前期配当を分割後換算した28円から増配となる見込み。
- 5有価証券評価差額金の増加などで自己資本比率は前期末の6.6%から8.1%へ上昇。
業績のポイント
滋賀銀(滋賀銀行)の第1四半期は、経常収益が前年同期比30.6%増の456億86百万円、経常利益が53.3%増の143億1百万円、純利益が47.4%増の99億37百万円でした。利息収入と金融派生商品収益が利益を押し上げ、費用増を吸収しました。
| 経常利益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期 | 93.30 |
| 経常収益の増加 | +107.01 |
| 経常費用の増加 | -57.30 |
| 今期 | 143.01 |
経常収益の増加では、貸出金利息や有価証券利息配当金など資金運用収益が前年同期比51億15百万円増えたほか、金融派生商品収益の増加などでその他業務収益も47億54百万円増加しました。一方、経常費用は57億30百万円増え、特に国債等債券売却損などを含むその他業務費用と、預金利息などの資金調達費用が膨らみました。金利上昇を背景に運用収益が拡大する一方、預金獲得コストも増えており、今後は利ざやの改善が続くかが焦点です。
- 前年同期93億円
- 経常収益増+107億円
- 経常費用増-57億円
- 今期143億円
セグメント別動向
滋賀銀グループは銀行業の単一セグメントで、決算短信ではセグメント別の売上高や利益の内訳を開示していません。したがって、事業ごとの採算を比較することはできませんが、連結業績の増益には資金運用収益の伸びと金融派生商品収益の増加が寄与しました。
- 資金運用: 貸出金利息や有価証券利息配当金などの収益が前年同期比51億15百万円増加しました。貸出金利息は同31億13百万円、有価証券利息配当金は同11億60百万円増えています。
- その他業務: 金融派生商品収益の増加などを受け、その他業務収益は前年同期比47億54百万円増加しました。一方、国債等債券売却損の増加などでその他業務費用も32億14百万円増えました。
- 預金・貸出: 6月末の預金等残高は前年同期末比1,921億96百万円増加しました。貸出金残高も同805億91百万円増えた一方、連結貸借対照表上では前期末比116億87百万円減少しています。
預金・貸出の残高は地域金融機関の基盤を示す一方、四半期利益の伸びには金融派生商品や債券売却損益も影響しています。単一セグメントのため、収益源ごとの変動を見極めるには、資金利益や債券関連損益などの補足情報が重要です。
- 資金運用収益51億円
- その他業務収益48億円
- 役務取引等収益1億円
- その他経常収益8億円
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比2,748億8百万円増の79兆4,389億円でした。自己資本比率は前期末の6.6%から8.1%に上昇しましたが、主因は利益の積み上げだけでなく、その他有価証券評価差額金の増加です。
| 項目 | 2026年6月末・今期予想 | 比較対象 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 7,943,892 | 2026年3月末 7,669,084 | +274,808 |
| 自己資本比率 | 8.1% | 2026年3月末 6.6% | +1.5ポイント |
| 預金(百万円) | 6,080,027 | 2026年3月末 5,950,294 | +129,733 |
| 有価証券(百万円) | 1,973,421 | 2026年3月末 1,722,410 | +251,011 |
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローは確認できません。配当は2026年4月1日の1株を5株とする株式分割後、年間50円を予想しており、分割後換算した前期の年間28円を上回ります。中間25円、期末25円の計画で、配当予想の修正はありません。自己株買いの発表もありません。
純資産の増加には、その他有価証券評価差額金が前期末比1,301億8百万円増えたことが大きく寄与しました。評価益の拡大は財務の厚みを示す一方、市場価格の変動で反転する可能性もあります。なお、ここで示す自己資本比率は短信記載の算定方法によるもので、銀行の規制上の自己資本比率とは異なります。
通期見通し
滋賀銀は2027年3月期の業績予想を据え置きました。通期の経常利益は前期比45.0%増の421億円、純利益は33.8%増の285億円を見込みます。
| 指標(百万円) | 2026年5月公表予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 42,100 | 42,100 | +45.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 28,500 | 28,500 | +33.8% |
第1四半期の進捗率は、第2四半期累計の経常利益予想に対して約68%、中間純利益予想に対して約69%です。ただし、会社は株式配当金の受領が第1四半期に集中したことを進捗率が高い理由として挙げており、単純に通期計画の達成が近いとは判断できません。今後の経済・物価・金融情勢や与信コストの増加可能性を踏まえ、予想を変更しない判断を示しました。
リスクと課題
増収増益の一方、銀行収益は金利や市場価格の変化に左右されます。会社は与信コストの増加可能性を挙げ、業績予想を据え置いています。
- 与信コスト: 景気や企業業績の悪化で貸倒れや引当金が増えれば、利益を押し下げる可能性があります。会社も今後の与信コスト増加を予想変更を見送った理由の一つに挙げています。
- 預金金利の上昇: 預金利息などの資金調達費用は前年同期比で増加しました。貸出金利や有価証券利回りの上昇が調達コストを上回らなければ、利ざやの改善が鈍るおそれがあります。
- 債券・市場価格の変動: 国債等債券売却損などを含むその他業務費用が増えました。有価証券の評価差額は純資産を押し上げましたが、市場環境の変化で評価益が縮小するリスクもあります。
- 収益の四半期偏在: 配当金の受領が第1四半期に集中しました。高い中間期進捗率がそのまま年間を通じた収益力を示すわけではなく、下期の利益動向を確認する必要があります。
金利上昇は運用収益を伸ばす機会であると同時に、預金コストや保有債券の評価にも影響します。利益の持続性を判断するには、次の四半期以降の資金利益、債券関連損益、与信費用の推移を併せて見る必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/28)
2,606円
最新終値(2026/10/23)
2,481円-4.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#滋賀銀#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#金利上昇#配当#有価証券評価差額
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
滋賀銀の第1四半期は、貸出金や有価証券の利息収入が伸び、金利環境の変化を収益に結び付けている点が前向きです。一方で、金融派生商品収益や株式配当金の受領時期も四半期業績を押し上げており、利益の伸びが毎四半期続くとは限りません。
投資家は通期予想の進捗率だけでなく、預金金利の上昇が運用収益をどれだけ相殺するか、債券関連損益と与信コストがどう動くかを確認したいところです。自己資本比率の上昇には有価証券の評価差額拡大が寄与しており、含み益の変化にも注意が必要です。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/shiga-bank/report/2027-Q1
関連記事
関西の地方銀行の最新記事
掲載企業

株式会社滋賀銀行
東証 8366
これが最新の決算解説です








