東亞合成、2026年12月期第2四半期決算、増益を受け通期予想を上方修正

東亞合成の2026年12月期第2四半期決算を分析すると、半導体関連製品の販売好調やポリマー・オリゴマー事業の採算改善を背景に、売上高は前年同期比2.6%増、営業利益は12.7%増となりました。中間期の業績が当初想定を上回ったことから、会社は通期予想を上方修正し、年間配当も70円から72円へ引き上げました。原油・ナフサ価格や中東情勢の不透明さは残ります。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 824億円 | +2.6% | 1,700億円 | 48% |
| 営業利益 | 79億円 | +12.7% | 155億円 | 51% |
| 純利益 | 60億円 | +5.3% | 118億円 | 51% |
| 営業利益率 | 9.6% | |||
この決算のポイント
- 1ポリマー・オリゴマー事業は採算是正と販売増が寄与し、営業利益が前年同期比89.3%増の23億96百万円
- 2高機能材料事業は半導体向け高純度無機化学品が伸び、営業利益は前年同期比96.9%増の9億3百万円
- 32026年12月期の営業利益予想を前回比10億円増の155億円に修正、前期比では9.3%増を見込む
- 4年間配当予想を前回の70円から72円へ増額、前期実績65円に対して7円の増配となる
- 5中東情勢による原料調達制約がアクリルモノマーなどに影響し、原油・ナフサ市況も先行きのリスク
業績のポイント
東亞合成(正式社名:東亞合成株式会社)の2026年12月期中間期は、売上高が824億5百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益が79億12百万円(同12.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が60億19百万円(同5.3%増)でした。経常利益も85億80百万円(同14.4%増)となり、増収増益です。
- 半導体関連: 半導体向け製品の需要が好調で、高純度無機化学品などの販売数量が増加しました。
- 販売数量と採算: ポリマー・オリゴマー事業、樹脂加工製品事業を中心に販売が増え、ポリマー・オリゴマー事業では採算改善も利益を押し上げました。
- 基幹化学品の逆風: アクリルモノマーの販売数量減少や大型定期修理の費用増が、基幹化学品事業の利益を圧迫しました。
- 経営の取り組み: 注力分野の販売拡大に加え、製品価格の是正や生産効率化を進めました。
中間期の利益率改善には、半導体関連の需要を取り込んだことに加え、コスト上昇を販売価格へ反映する採算是正が寄与しました。一方、増益は全事業に広がったわけではなく、基幹化学品や接着材料では減益です。会社は中間期の実績が当初想定を上回ったとして、通期予想を引き上げています。
セグメント別動向
セグメント利益の伸びは高機能材料、ポリマー・オリゴマー、樹脂加工製品で大きく、基幹化学品は減益でした。売上高の前年比をみても、基幹化学品の減収に対し、ほかの主要事業は増収となっています。
基幹化学品事業は、売上高333億52百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益35億円(同25.2%減)でした。電解製品はコスト上昇に伴う価格是正で増収となった一方、アクリルモノマーは一部製品の販売終了と中東情勢による原料調達制約で販売数量が減少し、大型定期修理の費用も利益を押し下げました。
ポリマー・オリゴマー事業は、売上高196億24百万円(同11.9%増)、営業利益23億96百万円(同89.3%増)でした。車載、医薬化粧品、半導体向けアクリルポリマーや電子材料向けアクリルオリゴマーが伸び、価格是正を含む採算改善も利益増につながりました。
接着材料事業は、売上高72億96百万円(同7.9%増)に対し、営業利益は2億6百万円(同21.8%減)でした。米国で家庭用製品の価格を改定し、車載・スマートフォン向け機能性接着剤も堅調でしたが、米国での販売促進に伴う広告宣伝費などが増えました。
高機能材料事業は、売上高57億27百万円(同14.2%増)、営業利益9億3百万円(同96.9%増)でした。半導体向け高純度無機化学品の販売数量が増えた一方、無機抗菌剤は減収でした。
樹脂加工製品事業は、売上高152億8百万円(同10.7%増)、営業利益18億49百万円(同57.8%増)でした。下水道関連製品の販売増や、エコマテリアルのモビリティ関連製品の収益拡大が寄与しました。その他事業は売上高11億95百万円(同7.0%増)、営業利益3億2百万円(同4.3%増)です。
- 基幹化学品-25.2%
- ポリマー+89.3%
- 接着材料-21.8%
- 高機能材料+96.9%
- 樹脂加工+57.8%
- その他+4.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 基幹化学品事業 | 334億円 | 41% | 35億円 | 10.5% |
| ポリマー・オリゴマー事業 | 196億円 | 24% | 24億円 | 12.2% |
| 接着材料事業 | 73億円 | 9% | 2億円 | 2.8% |
| 高機能材料事業 | 57億円 | 7% | 9億円 | 15.8% |
| 樹脂加工製品事業 | 152億円 | 19% | 18億円 | 12.2% |
| その他 | 12億円 | 1% | 3億円 | 25.3% |
通期見通し
東亞合成は中間期の実績と最近の事業環境を踏まえ、2026年12月期の連結業績予想を上方修正しました。売上高は前回予想から30億円、営業利益は10億円引き上げています。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 167,000 | 170,000 | 162,312 |
| 営業利益 | 14,500 | 15,500 | 14,180 |
| 経常利益 | 15,100 | 16,300 | 15,067 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,500 | 11,800 | 12,766 |
今回予想は前回比で売上高1.8%増、営業利益6.9%増、経常利益7.9%増、純利益2.6%増です。前期実績との比較では、売上高は4.7%増、営業利益は9.3%増を見込む一方、純利益は7.6%減の計画です。
会社は、半導体関連製品の販売好調、ポリマー・オリゴマー事業と樹脂加工製品事業の販売数量増、ポリマー・オリゴマー事業の収益性向上を上方修正の背景に挙げています。ただし、中東情勢や原油・ナフサ市況、為替の動向には不確実性が残るとしており、修正後の予想達成には下期の販売と採算の維持が焦点です。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は2,967億11百万円で、2025年12月末から2.6%増えました。自己資本比率は74.1%と、前期末の74.3%から0.2ポイント低下しています。
| 項目 | 2026年中間期・期末 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 296,711百万円 | 前期末比+2.6% |
| 自己資本比率 | 74.1% | 前期末74.3% |
| 営業キャッシュフロー | +12,013百万円 | 前年中間期は+16,678百万円 |
| 投資キャッシュフロー | -14,292百万円 | 前年中間期は-17,313百万円 |
| 財務キャッシュフロー | -6,706百万円 | 前年中間期は-8,712百万円 |
営業キャッシュフローは売上債権や棚卸資産の増加などで、前年中間期より収入が46億64百万円減りました。投資キャッシュフローの支出は有形固定資産の取得支出減少などで縮小し、現金及び現金同等物は期末に198億60百万円となりました。
配当は中間を1株36円、期末予想を36円とし、年間予想を72円へ修正しました。前回予想の70円から2円増え、前期実績65円に対して7円の増配です。自己株式取得では、取締役会決議に基づき中間期に149万7,300株を取得し、自己株式取得によるキャッシュ支出は27億8百万円でした。
リスクと課題
半導体関連などの需要が業績を支える一方、原料調達や価格、為替を巡る外部環境は不安定です。事業ごとの収益差も大きく、販売数量の確保とコスト転嫁を続けられるかが課題となります。
- 地政学リスク: 中東情勢の緊迫化が原油・ナフサの供給不安や市況変動につながり、原料調達や製造コストに影響する可能性があります。
- 原料調達制約: 中東情勢の影響でアクリルモノマーや高分子凝集剤などの販売数量が減少しました。制約が続けば、基幹化学品を含む売上・利益の重荷となります。
- 価格転嫁の遅れ: 原油・ナフサなどのコスト上昇を販売価格に反映できなければ、採算が悪化するおそれがあります。電解製品などでは価格是正が増収に寄与しており、継続性が重要です。
- 為替と需要の変動: 会社は為替動向も先行きの不確実要因に挙げています。半導体関連の需要や車載・電子材料向け販売が鈍化した場合、成長をけん引する事業の利益に影響します。
- 事業別の収益差: 基幹化学品や接着材料は中間期に減益でした。増益事業の勢いを保つとともに、定期修理や販売促進費などの負担を抑えられるかが通期の注目点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
1,790円
最新終値(2026/10/23)
1,832円+2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東亞合成#決算#決算分析#四半期決算#半導体材料#化学メーカー#通期上方修正#増配#原油価格
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コメント
半導体関連の需要を取り込んだだけでなく、ポリマー・オリゴマー事業で価格是正と採算改善を利益成長につなげた点は評価できます。高機能材料や樹脂加工製品も伸びており、事業ポートフォリオの一部が基幹化学品の逆風を補っています。
一方で、通期予想の上方修正後も純利益は前期実績を下回る計画です。増益基調が下期も続くかは、半導体関連需要の持続性に加え、中東情勢による調達制約や原料高を価格へ転嫁できるかに左右されます。配当増額と自己株式取得は株主還元を強める動きですが、投資家はキャッシュ創出力と還元の両立も確認したいところです。
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