東建、2027年4月期第1四半期決算、増収も建設採算悪化で営業益18%減

東建の2027年4月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比1.4%増の948億円となった一方、営業利益は18.5%減の45億円、純利益は24.5%減の31億円でした。賃貸管理物件の増加が増収を支えましたが、建設資材や住宅設備の価格上昇で建設事業の採算が悪化し、利益を押し下げました。受注残は増加、利益回復が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 948億円 | +1.4% | 4,082億円 | 23% |
| 営業利益 | 46億円 | -18.5% | 202億円 | 23% |
| 純利益 | 32億円 | -24.5% | 146億円 | 22% |
| 営業利益率 | 4.8% | |||
この決算のポイント
- 1不動産賃貸事業は入居率98.0%を維持し、売上高が前年同期比3.6%増加。
- 2建設事業は資材・住宅設備の値上がりで営業利益が前年同期比29.7%減。
- 3単体の総受注高は前年同期比18.1%増、受注残高は同21.9%増の2,907億円。
- 4通期予想は据え置き。売上高は前期比5.6%増、営業利益は同9.8%減を見込む。
- 5年間配当予想は400円で、前期実績の360円から40円増額する計画。
業績のポイント
東建(東建コーポレーション)は2027年4月期第1四半期に増収減益となりました。売上高は前年同期比1.4%増、営業利益は18.5%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.5%減でした。
- 建設事業の採算悪化: 建設資材や住宅設備機器の価格上昇で完成工事総利益率が低下し、営業利益は前年同期比29.7%減。
- 賃貸事業の積み上げ: 管理物件数の増加で家賃収入や管理料収入が伸び、賃貸事業の売上高は前年同期比3.6%増。
- 販管費の増加: 販売費及び一般管理費は前年同期から3億93百万円増え、利益をさらに圧迫。
売上総利益は前年同期から6億47百万円減少しました。建設工事の完成物件が少なかったことも重なり、賃貸事業の増収だけでは建設部門の利益減を補えませんでした。売上高が伸びても利益が減る構図が鮮明で、今後は受注を利益につなげる施工採算の改善が焦点です。
セグメント別動向
建設事業は売上高が前年同期比1.7%減、営業利益が29.7%減となりました。前期末の受注残は豊富で工事はおおむね順調に進みましたが、完工物件が少なく完成工事高が減少し、資材・住宅設備の値上がりで利益率も低下しました。一方、当四半期の連結受注高は前年同期比17.8%増と伸び、単体の受注残高も同21.9%増となっています。
不動産賃貸事業は売上高が前年同期比3.6%増、営業利益が2.0%増でした。管理物件数の増加を背景に、サブリース経営代行システムによる家賃収入や管理料収入が増えました。入居仲介を促す施策も奏功し、期末入居率は98.0%を維持しています。
- その他: 広告代理店、旅行代理店、ゴルフ場・ホテル運営などの売上高は前年同期比7.6%増。前年の営業損失から営業黒字に転じました。
賃貸事業は高い入居率と管理物件の増加が下支えする一方、建設事業は受注が伸びても資材価格や完工時期が利益を左右します。受注残の増加が、今後の売上高だけでなく採算改善にも結びつくかが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 376億円 | 40% | 25億円 | 6.8% |
| 不動産賃貸事業 | 566億円 | 60% | 40億円 | 7.0% |
| その他 | 6億円 | 1% | 17百万円 | 2.9% |
財務状況と資本政策
2026年7月末の総資産は前期末比3.4%減の2,082億円、自己資本比率は前期末の54.0%から55.5%に上昇しました。現金預金の減少などで資産が縮小する一方、負債の減少幅が純資産の減少幅を上回りました。
| 項目 | 2026年7月末・予想 | 前期末・前期実績との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,082億34百万円 | 前期末比-3.4% |
| 自己資本比率 | 55.5% | 前期末比+1.5ポイント |
| 現金預金 | 1,108億63百万円 | 前期末から76億11百万円減 |
| 年間配当予想 | 400円 | 前期実績360円から40円増 |
| 自社株買い | 開示なし | 当四半期の実施記載なし |
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの内訳は確認できません。配当予想は前回公表から変更されておらず、増配計画を維持しています。自己資本比率の上昇と配当の拡充が示される一方、現金預金の減少や利益剰余金の減少もあり、今後の利益回復と資金の使い方をあわせて見たいところです。
通期見通し
東建は2027年4月期の通期連結業績予想を据え置きました。売上高は前期比5.6%増を見込む一方、営業利益・経常利益・純利益はそれぞれ前期比で減少する計画です。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績・前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 408,218 | 408,218 | 386,537・+5.6% |
| 営業利益 | 20,175 | 20,175 | 短信記載なし・-9.8% |
| 経常利益 | 21,108 | 21,108 | 短信記載なし・-9.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,568 | 14,568 | 短信記載なし・-9.9% |
前回予想は2026年6月12日公表分で、今回の短信では修正していません。第1四半期は営業減益となったものの、受注残の増加や賃貸事業の安定収入が通期達成を支える要素です。ただし、資材価格の上昇が続けば建設事業の採算が重荷となるため、今後の工事進捗と利益率が予想達成のカギになります。
リスクと課題
足元では住宅着工の回復や賃貸物件の高い入居率が追い風ですが、利益面では建設コストの上昇がすでに影響しています。会社が挙げる景気の不透明さも含め、受注の量だけでなく採算や市場環境の変化を確認する必要があります。
- 建設資材・設備価格: 価格上昇は完成工事総利益率を押し下げ、受注が増えても利益が伴わない可能性があります。
- 完工時期の偏り: 完工物件が少ないと完成工事高が減り、四半期ごとの業績が変動する要因になります。
- 景気・金融市場の変動: 中東情勢や金融資本市場の変動など、会社が挙げる不透明要因が住宅需要や資金環境に影響するおそれがあります。
- 自然災害などの影響: 自然災害は工事の進行や賃貸物件の運営に影響する可能性があり、業績の下振れ要因となり得ます。
建設事業の受注残は増えていますが、利益率が低下した状態で受注を積み上げれば、売上の伸びが利益回復に直結しない懸念があります。資材コストの転嫁や工事採算の改善が進むかを、次の四半期以降に確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/11)
13,490円
最新終値(2026/10/23)
13,140円-2.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東建#決算#決算分析#四半期決算#建設業#不動産賃貸#受注残#減益
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コメント
賃貸管理の積み上げが売上を支える一方、建設部門では受注の増加が利益に結びついていません。資材価格の上昇をどこまで販売価格や工事条件に反映できるかが、東建の利益回復を左右しそうです。
受注残の増加は先々の売上を支える材料ですが、現時点では通期予想が減益のまま据え置かれています。単なる受注額の伸びではなく、受注残の採算と完工の進み具合を追うべき決算です。
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