USS、2027年3月期第1四半期決算、営業利益9.8%増で通期予想を上方修正

USS(ユー・エス・エス)が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高312億56百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益161億50百万円(同9.8%増)の増収増益となった。オートオークション事業を中心に全セグメントが好調で、通期業績予想を上方修正した。積極的な自社株買いも実施し、株主還元を強化している。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 313億円 | +14.1% | 1,218億円 | 26% |
| 営業利益 | 162億円 | +9.8% | 626億円 | 26% |
| 純利益 | 109億円 | +7.0% | 426億円 | 26% |
| 営業利益率 | 51.7% | |||
業績のポイント
中古車オークション最大手のUSS(ユー・エス・エス)は、2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結決算で、売上高312億56百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益161億50百万円(同9.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益109億46百万円(同7.0%増)を計上し、第1四半期として過去最高の業績となった。
国内の新車販売が自動車税環境性能割の廃止で増加し、中古車市場も堅調に推移。オークション出品台数は前年同期比4.7%増の95万台、成約台数は8.4%増の61.9万台に拡大し、成約率は65.1%(前年同期62.9%)へ向上した。加えて、インターネット入札システム「CIS」の月会費改定効果も寄与し、主力のオートオークション事業が増収増益を牽引した。
全3事業セグメントがいずれも営業増益となり、特にリサイクル事業は金属相場高と解体工事の増加で営業利益が前年同期の4.3倍に急拡大。中古自動車等買取販売も黒字転換を果たした。これらの好調を受け、会社は第2四半期累計および通期の業績予想を上方修正している。
セグメント別動向
オートオークション事業は、外部顧客売上高242億6百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益157億28百万円(同7.6%増)。出品台数・成約台数の増加に加え、CISの月会費改定が増収に貢献。営業利益率は約65%と極めて高い収益性を維持している。
中古自動車等買取販売事業は、外部顧客売上高32億62百万円(同14.0%増)、営業利益65百万円(前年同期は25百万円の損失)。買取専門店「ラビット」の販売台数増加とオークション相場の好調による台当たり粗利益改善が増収増益と黒字転換をもたらした。事故現状車買取販売も相場上昇の恩恵を受けた。
リサイクル事業は、外部顧客売上高34億21百万円(同80.9%増)、営業利益2億84百万円(同433.8%増)。資源リサイクルでは金属スクラップ取扱量の増加と高値圏の金属相場が、プラントリサイクルでは大型解体工事の増加が急成長を支えた。
| セグメント | 売上高 (百万円) | 前年同期比 | 営業利益 (百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| オートオークション | 24,206 | +8.5% | 15,728 | +7.6% |
| 中古自動車等買取販売 | 3,262 | +14.0% | 65 | 黒字転換 |
| リサイクル | 3,421 | +80.9% | 284 | +433.8% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| オートオークション | 242億円 | 77% | 157億円 | 65.0% |
| 中古自動車等買取販売 | 33億円 | 10% | 65百万円 | 2.0% |
| リサイクル | 34億円 | 11% | 3億円 | 8.3% |
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は2,430億31百万円で、前期末比270億98百万円減少。主に現預金の減少(287億44百万円減)による。負債は527億58百万円で64億5百万円減少、未払法人税等の減少が主因。純資産は1,902億73百万円と206億93百万円減少したが、これは四半期純利益の計上109億46百万円に対し、配当136億99百万円と自己株取得179億99百万円を行ったため。自己資本比率は76.8%と高水準を維持。
営業CFは43億9百万円の収入(前年同期39億66百万円)で、税引前利益163億53百万円に対し法人税等支払103億40百万円など。投資CFは8億45百万円の支出で、無形固定資産取得9億56百万円が主。財務CFは318億8百万円の支出となり、自己株式取得179億99百万円と配当金支払136億99百万円を反映。
2026年5月にToSTNeT-3で1,033万株の自己株を取得し、総額179億99百万円の大規模な自社株買いを実施。年間配当は前期比1.70円増の56.40円を予定。加えて、2026年7月に信託型従業員持株インセンティブ・プランを再導入し、50万2,500株の自己株式を処分した。
通期見通し
第1四半期の好調を受け、会社は2027年3月期の通期連結業績予想を上方修正した。売上高は従来予想比20億円増の1,218億円(前期比7.0%増)、営業利益は16億円増の626億円(同4.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円増の426億円(同3.0%増)となる見込み。
オークション出品台数は前回予想比5.6万台増の361.6万台、成約台数は3.4万台増の239.6万台へ引き上げられたが、成約率は66.3%で据え置き。第2四半期累計でも同様に上方修正しており、上期から通期にかけて堅調な中古車流通市場が継続するとの見方を示している。
| 項目 | 前回予想 (A) | 今回修正 (B) | 前期実績 (C) |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 119,800 | 121,800 | 113,854 |
| 営業利益(百万円) | 61,000 | 62,600 | 59,847 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 41,600 | 42,600 | 41,360 |
リスクと課題
事業環境には複数のリスクが存在する。中古車オークション市場は新車販売動向や景気変動の影響を受けやすく、国内需要の減退や輸出環境の悪化は出品台数・成約率に直結する。特にホルムズ海峡封鎖の影響でUAE向け輸出が減少したように、地政学リスクは無視できない。
また、金属相場やスクラップ市況の変動はリサイクル事業の業績に影響を与える。競合他社との差別化やインターネットオークションの普及に伴う手数料競争も課題となる。さらに、大規模な自社株買いや配当によるキャッシュ減少は財務上の柔軟性を若干低下させており、今後の成長投資とのバランスが求められる。
自社株買いと株主還元
2026年5月の取締役会決議に基づき、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で1,033万株の自己株を取得。取得総額は179億99百万円と大規模で、発行済株式総数の約2.2%に相当する。これにより自己株式は累計270億1百万円に達し、1株当たり価値の向上が期待される。
同時に、年間配当予想を前期比1.70円増の56.40円(中間28.20円、期末28.20円)とし、安定的な増配を継続。さらに、2026年7月には「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」を再導入し、自己株式50.25万株を野村信託銀行へ処分。従業員の中長期的なインセンティブ強化と株主との利害共有を図る方針で、株主還元と人材投資の両面から企業価値向上を狙う。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/4)
1,970円
最新終値(2026/10/23)
1,797.5円-8.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#USS#決算#決算分析#四半期決算#上方修正#増収増益#オートオークション#自社株買い#中古車市場#配当増額
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コメント
第1四半期として過去最高益を更新し、通期予想の上方修正も市場の強さを反映している。主力のオートオークション事業は出品・成約台数の拡大とCIS会費改定で増収増益を達成し、利益率の高さは他社の追随を許さない。特筆すべきはリサイクル事業の急成長で、金属相場高と大型解体工事の取り込みが奏功し、セグメント利益が前年同期の4倍超となった点だ。
一方、積極的な自社株買い(約180億円)は株主還元の強化として評価できるが、現預金が大幅に減少しており、今後の大型投資や買収資金に影響を与えないか注視したい。また、中古車輸出市場では地政学リスクが顕在化しており、UAE向け減少の穴をアフリカ・ロシア向けで補っている状況は、需給のバランスが崩れた際のリスク要因となる。
オークション事業の収益モメンタムは当面持続とみられるが、国内新車販売の政策効果の息切れや、輸出規制の動向には注意が必要だ。
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