アルバック、アルバック成膜の全株を稲畑産業へ49億円で譲渡、成膜事業を切り離し半導体分野へ資源集中
アルバックは2026年10月27日、連結子会社アルバック成膜の保有全株式を稲畑産業に49億円で譲渡すると発表した。譲渡するのは314,600株で、持ち株比率は65.0%から0%となる。2026年12月18日の実行を予定し、台湾・中国の子会社も連結対象から外れる。成膜事業を譲渡し、半導体・電子分野へ経営資源を重点配分する。2027年6月期の連結業績への影響は軽微としている。

開示の要点
- 譲渡価額
- 49億円
- 譲渡株数
- 314,600株
- 持株比率
- 65.0%から0%
- 実行日
- 2026年12月18日(予定)
- 業績影響
- 2027年6月期は軽微
アルバック成膜の全株を譲渡、連結子会社から外れる
アルバックは保有するアルバック成膜の全株式を、既存株主の稲畑産業に譲渡する。取締役会決議日は2026年10月27日で、契約締結は10月30日、株式譲渡の実行は12月18日を予定する。
| 項目 | 譲渡前 | 譲渡後 |
|---|---|---|
| アルバックの所有株式数 | 314,600株 | 0株 |
| 議決権所有割合 | 65.0% | 0% |
アルバック成膜は譲渡後、アルバックの連結子会社ではなくなる。株式譲渡の対価は49億円で、同社の経営権は稲畑産業に移る。
事業ポートフォリオを見直し、半導体・電子分野に資源配分
アルバックは、2025年8月に公表した中長期経営計画「Value Up Plan」に沿って、半導体・電子分野を中心とする事業構成への転換と経営資源の最適化を進める。譲渡の背景として、同社は成膜グループの成長性や、アルバックグループ内での事業の位置付けを総合的に検討した。
- 成長に必要な投資: マスクブランクス市場では半導体需要や高付加価値製品の拡大が見込まれる一方、競争力の維持・強化には継続的な設備投資と事業基盤の強化が必要と説明している。
- 稲畑産業の事業基盤: 稲畑産業は既存株主として販売活動や事業運営に関与してきた。顧客基盤、販売網、調達機能と、成膜グループの製造・技術基盤を組み合わせることで、事業価値の向上を見込む。
- アルバック側の狙い: 成膜事業を譲渡し、経営資源を半導体・電子分野などの成長領域へ重点的に配分する方針だ。
今回の判断は、成膜グループの成長に適した運営体制を稲畑産業の下で整えるとともに、アルバック自身は成長分野へ資源を寄せる事業ポートフォリオ改革と位置付けられる。
台湾・中国の関連会社もアルバックの連結対象から外れる
譲渡に伴い、アルバック成膜の子会社である台湾の台灣成膜光電股份有限公司と中国の愛発科成膜技術(合肥)有限公司も、アルバックの連結子会社から外れる。また、アルバック成膜の完全子会社である株式会社ファインサーフェス技術は、アルバックの非連結子会社から外れる。
アルバック成膜は半導体・フラットパネルディスプレー向けマスクブランクスの製造・販売と、石英基板の加工を手掛ける。単体の2026年6月期は売上高89.20億円、営業利益10.76億円で、いずれも前期を上回った。
| アルバック成膜単体 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|
| 売上高(億円) | 84.17 | 89.20 |
| 営業利益(億円) | 8.83 | 10.76 |
| 当期純利益(億円) | 9.51 | 10.10 |
譲渡対象は国内会社の株式だけでなく、海外の関連事業を含む成膜グループ全体に及ぶ。アルバックの事業構成や連結範囲が変わる一方、譲渡後の成膜グループは稲畑産業の事業基盤と一体で運営されることになる。
連結業績への影響は軽微
アルバックは、本株式譲渡が2027年6月期の連結業績に与える影響を軽微としている。今後、開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表するとした。
- アルバックの事業面: 「Value Up Plan」に掲げる事業ポートフォリオ改革を進め、成長領域への経営資源の重点配分を目指す。
- 稲畑産業の事業面: 既存の販売網や調達機能と成膜グループの製造・技術基盤を組み合わせ、継続投資や事業展開につなげる考えだ。
短期的な連結業績への影響は限定的との会社見通しだが、譲渡後はアルバックの連結売上高や利益に成膜グループの実績が含まれなくなる。今後は、資源を振り向ける成長領域での投資や事業成果が、ポートフォリオ改革の進展をみるうえでの焦点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/27)
7,571円
最新終値(2026/10/27)
7,571円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
半導体装置業界の今
掲載15社アルバックは半導体装置業界の掲載15社中、売上高で6位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +39.1%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- +64.1%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 4社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 31.3%
- アルバック+9.6%
- 半導体装置(業界平均)+39.1%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+33.0%・営業利益+48.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は3社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本マイクロ(営業利益+155.3%)。






タグ#アルバック#子会社株式譲渡#稲畑産業#半導体#マスクブランクス#事業ポートフォリオ改革
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注目点は、連結業績への影響が軽微という短期見通しと、半導体・電子分野へ経営資源を集める中長期の事業再編を分けて捉えることだ。アルバック成膜は直近決算で増収増益だったため、譲渡後は同社の成長とアルバック本体の成長領域への投資成果が別々に評価される。譲渡後の資源配分と成長領域の成果が、計画の実効性を見極める材料になる。
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