野村マイクロ、2027年3月期第1四半期決算、売上高25.8%減も受注高783%増で通期予想を据え置き
野村マイクロの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比25.8%減の92億200万円と減収、営業利益も54.4%減の6億2800万円と大幅減益となった。しかし、受注高は前年同期比783.4%増の388億9100万円と急増し、大型水処理装置の獲得が奏功。通期業績予想は前期比大幅増収増益を見込む当初計画を据え置いた。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 92億円 | -25.8% | 970億円 | 9% |
| 営業利益 | 6億円 | -54.4% | 160億円 | 4% |
| 純利益 | 2億円 | -48.4% | 111億円 | 2% |
| 営業利益率 | 6.8% | |||
業績のポイント
野村マイクロ(野村マイクロ・サイエンス)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比25.8%減の92億200万円、営業利益が54.4%減の6億2800万円、経常利益が56.2%減の3億4200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が48.4%減の2億3900万円と、大幅な減収減益となった。
一方、受注高は前期に獲得した大型水処理装置案件が一巡した反動や、半導体関連の設備投資需要が堅調に推移したことを背景に、日本・東アジアを中心に大型受注を相次いで獲得し、前年同期比783.4%増の388億9100万円と急増。案件の大型化と数量増が同時に進み、過去に例を見ない受注高水準となった。
売上総利益率は、メンテナンス及び消耗品の売上構成比が高まったことで23.3%(前年同期22.4%)に改善。しかし、大型水処理装置の売上一巡による減収が響き、売上総利益は21億4600万円(同22.8%減)にとどまった。販売費及び一般管理費が人件費増などで15億1800万円(同8.2%増)と拡大し、営業減益に拍車をかけた。
セグメント別動向
6つの地域セグメント別では、国内の大幅減収が全体を押し下げる一方、台湾と韓国が大幅増収となり、地域間のコントラストが鮮明となった。
日本セグメントは、前年の大型水処理装置の反動減に加え、新規大型案件の売上計上が下期以降となることから、売上高は38億9400万円(前年同期比47.8%減)、営業利益は3億9500万円(同48.1%減)と半減。全社売上高の約42%を占める最大セグメントの不振が業績全体に重くのしかかった。
韓国は前期受注の大型水処理装置工事の進捗により売上高が13億7400万円(前年同期比124.7%増)と急伸。ただし、一部案件の原価上昇により営業利益は1900万円(同67.6%減)にとどまり、収益性の課題を残した。
中国は大型工事の一巡をメンテナンス・消耗品の堅調が補い、売上高は10億3100万円(同4.2%増)と微増。しかし、原価や販管費の増加により2400万円の営業損失(前年同期は900万円の営業利益)に転落した。
台湾は前年に受注した大型工事の順調な進捗とメンテナンス好調で、売上高17億3000万円(前年同期比168.4%増)、営業利益1億8800万円(同0.5%増)と拡大。米国は大型案件一巡で売上高11億2300万円(同58.1%減)、営業利益4000万円(同88.9%減)と大幅減収減益となった。
その他(シンガポール等)は、現地営業が軌道に乗り、売上高4800万円(同617.5%増)、営業利益800万円(前年同期は300万円の営業損失)と黒字化を達成した。
| セグメント | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 前年同期比増減率(売上) | 前年同期比増減率(利益) |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 3,894 | 396 | -47.8% | -48.1% |
| 韓国 | 1,374 | 20 | +124.7% | -67.6% |
| 中国 | 1,032 | -25 | +4.2% | 赤字転落 |
| 台湾 | 1,731 | 189 | +168.4% | +0.5% |
| 米国 | 1,123 | 40 | -58.1% | -88.9% |
| その他 | 48 | 8 | +617.5% | 黒字転換 |
(注:数値は百万円単位、一部四捨五入)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 39億円 | 42% | 4億円 | 10.2% |
| 韓国 | 14億円 | 15% | 20百万円 | 1.5% |
| 中国 | 10億円 | 11% | -25百万円 | -2.4% |
| 台湾 | 17億円 | 19% | 2億円 | 10.9% |
| 米国 | 11億円 | 12% | 40百万円 | 3.6% |
| その他 | 48百万円 | 1% | 8百万円 | 16.7% |
財務状況と資本政策
当四半期末の総資産は前連結会計年度末比787百万円増加の111,078百万円。受取手形・売掛金及び契約資産が21億9500万円増加し、短期借入金が34億7800万円増加した一方、現預金は19億5100万円減少した。負債合計は同20億9700万円増の725億3500万円となり、純資産は利益剰余金の減少などで同13億1000万円減の385億4200万円、自己資本比率は33.9%(前期末35.6%)に低下した。
キャッシュフロー計算書は四半期として作成されていないが、運転資金の増加が借入増につながっている構図がうかがえる。
配当予想は、第2四半期末30円、期末55円、年間85円を据え置き、前期の81円から4円の増配を計画。後発事象として、2026年7月にストックオプション(新株予約権254,500株)の発行を決議し、執行役員・従業員の中長期的なインセンティブ強化を図っている。
リスクと課題
同社は、中東情勢緊迫化によるエネルギー価格や物流への影響、米国の通商・関税政策の不透明感、中国経済の停滞などを主な外部リスクに挙げている。半導体業界ではAI関連投資は堅調だが、地政学的緊張や景気変動により設備投資計画が左右される可能性がある。
事業面では、大型水処理装置の案件依存度が高く、受注から売上計上までの期間が長期にわたるため、工事進捗や原価管理の巧拙が収益を大きく変動させるリスクがある。第1四半期の受注急増はポジティブだが、これを確実に利益に結びつけるプロジェクトマネジメント力が問われる。
通期見通し
通期連結業績予想は、2026年5月公表の計画を据え置き、売上高970億円(前期比72.5%増)、営業利益160億円(同140.0%増)、経常利益150億円(同166.5%増)、純利益111億円(同190.7%増)の大幅増収増益を見込んでいる。第1四半期の進捗率は売上高で9.5%、営業利益で3.9%と低いが、受注高急増や下期への計上集中を踏まえると順当なスタートといえる。
| 項目 | 前回予想(2026/5) | 今回予想 | 前期実績(2026/3期) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 970億円 | 970億円 | 562億円 |
| 営業利益 | 160億円 | 160億円 | 66億円 |
| 経常利益 | 150億円 | 150億円 | 56億円 |
| 純利益 | 111億円 | 111億円 | 38億円 |
(注:前期実績は連結)
半導体製造装置市場の拡大が続く限り、通期達成の蓋然性は高いが、為替や地政学リスクが下振れ要因となり得る。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
4,225円
最新終値(2026/10/23)
2,891円-31.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#野村マイクロ#決算#決算分析#四半期決算#受注高増#減収減益#半導体製造装置#大型水処理装置#業績予想据え置き#増配
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コメント
第1四半期決算は減収減益だが、受注高の急増が将来の業績を強く示唆する。受注残の積み上がりが過去最高水準に達しており、下期以降の利益貢献に期待がかかる。ただし、大型案件の原価管理や人員増に伴う固定費上昇が収益性を圧迫する可能性には留意が必要。中期的には半導体投資の持続力が鍵となる。
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