日本航空電子工業、通期売上高を2550億円に上方修正、純利益は前期実績下回る
日本航空電子工業は2027年3月期の通期売上高予想を前回から6.3%引き上げ、2,550億円に修正した。営業利益も10.5%増の105億円とする一方、経常利益は78億円、純利益は50億円へ減額し、前期実績も下回る見通し。中間期は売上高が計画を上回ったが、銅などの原材料高、人件費上昇、為替差損で利益が予想を下回った。売上拡大と利益回復に差が出る構図だ。

開示の要点
- 通期売上高
- 2,550億円
- 通期営業利益
- 105億円
- 通期経常利益
- 78億円
- 通期純利益
- 50億円
中間期は売上高が計画超え、利益は予想を下回る
2027年3月期中間期の売上高は1,235億6,400万円と前回予想を上回った一方、営業利益は32億7,900万円、純利益は13億9,000万円にとどまり、いずれも予想を下回った。
| 項目(億円) | 前回予想 | 中間期実績 | 前期中間期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,200 | 1,235.64 | 1,104.41 |
| 営業利益 | 38 | 32.79 | 47.60 |
| 経常利益 | 35 | 21.81 | 47.36 |
| 純利益 | 27 | 13.90 | 31.16 |
売上高は前回予想比3.0%増だったが、営業利益は同13.7%減、経常利益は37.7%減、純利益は48.5%減となった。前期中間期実績と比べても、売上高は上回った一方、各利益は下回っている。
売上高・営業利益は上方修正、純利益は前期比でも減少
通期の売上高予想を2,550億円、営業利益予想を105億円に引き上げた。前期実績と比べると売上高、営業利益は上回る一方、経常利益と純利益は下回る見込みだ。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,400 | 2,550 | 2,278.72 |
| 営業利益 | 95 | 105 | 89.37 |
| 経常利益 | 85 | 78 | 82.48 |
| 純利益 | 60 | 50 | 70.69 |
前回予想比では売上高が6.3%増、営業利益が10.5%増となる一方、経常利益は8.2%減、純利益は16.7%減に修正した。売上・営業益の上方修正と最終益の下方修正が同時に示されており、増収がそのまま最終利益の増加につながらない見通しとなっている。
自動車・AI関連需要を見込む一方、コスト高と為替差損が重荷
会社は、自動車や産機・インフラ市場の需要拡大を背景に売上高の上振れを見込む。利益面ではコスト増が続くものの、営業利益は増収に加え、売価適正化やコストダウン、開発費回収で前回予想を上回るとしている。
- 中間期の売上高: スマートフォンなど一部携帯機器向けは弱かったが、期後半に自動車、産機・インフラ市場が堅調に推移した。
- 利益を押し下げた要因: 第1四半期の一部市場の需要が想定を下回ったほか、銅などの原材料価格や人件費の上昇が響いた。為替変動による為替差損も計上した。
- 通期の需要見通し: 日系顧客向けADAS製品の需要拡大に加え、AI半導体やデータセンター向け投資を背景とする産機・インフラ市場の伸びを想定する。
- 為替前提: 下半期の為替レートは1米ドル155円としている。
経常利益と純利益は、上期に発生した為替差損など営業外費用の増加を織り込んだため、前回予想を引き下げた。売上と営業利益の改善見通しに対し、為替や営業外費用が最終利益の回復を抑える構造だ。
中期計画に沿って事業ポートフォリオ改革を加速
会社は、中期経営計画に基づくポートフォリオ変革と事業基盤強化の取り組みを加速し、収益性の改善と売上拡大につなげる方針を示した。
足元では自動車向けやAI・データセンター関連の需要が売上を支える一方、原材料費や人件費、為替差損が利益を圧迫している。今後は需要の取り込みだけでなく、売価適正化やコストダウンが計画どおり進むかが、営業利益の上振れを最終利益に結びつけるうえで焦点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/28)
2,596円
最新終値(2026/10/28)
2,596円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
航空電子をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社航空電子は電機業界の掲載59社中、売上高で38位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +23.6%全業界 +17.1%
- 今期計画 営業利益
- +20.1%全業界 +11.4%
- 予想の上方修正
- 19社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- 航空電子−6.6%
- 電機(業界平均)+23.6%
- 全業界+17.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は37社合計で売上高+11.6%・営業利益+51.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は19社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはカシオ(営業利益+30.8%)。






タグ#日本航空電子工業#業績予想修正#コネクター#自動車#ADAS#AI半導体#データセンター
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
今回の修正は、需要回復を取り込んで売上高と営業利益を引き上げる一方、為替差損などを反映して経常利益と純利益を引き下げた点が重要だ。会社は下半期の為替前提を1ドル155円としており、為替の変動や営業外費用の実績が利益の振れにつながる可能性がある。売上の伸びが最終利益に届くかを見極めるには、需要の進捗だけでなく、価格転嫁やコストダウンの実効性にも注目したい。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
関連記事
コネクタ・電子基板の最新記事
- 決算解説ヒロセ電機2027年3月期 第1四半期ヒロセ電機、2027年3月期第1四半期決算、営業利益35.6%増で通期予想を上方修正
- 決算解説メイコー2027年3月期 第1四半期メイコー、2027年3月期第1四半期決算、売上高38%増で過去最高も原材料高が利益圧迫

- 決算解説ミネベアミツミ2027年3月期 第1四半期ミネベアミツミ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益51%増で通期純利益を上方修正

- 決算解説ホシデン2027年3月期 第1四半期ホシデン、2027年3月期第1四半期決算、減収も営業利益85%増

- 自己株式取得終了ヒロセ電機10月16日ヒロセ電機、自己株取得を終了、累計594,200株を取得し上限150億円にほぼ到達
- 株式取得基本合意メイコー10月27日株式会社メイコー、ユニマイクロンジャパン全株取得へ基本合意、国内基板生産を拡大


