航空電子、2027年3月期第2四半期決算、増収もコスト高で営業減益

航空電子の2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比11.9%増の1,235億円となる一方、営業利益は31.1%減の32億円と増収減益でした。自動車やAI関連の産機・インフラ向けが伸びたものの、金・銅などの原材料費や人件費、物流費が利益を押し下げました。通期予想は修正され、売上高と営業利益の増加を見込む一方、純利益予想は前期を下回ります。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,236億円 | +11.9% | 2,550億円 | 48% |
| 営業利益 | 33億円 | -31.1% | 105億円 | 31% |
| 純利益 | 14億円 | -55.4% | 50億円 | 28% |
| 営業利益率 | 2.7% | |||
この決算のポイント
- 1経常利益は為替差損も響き、前年同期比53.9%減の21億円となった
- 2コネクタ事業は増収ながら、セグメント利益が前年同期比約40%減の38億円
- 3航機事業のセグメント利益は前年同期比約135%増の18億円
- 4通期予想を修正し、年間配当予想は前期の60円から50円に減額
- 5設備取得などで投資CFは126億円の支出、現金同等物は期首から107億円減少
業績のポイント
航空電子(日本航空電子工業)は、2026年4~9月期に売上高1,235億6,400万円(前年同期比11.9%増)、営業利益32億7,900万円(同31.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益13億9,000万円(同55.4%減)となりました。売上高は伸びた一方、原材料や人件費などのコスト増で利益が減少し、売上成長が利益に結びつかない決算となりました。
利益を押し下げた主な要因は次の通りです。
- 原材料費: 金・銅などの価格上昇が製造コストを押し上げました。
- 調達・物流費: 円安による部材の国内調達価格上昇に加え、エネルギー価格や物流費も上昇しました。
- 人件費など: 人件費を含む各種コストが増加し、売上総利益は前年同期の180億8,800万円から178億2,600万円に減少しました。
- 為替差損: 営業外費用に6億3,500万円の為替差損を計上し、経常利益の減少幅を広げました。
米国ではAI関連の設備投資が堅調で、国内でも半導体製造装置向け需要の回復が進みました。円安は輸出や売上の追い風となる一方、部材の調達コストを押し上げており、販売価格の適正化と工場稼働率の改善が利益回復の焦点です。なお、退職給付に関する費用処理年数の変更は、当中間期の営業利益などを6,600万円押し上げました。
- 営業利益-31.1%
- 経常利益-53.9%
- 中間純利益-55.4%
セグメント別動向
コネクタ事業は売上高が1,124億500万円と前年同期比11.0%増でしたが、セグメント利益は38億9,400万円と同40.0%減でした。自動車向けや産機・インフラ向けが伸びた一方、携帯機器向け売上は前年同期の335億2,600万円から288億8,500万円に減少し、原材料費などの上昇も利益を圧迫しました。
航機事業は売上高108億3,500万円(前年同期比21.0%増)、セグメント利益18億4,800万円(同134.8%増)と、増収に加えて利益も大きく伸びました。航空・宇宙向けの需要が堅調だったほか、産機・インフラ向け売上も拡大しています。
- その他: 売上高は3億2,300万円(前年同期比37.4%増)、セグメント利益は8,300万円(同27.7%増)でした。
- セグメント再編: 当期からインターフェース・ソリューション事業をコネクタ事業に統合しました。経営資源を集約し、事業の再成長と収益力の改善を目指す方針です。
全社売上を牽引した自動車向けと、利益成長が目立つ航機事業に対し、コネクタ事業では携帯機器の弱さとコスト上昇が課題です。AI関連の設備需要や航空・宇宙市場の堅調さを、利益率の改善につなげられるかが注目されます。
- コネクタ-40.0%
- 航機+134.8%
- その他+27.7%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| コネクタ事業 | 1,124億円 | 91% | 39億円 | 3.5% |
| 航機事業 | 108億円 | 9% | 18億円 | 17.1% |
| その他 | 3億円 | 0% | 83百万円 | 25.7% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は2,334億600万円で、2026年3月末から12億6,300万円増加しました。自己資本比率は61.3%と、前期末の62.1%から低下しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前期末・前年同期 | 増減・状況 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 233,406 | 232,142 | +1,263 |
| 自己資本比率(%) | 61.3 | 62.1 | -0.8ポイント |
| 営業CF(百万円) | 6,593 | 11,586 | 前年同期比減少 |
| 投資CF(百万円) | -12,612 | -11,626 | 設備取得などの支出 |
| 現金同等物(百万円) | 37,746 | 48,499 | 期首から-10,753 |
配当は中間25円、期末予想25円で、年間予想は50円です。前期実績の年間60円から10円減配となり、会社は直近の配当予想を変更していません。自社株買いの発表は、この決算短信には記載されていません。
営業活動で65億9,300万円の資金を確保した一方、新製品生産用設備を中心とする有形固定資産の取得などで投資支出が上回り、現金同等物は期首から減少しました。設備投資を続けながら借入金も返済しており、利益の回復と投資資金の確保を両立できるかが資本政策上のポイントです。
通期見通し
航空電子は2027年3月期の通期連結業績予想を修正しました。売上高2,550億円、営業利益105億円を見込み、前期比ではそれぞれ11.9%増、17.5%増を予想する一方、純利益は50億円で前期比29.3%減の計画です。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 255,000 | +11.9% |
| 営業利益(百万円) | 10,500 | +17.5% |
| 経常利益(百万円) | 7,800 | -5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 5,000 | -29.3% |
| 1株当たり当期純利益(円) | 74.13 | — |
今回の予想は2026年4月24日に公表した内容から修正されていますが、この決算短信には前回予想の数値や修正額、修正理由の詳細は記載されていません。会社は中間期の実績などを踏まえた修正としており、詳細は同日公表の別資料を参照するよう案内しています。
中間期は増収ながら営業減益で、通期営業利益予想を達成するには下期の利益改善が必要です。年間配当予想は50円で、前期実績の60円を下回るため、売上の伸びだけでなく、原材料や物流費の上昇を吸収できるかが見通しの確度を左右します。
リスクと課題
売上高が伸びてもコスト増で営業減益となったことから、需要の強さを利益に転換できるかが当面の課題です。会社が挙げる市場環境や決算に表れたコスト・為替の影響を踏まえると、次の点に注意が必要です。
- 原材料価格: 金・銅などの価格上昇が続けば、製造原価を押し上げ、利益率の回復を遅らせる可能性があります。
- 為替変動: 円安は部材の国内調達価格を上げ、為替差損益も経常利益を左右します。当中間期は為替差損を計上しました。
- エネルギー・物流・人件費: 資源価格の高騰やインフレを背景に各種費用が増加しており、販売価格への転嫁や生産効率の改善が課題です。
- 市場ごとの需要差: 自動車やAI関連の産機・インフラ、航空・宇宙向けは堅調な一方、スマートフォン販売は低調です。中国では内需の弱さも続いています。
- 設備投資と資金負担: 新製品向け設備投資を続けるなか、投資CFは支出超過となりました。投資の成果が受注や収益に結びつくまで、資金繰りへの目配りが必要です。
中東情勢の長期化による原油高やインフレ、米中を含む各地域の景気動向も、顧客需要や調達コストに影響し得ます。会社自身も、業績予想は一定の前提に基づくもので、実際の結果はさまざまな要因で異なる可能性があるとしています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/28)
2,596円
最新終値(2026/10/28)
2,596円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
航空電子をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社航空電子は電機業界の掲載59社中、売上高で38位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +23.6%全業界 +17.1%
- 今期計画 営業利益
- +20.1%全業界 +11.4%
- 予想の上方修正
- 19社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- 航空電子−6.6%
- 電機(業界平均)+23.6%
- 全業界+17.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は37社合計で売上高+11.6%・営業利益+51.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は19社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはカシオ(営業利益+30.8%)。






タグ#航空電子#決算#決算分析#四半期決算#コネクタ#自動車部品#半導体製造装置#営業減益#配当
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
売上高の伸びを支えた自動車やAI関連需要は明るい材料ですが、コネクタ事業の利益が大きく落ち込んだ点は見逃せません。需要拡大の恩恵が利益として残る構造にできるか、価格転嫁と生産効率の改善が問われます。
一方、航機事業は航空・宇宙や産機向けの需要を取り込み、利益の伸びが際立ちました。事業再編による資源集約がコネクタ事業の収益力改善にも結びつくか、次の決算では下期の利益率と通期予想の達成度に注目したいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/japan-aviation-electronics/report/2027-Q2
関連記事
コネクタ・電子基板の最新記事
- 決算解説ヒロセ電機2027年3月期 第1四半期ヒロセ電機、2027年3月期第1四半期決算、営業利益35.6%増で通期予想を上方修正
- 決算解説メイコー2027年3月期 第1四半期メイコー、2027年3月期第1四半期決算、売上高38%増で過去最高も原材料高が利益圧迫

- 決算解説ミネベアミツミ2027年3月期 第1四半期ミネベアミツミ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益51%増で通期純利益を上方修正

- 決算解説ホシデン2027年3月期 第1四半期ホシデン、2027年3月期第1四半期決算、減収も営業利益85%増

- 自己株式取得終了ヒロセ電機10月16日ヒロセ電機、自己株取得を終了、累計594,200株を取得し上限150億円にほぼ到達
- 株式取得基本合意メイコー10月27日株式会社メイコー、ユニマイクロンジャパン全株取得へ基本合意、国内基板生産を拡大

掲載企業

日本航空電子工業株式会社
東証 6807
これが最新の決算解説です
次回の決算発表
同業他社の発表予定
今後2週間に584社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
2期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期





