ユアテック、2027年3月期第2四半期決算、利益急伸で通期予想を上方修正

ユアテックの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比5.7%増の1,256億円、営業利益が同47.5%増の86億円となり、純利益も79.4%増えました。大型工事の進捗に加え、工事価格へのコスト転嫁や原価管理が利益を押し上げ、会社は通期業績予想と配当予想を上方修正しました。工事採算の改善が利益成長をけん引しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,256億円 | +5.7% | 2,840億円 | 44% |
| 営業利益 | 87億円 | +47.5% | 221億円 | 39% |
| 純利益 | 58億円 | +79.4% | 143億円 | 40% |
| 営業利益率 | 6.9% | |||
この決算のポイント
- 1経常利益は前年同期比76.5%増の96億円、為替差益も増益に寄与
- 2設備工事業の利益は前年同期比54.9%増、売上高の大半を占める中核事業が伸長
- 3通期営業利益予想は221億円、前年実績比22.5%増を見込む
- 4年間配当予想を84円に増額、前期実績の72円から12円引き上げ
- 5上限55億円、170万株の自己株式取得を決議し、取得株を全て消却へ
業績のポイント
ユアテック(株式会社ユアテック)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比5.7%増の1,256億円、営業利益が47.5%増の86億円、親会社株主に帰属する中間純利益が79.4%増の57億円でした。営業利益の増加額は27億円で、営業利益率は前年同期の約5.0%から約6.9%に上昇しました。
- 売上高: 大型工事が順調に進み、前年同期から68億円増加。
- 営業利益: 増収に加え、工事価格へのコスト反映と原価管理の徹底で28億円増加。
- 経常利益: 96億円と前年同期比76.5%増。営業利益の伸びに為替差益も加わりました。
- 中間純利益: 57億円と前年同期比79.4%増。投資有価証券評価損を特別損失に計上しましたが、経常利益の増加が上回りました。
大型工事の進捗が売上を支え、人件費や外注費などの上昇分を工事価格に反映する取り組みが採算改善につながりました。為替差益も経常利益を押し上げた一方、純利益には10億円の投資有価証券評価損が響いています。増収に加えて工事採算も改善しており、利益の伸びが売上の伸びを大きく上回った点が中間期の特徴です。
セグメント別動向
中核の設備工事業は増収増益となり、その他事業は増収ながら減益でした。売上高の前年比とセグメント利益の前年比を比べると、設備工事業の利益成長が際立ちます。
| セグメント | 売上高前年比 | セグメント利益前年比 |
|---|---|---|
| 設備工事業 | +5.7% | +54.9% |
| その他 | +9.6% | -32.0% |
設備工事業は、外部顧客向け売上高が1,238億円、セグメント利益が84億円でした。豊富な手持工事を背景に大型工事が進み、工事価格へのコスト反映や原価管理が利益を押し上げました。グループ全体の売上高の約98.6%を占める主力事業で、同社の増益をけん引しています。
その他は、リース、警備、不動産、製造、廃棄物処理、電気事業などで構成されます。売上高は18億円に増えましたが、セグメント利益は3億円に減少しました。主力の設備工事業と比べて規模が小さく、利益の伸びは今後も事業別に見極める必要があります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 設備工事業 | 1,238億円 | 99% | 84億円 | 6.8% |
| その他 | 18億円 | 1% | 3億円 | 18.8% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から20億円減の2,269億円、自己資本比率は69.8%でした。営業キャッシュフローは前年同期を上回る一方、設備投資などで投資キャッシュフローは支出超過となりました。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・中間期 | 前期末・前年同期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,269億円 | 前期末比20億円減 |
| 自己資本比率 | 69.8% | 前期末比2.0ポイント上昇 |
| 営業キャッシュフロー | 21億円 | 前年同期比11億円増 |
| 投資キャッシュフロー | -55億円 | 前年同期より支出12億円増 |
| 財務キャッシュフロー | -19億円 | 前年同期より支出11億円減 |
- 配当: 年間予想は84円で、前期実績の72円から増額。中間配当と期末配当はそれぞれ42円の計画です。
- 自己株式取得: 上限170万株、取得価額上限55億円。取得期間は2026年10月29日から2027年3月12日までで、取得株式は2027年3月31日に全て消却する計画です。
現金及び現金同等物は前期末から53億円減の378億円となりました。設備投資などによる資金流出がある一方、自己資本比率は高水準を保っています。自己株式取得と消却は、会社が説明する資本効率の向上と株主還元の充実を目的とした施策です。
通期見通し
会社は2026年7月28日に公表した通期予想を修正し、売上高2,840億円、営業利益221億円、親会社株主に帰属する当期純利益143億円を見込みます。いずれも前期実績を上回る計画ですが、修正前の予想値と前期実績額は今回の短信には記載されていません。
| 項目 | 今回予想 | 前回予想 | 前期実績比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,840億円 | 短信に記載なし | +12.6% |
| 営業利益 | 221億円 | 短信に記載なし | +22.5% |
| 経常利益 | 232億円 | 短信に記載なし | +22.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 143億円 | 短信に記載なし | +38.5% |
上期は工事の進捗と採算改善で利益が大きく伸び、通期予想も上方修正されました。ただし、短信本文は修正後の数値を示すにとどまり、前回予想との差額や修正の具体的な内訳は別途公表の説明資料に委ねています。通期の達成には、下期も大型工事の進捗とコスト上昇分の価格反映を続けられるかが焦点です。
リスクと課題
中間期は利益が大きく伸びましたが、工事の進み方やコスト環境、為替などによって業績が変動する可能性があります。会社も業績予想は一定の前提に基づくもので、実際の結果はさまざまな要因で異なり得るとしています。
- 工事の進捗: 大型工事の遅れや工事量の変化は、売上計上や利益の時期に影響します。
- 人件費・外注費の上昇: コスト増を工事価格に反映できなければ、工事採算や営業利益を圧迫するおそれがあります。
- 原価管理: 案件ごとの採算を確保できるかが重要です。上期の利益改善を下期も維持できるかが通期計画の達成を左右します。
- 為替・保有有価証券: 為替差益は今回の経常増益要因でしたが、為替の変動は利益を押し上げる場合と押し下げる場合があります。投資有価証券の評価損も中間純利益に影響しました。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/28)
2,550円
最新終値(2026/10/28)
2,550円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
ユアテックをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて建設・不動産業界の今
掲載61社ユアテックは建設・不動産業界の掲載61社中、売上高で39位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +4.7%全業界 +17.1%
- 今期計画 営業利益
- +0.9%全業界 +11.4%
- 予想の上方修正
- 6社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 10.1%
- ユアテック−0.4%
- 建設・不動産(業界平均)+4.7%
- 全業界+17.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は41社合計で売上高+5.8%・営業利益+14.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は5社、下回る企業は30社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはユアテック(営業利益+16.9%)。






タグ#ユアテック#決算#決算分析#四半期決算#設備工事業#増収増益#業績予想上方修正#増配#自社株買い
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営業利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回り、工事価格へのコスト転嫁と原価管理が数字に表れた決算です。豊富な手持工事を利益につなげられている点は評価できます。
一方、経常利益の増加には為替差益も含まれ、純利益には有価証券評価損が発生しました。下期は工事採算の改善を続けられるかに加え、通期予想の修正内容や工事の進捗を確認したいところです。
上限55億円の自己株式取得と取得株の全数消却、年間配当の増額は、利益成長を株主還元にもつなげる判断です。就職活動中の学生にとっては、主力の設備工事を軸に、価格交渉力や現場の原価管理が企業収益を左右することが読み取れる決算です。
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