ミネベアミツミ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益51%増で通期純利益を上方修正

ミネベアミツミが2027年3月期第1四半期決算を発表し、売上高は前年同期比16.3%増の426,567百万円、営業利益は同50.9%増の26,313百万円と大幅な増益を達成した。データセンター向けベアリングや光デバイスが好調で、全セグメント増収。通期の純利益予想を上方修正した。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,266億円 | +16.3% | 1.7兆円 | 25% |
| 営業利益 | 263億円 | +50.9% | 1,200億円 | 22% |
| 純利益 | 213億円 | +95.6% | 870億円 | 24% |
| 営業利益率 | 6.2% | |||
業績のポイント
ミネベアミツミ(ミネベアミツミ株式会社)は2026年8月5日、2027年3月期第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比16.3%増の426,567百万円、営業利益は同50.9%増の26,313百万円、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は同95.6%増の21,298百万円と、大幅な増益を達成した。データセンター向けベアリングや光デバイス、HDD用モーターの需要拡大が業績を押し上げた。一方で、欧州の自動車部品事業では構造改革の影響で営業利益が97%減少し、部門別の明暗が分かれた。為替差益を含む金融収益も利益を大きく膨らませ、税引前利益は前年同期の2倍近い29,812百万円に達した。
セグメント別動向
当四半期から一部セグメント区分を再編し、比較可能な前期データも遡及修正して開示している。
| セグメント | 売上高(百万円) | 前年同期比 | 営業利益(百万円) | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| プレシジョンテクノロジーズ | 82,048 | +23.7% | 19,119 | +34.1% | 23.3% |
| モーター・ライティング&センシング | 124,521 | +20.1% | 7,567 | +58.3% | 6.1% |
| セミコンダクタ&エレクトロニクス | 134,217 | +14.5% | 5,995 | +168.3% | 4.5% |
| アクセスソリューションズ | 84,459 | +7.0% | 72 | △97.3% | 0.1% |
稼ぎ頭のプレシジョンテクノロジーズ事業は、データセンター向けサーバー需要が堅調で主力のボールベアリング販売が好調だった。航空機向けロッドエンドベアリングも需要増。営業利益率は23.3%と高収益を維持した。
モーター・ライティング&センシング事業は、HDD用スピンドルモーターやファンモーターの販売が伸び、増収増益。利益率は前年同期の4.6%から6.1%へ改善した。
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業は、光デバイスの販売増が牽引し、営業利益が前年同期比168.3%増と急回復した。利益率は1.9%から4.5%へ大幅改善した。
アクセスソリューションズ事業は、自動車生産増により増収となったが、欧州の構造改革費用が重石となり営業利益はわずか72百万円に激減した。ミネベアミツミは、収益性の低い事業の整理と高収益コア事業へのシフトを進めており、その一環とみられる。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| プレシジョンテクノロジーズ | 820億円 | 19% | 191億円 | 23.3% |
| モーター・ライティング&センシング | 1,245億円 | 29% | 76億円 | 6.1% |
| セミコンダクタ&エレクトロニクス | 1,342億円 | 32% | 60億円 | 4.5% |
| アクセスソリューションズ | 845億円 | 20% | 72百万円 | 0.1% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は1,883,080百万円(前期末比+68,243百万円)で、棚卸資産や設備投資の増加が目立つ。有利子負債は社債と借入金合計で489,424百万円と横ばいで、親会社帰属持分比率は49.2%と財務の健全性を維持する。営業キャッシュ・フローは47,462百万円の収入となり、前年同期の2倍以上に拡大。投資キャッシュ・フローは設備投資拡大で30,674百万円の支出となった。
株主還元では、2027年3月期の年間配当予想を前期比10円増の60円(中間30円、期末30円)へ引き上げ、連結配当性向30%程度を目安としている。自己株式取得は極めて小規模で、優先順位は設備投資と配当にあるとみられる。
リスクと課題
ミネベアミツミが認識する主なリスクは以下の通り。
- 中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の高止まりが、原材料費や物流費を押し上げる可能性
- 中国の不動産不況や欧州の景気減速など地域別の需要変動リスク
- 為替相場の変動(金融収益が利益を押し上げているが、円高は逆風)
- アクセスソリューションズ事業の構造改革が長期化した場合の収益下振れ
- 地政学リスクや通商政策の変化によるサプライチェーン混乱
特にアクセスソリューションズの収益低下は喫緊の課題であり、欧州事業の立て直しが急務である。
通期見通し
会社は第1四半期の好調を踏まえ、通期の純利益予想を87,000百万円(従来83,000百万円)へ4,000百万円上方修正した。売上高1,690,000百万円、営業利益120,000百万円は据え置いた。前年同期比では純利益は12.2%減の予想だが、これは前期に計上した一時利益の反動によるもので、実質的な事業収益は拡大する見通し。
| (百万円) | 前回予想 | 今回修正 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,690,000 | 1,690,000 | 1,664,387 |
| 営業利益 | 120,000 | 120,000 | 103,979 |
| 純利益 | 83,000 | 87,000 | 99,034 |
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
4,096円
最新終値(2026/10/23)
3,120円-23.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ミネベアミツミ#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#上方修正#配当増額#データセンター#半導体#ベアリング
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
第1四半期はデータセンターと航空機需要という成長市場の追い風を受けて好スタートを切った。プレシジョンテクノロジーズの高収益が全体を牽引しており、この部門の持続力が通期達成の鍵を握る。一方、アクセスソリューションズの利益急減は構造改革の痛みとはいえ、株主にとっては懸念材料。欧州事業の収益改善に具体的な道筋を示せるかが焦点となる。配当増額はポジティブだが、配当性向30%目標に対して今期の修正後利益では配当60円が妥当であり、大幅な増配余地は限定的とみる。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/minebeamitsumi/report/2027-Q1
関連記事
同社の関連記事
コネクタ・電子基板の最新記事
- 決算解説ヒロセ電機2027年3月期 第1四半期ヒロセ電機、2027年3月期第1四半期決算、営業利益35.6%増で通期予想を上方修正

- 決算解説メイコー2027年3月期 第1四半期メイコー、2027年3月期第1四半期決算、売上高38%増で過去最高も原材料高が利益圧迫

- 決算解説ホシデン2027年3月期 第1四半期ホシデン、2027年3月期第1四半期決算、減収も営業利益85%増

- 決算解説航空電子2027年3月期 第1四半期航空電子、2027年3月期第1四半期決算、増収も原材料高で営業利益78%減

- 自己株式取得終了ヒロセ電機10月16日ヒロセ電機、自己株取得を終了、累計594,200株を取得し上限150億円にほぼ到達

- 配当予想修正メイコー9月28日株主拡大狙う株式分割と2027年3月期配当予想修正、年間160円維持で実質増配の兆し






