ちゅうぎん、2027年3月期第2四半期決算、純利益71%増で通期予想を上方修正

ちゅうぎんの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、国内金利の上昇を背景に経常収益が前年同期比78.1%増、親会社株主に帰属する中間純利益が71.3%増となりました。有価証券の売却損が膨らむ一方、貸出金利息や株式関係損益が利益を押し上げ、会社は通期の利益予想を上方修正し、年間配当予想も引き上げました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,040億円 | +78.1% | 3,470億円 | 59% |
| 営業利益 | 434億円 | +72.0% | — | — |
| 純利益 | 298億円 | +71.3% | 550億円 | 54% |
| 営業利益率 | 21.3% | |||
この決算のポイント
- 1国内金利上昇などで資金利益が拡大し、連結経常利益は前年同期比72.0%増の433億円
- 2銀行業の経常利益は71.7%増、証券業も177.1%増とグループの増益を支えた
- 3低利回り債券の入れ替えで債券関係損益は409億円の損失となり、前年より損失が拡大
- 4通期純利益予想を期初の450億円から550億円へ引き上げ、年間配当予想は124円
- 5貸出金残高は前期末比590億円増加する一方、公金預金の減少などで預金は減少
業績のポイント
ちゅうぎん(ちゅうぎんフィナンシャルグループ)の2027年3月期中間期は、経常収益が前年同期比78.1%増の2,039億69百万円、経常利益が72.0%増の433億54百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が71.3%増の297億54百万円でした。利益の増減を分けると、株式関係損益の増加が大きく寄与する一方、債券関係損益を含む連結粗利益は前年を下回りました。
| 経常利益の増減要因(億円) | 前年同期比 |
|---|---|
| 前年同期の経常利益 | 252.01 |
| 連結粗利益の減少 | -147.54 |
| 経費の増加 | -19.16 |
| 貸倒償却引当費用の減少 | +10.50 |
| 償却債権取立益の増加 | +0.68 |
| 株式関係損益の増加 | +326.21 |
| その他経常損益の増加 | +10.84 |
| 当中間期の経常利益 | 433.54 |
収益を押し上げた背景には、国内金利上昇による貸出金利息や有価証券利息配当金の増加があります。特に株式関係損益の伸びが、債券関係損益の悪化を補いました。もっとも、債券損益を除く連結粗利益は前年同期比で増えており、基礎的な資金利益の改善と、債券の入れ替えに伴う損失を分けて見る必要があります。
- 前年同期252億円
- 粗利益減-148億円
- 経費増-19.2億円
- 与信費用減+10.5億円
- 債権取立益+0.7億円
- 株式損益増+326億円
- その他損益+10.8億円
- 当中間期434億円
セグメント別動向
銀行業がグループ利益の中心を保ちながら、証券業やその他事業も増益となりました。銀行業では金利上昇による利息収入の増加が寄与し、証券業では相場環境を受けたトレーディング部門の好調が目立ちます。
銀行業は経常収益が前年同期比79.6%増の1,879億84百万円、経常利益が71.7%増の405億14百万円でした。国内金利の上昇で貸出金利息と有価証券利息配当金が増え、有価証券売却益も増加しました。一方、低利回り債券の売却に伴う損失も生じており、利息収入の伸びだけでなく債券運用の入れ替えの影響も大きい決算です。
リース業は経常収益が69.3%増の120億47百万円、経常利益が34.9%増の3億82百万円でした。大口リース契約の譲渡に伴う収入が増収の主因で、利益も前年を上回りました。
証券業は経常収益が62.4%増の33億45百万円、経常利益が177.1%増の11億53百万円でした。期中の相場環境を追い風にトレーディング部門が順調に推移し、利益の伸びが収益の伸びを上回りました。
その他は経常収益が10.8%増の153億92百万円、経常利益が9.6%増の119億84百万円でした。グループ会社からの受取配当金の増加に加え、ちゅうぎんエナジーなどの地域エネルギー事業の拡大が寄与しました。各事業の伸び方は異なりますが、銀行の金利収益に加えて証券や地域関連事業が利益を補う構図です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 1,880億円 | 86% | 405億円 | 21.6% |
| リース業 | 120億円 | 6% | 4億円 | 3.2% |
| 証券業 | 33億円 | 2% | 12億円 | 34.5% |
| その他 | 154億円 | 7% | 120億円 | 77.9% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比1,272億円減の11兆2,430億円、自己資本比率は5.9%で前期末の5.4%から上昇しました。貸出金は増加した一方、預金や有価証券は減少しています。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 前期末・前年同期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 11兆2,430億円 | 前期末比 -1,272億円 |
| 純資産 | 6,653億円 | 前期末比 +446億円 |
| 自己資本比率 | 5.9% | 前期末 5.4% |
| 貸出金 | 6兆8,560億円 | 前期末比 +590億円 |
| 預金・譲渡性預金 | 8兆3,549億円 | 前期末比 -1,490億円 |
| 有価証券 | 3兆130億円 | 前期末比 -943億円 |
中間配当は1株当たり51円で、前年同期の37円から増えました。会社は期末配当予想を73円に修正し、年間配当予想を124円としました。期初公表から期末配当を22円増額した判断は、業績予想の上方修正を踏まえたものです。
有価証券は、国内金利の上昇を踏まえて低利回り債券の売却を進めたため残高が減りました。これは将来の運用収益改善を見込んだ入れ替えですが、売却損が当期利益を押し下げる面もあります。短信にはキャッシュ・フロー計算書の数値は記載されていません。
通期見通し
ちゅうぎんは2027年3月期の連結業績予想を上方修正しました。経常収益は3,470億円、経常利益は800億円、親会社株主に帰属する当期純利益は550億円を見込みます。
| 連結業績(億円) | 期初予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 2,630 | 3,470 | 記載なし |
| 経常利益 | 650 | 800 | 560 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 450 | 550 | 397 |
今回予想は期初公表値から経常収益を840億円、経常利益を150億円、純利益を100億円引き上げました。中間期までの業績推移を踏まえた修正で、今回予想の前期比は経常収益39.3%増、経常利益42.7%増、純利益38.5%増です。
ただし、上期の増益には株式関係損益の大幅な増加が含まれます。金利上昇による資金利益の改善が続くかに加え、株式・債券市場の変動や預金金利の上昇が通期の着地を左右します。
リスクと課題
金利上昇は貸出金利息などを増やす一方、預金利息や債券評価・売却損にも影響します。利益の伸びを評価する際は、資金利益の改善と市場要因による損益を分けて見る必要があります。
- 預金金利の上昇: 預金利息が増えれば資金調達費用が膨らみ、貸出金利息の増加を一部相殺する可能性があります。
- 債券運用の損失: 低利回り債券の入れ替えで売却損が発生しました。金利変動や今後の売却判断によって、利益が振れやすくなります。
- 株式損益の変動: 当中間期は株式関係損益が大きく増えましたが、市場環境に左右されるため、同水準の利益が続くとは限りません。
- 信用コスト: 与信費用全体は前年同期より減少した一方、個別貸倒引当金繰入額は増加しました。貸出拡大に伴い、地域企業や個人の返済状況を注視する必要があります。
- 預金の減少: 公金預金の減少などで預金・譲渡性預金残高が前期末を下回りました。貸出需要に応じた安定的な資金調達が課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
3,550円
最新終値(2026/10/29)
3,550円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
ちゅうぎんをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて銀行業界の今
掲載49社ちゅうぎんは銀行業界の掲載49社中、売上高で23位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +69.5%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +23.5%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 6社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 17.1%
- ちゅうぎん+64.8%
- 銀行(業界平均)+69.5%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は24社合計で売上高+27.8%・営業利益+39.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は12社、下回る企業は0社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはちゅうぎん(売上高+31.9%)。






タグ#ちゅうぎん#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#金利上昇#通期上方修正#増配#有価証券運用
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今回の決算は、国内金利の上昇が銀行の収益力を押し上げる効果をはっきり示しました。貸出金利息や有価証券利息の増加は、株式売却益のような市況要因と比べて、今後の利益を考えるうえで注目したい部分です。
一方、債券の入れ替えに伴う損失と株式関係損益の大幅増加が同時に起きており、 headlineの増益率だけでは収益の持続性を判断しにくい面もあります。通期予想の達成度を見る際は、資金利益の伸びが預金コストの上昇を上回るかが焦点です。
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