グローリー、2027年3月期第1四半期決算、海外好調で営業利益49.8%増

グローリーの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上収益は前年同期比11.6%増の805億円、営業利益は49.8%増の48億円、親会社株主に帰属する四半期利益は125.3%増の34億円となりました。海外市場の伸びが業績をけん引し、為替の影響を除いても増収増益です。通期予想は据え置く一方、設備投資計画は引き上げました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 806億円 | +11.6% | 3,600億円 | 22% |
| 営業利益 | 48億円 | +49.8% | 320億円 | 15% |
| 純利益 | 35億円 | +125.3% | 200億円 | 17% |
| 営業利益率 | 6.0% | |||
この決算のポイント
- 1保守売上も前年同期比10.8%増の332億円となり、売上収益全体の伸びを支えた。
- 2海外市場の売上収益は前年同期比16.1%増、営業利益は104.9%増と大きく伸長。
- 3遊技市場は売上収益が7.5%減、営業利益が32.6%減となり、国内事業の課題に。
- 4通期の売上収益3,600億円、営業利益320億円の予想を維持。前期比では増収増益を見込む。
- 5通期設備投資計画を135億円から165億円へ引き上げ、研究開発費も220億円を計画。
業績のポイント
グローリー(グローリー)は2027年3月期第1四半期に増収増益となり、売上収益は前年同期比11.6%増の805億94百万円、営業利益は49.8%増の48億47百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は125.3%増の34億91百万円でした。海外市場の成長が利益を押し上げた一方、国内の遊技市場は減収減益です。
- 為替を除いた成長: 為替の影響を除くと、売上収益は前年同期比で約38億円増、営業利益は約3億円増となる見込みとしています。
- 保守売上: 保守売上収益は331億87百万円で、前年同期比10.8%増。製品販売だけでなく、保守サービスも拡大しました。
- 利益の伸び: 営業利益の増加率が売上収益を上回り、営業利益率は前年同期の約4.0%から約6.0%へ上昇しました。
売上収益の増加には為替の影響も含まれますが、会社が示す為替影響を除いた比較でも増収・営業増益です。営業利益の増加額は16億12百万円で、特に海外市場の利益拡大が目立ちました。前年同期のIFRS数値と比較できる一方、2025年3月期の実績はIFRSの遡及適用がないため、補足資料では比較対象として開示されていません。
セグメント別動向
売上の伸びは海外市場が主導し、国内では金融市場が改善しました。以下のグラフは各セグメントの売上収益の前年同期比を示しています。
海外市場は売上収益が前年同期比16.1%増、営業利益は46億66百万円で104.9%増となりました。地域別では欧州が27.1%増、アジアが31.6%増、米州が2.1%増で、欧州の伸びが大きく寄与しています。為替を除いた海外売上収益も前年同期比5.3%増でした。
金融市場は売上収益が21.9%増の81億39百万円、営業利益は前年同期の赤字から2億59百万円の黒字に転じました。金融機関やOEM先向けの販売・保守を手掛ける事業で、前年同期からの改善が確認できます。
流通・交通市場は売上収益が3.0%増の131億84百万円でしたが、営業損失は前年同期の1億79百万円から7億85百万円へ拡大しました。遊技市場は売上収益が7.5%減の47億75百万円、営業利益は32.6%減の8億97百万円です。報告資料は各事業の増減要因を詳しく説明していないため、販売環境や製品構成の変化は今後の開示で確認したいところです。
- 金融市場+21.9%
- 流通交通+3.0%
- 遊技市場-7.5%
- 海外市場+16.1%
- その他-29.8%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 金融市場 | 81億円 | 10% | 3億円 | 3.2% |
| 流通・交通市場 | 132億円 | 16% | -785百万円 | -6.0% |
| 遊技市場 | 48億円 | 6% | 9億円 | 18.8% |
| 海外市場 | 534億円 | 66% | 47億円 | 8.7% |
| その他 | 11億円 | 1% | -190百万円 | -16.9% |
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は据え置き、売上収益3,600億円、営業利益320億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円を見込みます。前期実績に対して売上収益は6.0%増、営業利益は7.6%増、当期利益は30.0%増の計画です。
| 項目(百万円) | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 339,582 | 360,000 | +6.0% |
| 営業利益 | 29,752 | 32,000 | +7.6% |
| 親会社帰属利益 | 15,388 | 20,000 | +30.0% |
第1四半期の増益を受けても、会社は全社の通期業績予想を変更していません。前回の全社業績予想の数値は補足資料に掲載されていないため、予想修正の有無や幅はここでは比較できません。なお、営業利益予想の達成には、遊技市場の減益や流通・交通市場の損失を、海外市場などの成長で補えるかが焦点です。
財務状況と資本政策
今回の補足資料には総資産、自己資本比率、営業キャッシュフロー、配当や自社株買いの情報は記載されていません。一方、設備投資計画は増額されており、成長投資を積み増す姿勢が読み取れます。
- 第1四半期の設備投資: 65億14百万円で、前年同期比102.3%増となりました。
- 通期の設備投資計画: 165億円へ引き上げました。従来計画の135億円から30億円の増額で、前期実績比では25.0%増です。
- 研究開発費: 第1四半期は55億63百万円で前年同期比7.3%増。通期計画は220億円で、前期実績比12.2%増です。
- 減価償却費: 通期計画は210億円で、前期実績比3.0%増を見込みます。
設備投資の増額は、全社の通期売上・利益予想を引き上げずに投資計画を増やした点が特徴です。何に投資するかの詳しい内訳はこの資料では示されていませんが、研究開発費も増やす計画であり、製品・サービスの開発力を高める意図がうかがえます。配当や自社株買いについては、この資料だけでは判断できません。
リスクと課題
今回の補足資料にはリスク要因の詳しい説明はありません。業績数値からは、海外市場の好調が続くかに加え、国内セグメントの収益改善が通期達成の鍵となります。
- 為替変動: 為替を除いた増収・営業増益も確保しましたが、実績には為替の影響が含まれます。海外売上の比重が大きく、為替の変化が円換算の業績に影響する可能性があります。
- 国内事業の収益性: 流通・交通市場は増収でも営業損失が拡大し、遊技市場は減収減益でした。赤字拡大や利益減少が続けば、全社の利益成長を抑える要因になります。
- 海外市場への依存: 海外市場の売上収益は全社の伸びをけん引しました。欧州・アジアの成長が鈍化した場合、全社業績や通期計画の達成に影響が及ぶ可能性があります。
第1四半期は全社で利益を伸ばしましたが、成長の地域・事業別の偏りは残っています。今後は海外の伸びが続くかだけでなく、国内事業で売上増加を利益につなげられるかを確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
4,855円
最新終値(2026/10/23)
5,102円+5.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#グローリー#決算#決算分析#四半期決算#海外展開#設備投資#研究開発費#遊技市場#業務用現金処理機
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コメント
今回の決算は、海外事業の利益成長が全社を引っ張る一方、国内セグメントの濃淡がはっきり出た内容です。為替を除いても増収増益で、単なる円安頼みではない点は前向きに評価できます。
ただし、流通・交通市場は増収でも赤字が広がり、遊技市場も減益です。通期予想を据え置いたまま設備投資を増やしており、投資がどの製品・市場の収益改善につながるのか、次の四半期以降に注目したいです。
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