ホソカワ、2026年9月期第3四半期決算、増収も営業利益53%減で欧州回復に遅れ

ホソカワの2026年9月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比4.5%増の609億円となった一方、営業利益は53.4%減の26億円、純利益は50.1%減の21億円でした。円安で売上高が押し上げられたものの、欧州の収益回復の遅れや人件費の上昇、事業構造改革費用が利益を圧迫。会社は通期予想を修正し、創業110周年の記念配当も予定しています。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 609億円 | +4.5% | 830億円 | 73% |
| 営業利益 | 27億円 | -53.4% | 45億円 | 59% |
| 純利益 | 21億円 | -50.1% | 32億円 | 67% |
| 営業利益率 | 4.4% | |||
この決算のポイント
- 1受注高は前年同期比3.8%増の612億円、受注残高は0.9%減の471億円
- 2粉体関連事業は増収ながら、セグメント利益が前年同期比28.3%減
- 3プラスチック薄膜関連事業のセグメント利益は前年同期比80.1%減
- 4年間配当予想は140円で、前期の120円から増配。期末に記念配当10円を含む
業績のポイント
ホソカワ(ホソカワミクロン)の2026年9月期第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.5%増の609億11百万円、営業利益が53.4%減の26億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が50.1%減の21億42百万円でした。売上高が増えた一方で、利益は大きく落ち込み、増収の一方で利益は大幅減となりました。
- 売上高の増減額: 前年同期から26億13百万円増。ドルやユーロに対する円安が、円換算後の売上高を押し上げました。
- 営業利益の増減額: 前年同期から30億38百万円減。欧州を中心に売上高が不足し、収益力の回復が遅れました。
- 受注の状況: 受注高は前年同期比3.8%増の612億36百万円でしたが、受注残高は0.9%減の471億45百万円でした。
- 費用面: 労務費を中心に販売管理費が増加し、欧州で事業構造改革費用を前年に続いて計上しました。
売上高の伸びには円安の影響が含まれ、需要の強さだけで収益が改善したとは言い切れません。レアアースなど戦略物資関連の設備投資案件や、メンテナンスサービスは支えとなる一方、地政学リスクを背景に大型案件の成約が遅れています。売上原価も前年同期より増え、増収が利益の回復につながらなかった点が今回の焦点です。
セグメント別動向
粉体関連事業は、売上高が前年同期比7.3%増の461億73百万円、セグメント利益は28.3%減の34億25百万円でした。円安で円換算の受注高や売上高が増えたほか、国内の茶葉向け粉砕システムや海外のレアアースなど戦略物資関連の案件が動きました。一方、欧州の収益回復が遅れ、大型案件の成約も先送りされ、利益は減少しました。
プラスチック薄膜関連事業は、売上高が前年同期比3.5%減の147億38百万円、セグメント利益は80.1%減の4億2百万円でした。原油価格の高止まりを受け、欧州とアジアで設備投資意欲が弱まりました。第3四半期に入って米国で成約が見られたものの、他地域の落ち込みを補うまでには至っていません。
両事業とも利益が前年を下回り、とくにプラスチック薄膜関連事業では利益の落ち込みが大きくなりました。粉体関連事業では保守・メンテナンスサービスの拡大が収益を下支えしていますが、受注の実現時期や欧州事業の採算改善が、今後の業績を左右しそうです。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 粉体関連事業 | 462億円 | 76% | 34億円 | 7.4% |
| プラスチック薄膜関連事業 | 147億円 | 24% | 4億円 | 2.7% |
通期見通し
ホソカワは8月7日、2026年9月期の通期連結業績予想を修正しました。最新予想は売上高830億円、営業利益45億円、親会社株主に帰属する当期純利益32億円です。短信には5月公表の前回予想の金額が記載されていないため、以下では第3四半期累計の実績と最新予想の進捗を示します。
| 項目 | 通期予想 | 9カ月実績 | 予想進捗率 | 通期予想の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 83,000 | 60,911 | 73.4% | +6.4% |
| 営業利益(百万円) | 4,500 | 2,650 | 58.9% | -36.2% |
| 経常利益(百万円) | 5,200 | 3,372 | 64.8% | -32.6% |
| 純利益(百万円) | 3,200 | 2,142 | 66.9% | -29.3% |
売上高の進捗に対して営業利益の進捗は低く、利益面の回復が通期達成の課題です。会社は第3四半期までの実績と今後の見通しを踏まえて予想を修正したと説明していますが、前回予想との差額や修正理由の内訳は、この短信には示されていません。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は1,060億66百万円で、2025年9月末から33億32百万円増えました。自己資本比率は67.7%と、前期末の65.4%から上昇しています。キャッシュ・フローでは営業活動による資金の増加が前年同期より縮小し、投資活動と財務活動では資金が流出しました。
| 項目 | 2026年9月期第3四半期 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(億円) | 1,060.7 | 前期末比 +33.3億円 |
| 自己資本比率 | 67.7% | 前期末の65.4%から上昇 |
| 営業CF(億円) | +13.4 | 前年同期の+71.5億円から縮小 |
| 投資CF(億円) | -20.1 | 前年同期の-41.0億円から流出縮小 |
| 財務CF(億円) | -18.9 | 配当金支払いなどによる支出 |
| 年間配当予想(円) | 140 | 前期実績120円から20円増 |
期末配当予想は75円で、普通配当65円に創業110周年の記念配当10円を加える計画です。中間配当は65円で、年間配当は前期から増える見込みです。現金及び現金同等物は期末に303億32百万円となり、期首から7億52百万円減少しました。設備投資による支出がある一方、自己資本比率は改善しており、短信では大規模な自社株買いの発表は確認できません。
リスクと課題
会社は世界経済について、消費やAI関連投資が下支えする一方、地政学リスクやコスト上昇などで先行きは不透明としています。受注の円換算額だけでなく、案件の成約時期や地域ごとの採算にも注意が必要です。
- 地政学リスクと物流: 中東情勢の緊迫化で物流・輸送網が混乱すれば、納期や調達に影響し、案件の遅延や生産活動の下振れにつながる可能性があります。
- 欧州事業の採算回復: 欧州を中心に売上高不足が続き、事業構造改革費用も発生しています。収益力の回復が遅れれば、営業利益の改善を妨げます。
- 原油価格と設備投資: 原油価格の高止まりは、プラスチック薄膜製造装置の主要市場である欧州やアジアの投資意欲を弱め、受注や利益を押し下げる要因です。
- 人件費などのコスト上昇: 労務費を中心に販売管理費が増えており、売上高が伸びても費用を吸収できなければ利益率の低下が続く懸念があります。
- 大型案件の成約遅れ: 戦略物資関連などに需要がある一方、地政学リスクを背景に大型案件の遅延が続いています。受注が売上に結びつく時期が不確実です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
5,230円
最新終値(2026/10/23)
6,280円+20.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ホソカワ#決算#決算分析#四半期決算#粉体関連事業#プラスチック薄膜#欧州事業#記念配当
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コメント
売上高は増えていますが、円安による円換算の押し上げと、利益を生む事業の回復は分けて見る必要があります。とくに欧州の採算改善が遅れ、プラスチック薄膜関連事業の利益も大きく落ち込んでおり、増収だけでは業績の底堅さを判断しにくい決算です。
一方、粉体関連事業では戦略物資関連や保守サービスに需要があり、受注高も前年を上回りました。今後は大型案件の遅れが解消されるか、円安に頼らず利益率を戻せるかが注目点です。
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