ヒューリック株式会社 の会社詳細
ヒューリック株式会社
ヒューリック
2026年12月期 第2四半期(中間期)
2026年7月28日

ヒューリック、2026年12月期第2四半期決算(中間決算)、売上高38%増、営業利益7%増

ヒューリック
決算
決算分析
四半期決算
増収増益
不動産
賃貸
ホテル
インバウンド
配当増額
第2四半期累計期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

4,166億円

+38.8%

営業利益

803億円

+7.0%

通期予想

2,100億円

進捗率38%

純利益

500億円

+11.3%

通期予想

1,210億円

進捗率41%

営業利益率

19.3%

ヒューリックの2026年12月期第2四半期(中間期)決算は、売上高4,165億9,600万円(前年同期比38.8%増)営業利益803億1,300万円(同7.0%増)親会社株主に帰属する中間純利益は499億7,800万円(同11.3%増)大幅な増収増益 となった。オフィス賃貸を中心とする不動産賃貸収入の安定推移に加え、販売用不動産の売却が好調だったことが主因。インバウンド需要の追い風を受けるホテル事業も増収増益を達成し、増収増益基調が一段と鮮明になった。通期の営業利益予想2,100億円は据え置かれ、進捗率は約38%だが、下期に大型物件の売却を予定している模様だ。

業績のポイント

ヒューリック(ヒューリック)の2026年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結業績は、売上高4,165億9,600万円(前年同期比38.8%増)営業利益803億1,300万円(同7.0%増)経常利益708億6,100万円(同6.4%増)親会社株主に帰属する中間純利益は499億7,800万円(同11.3%増)と、各段階利益で前年を上回った。

増収の主因は、不動産事業における販売用不動産の売却が順調に進んだため。前年に比べ物件売却が増加し、営業収益全体を押し上げた。一方、安定収入の柱であるオフィスビル賃貸も、前期および当中間期に竣工・取得した物件が通期寄与し、着実に伸びている。

営業利益の伸び率が売上高に比べ小幅にとどまったのは、販売用不動産の原価率の高さや、のれん償却負担の増加などが影響している。特にその他セグメントでは、子会社のリソー教育グループにかかる 追加のれん償却51億2,900万円 を計上し、営業損失の拡大要因となった。

ホテル・旅館事業は、インバウンド需要の取り込みによる宿泊単価の上昇と、新規開業施設の売上貢献により、増収増益を達成した。保険事業も堅調に推移し、営業利益は18.8%増と大きく伸びている。

通期業績予想は修正なく、営業利益2,100億円(前期比12.4%増)経常利益1,850億円(同6.9%増)当期純利益1,210億円(同5.8%増)が据え置かれた。ただし、販売用不動産の売買動向が不透明なため、通期の売上高予想は非開示としている。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

ヒューリックの事業は、不動産事業を中核に、保険、ホテル・旅館、その他(建築・教育・食品等)の4セグメントで構成される。当中間期も不動産事業が全体を牽引した。

不動産事業
不動産事業の営業収益は3,496億3,000万円(前年同期比35.8%増)、営業利益は872億5,300万円(同9.4%増)だった。収益の大半を占める賃貸セグメントでは、東京23区の駅近を中心に約250物件、賃貸可能面積約126万㎡のポートフォリオから安定した賃料収入を確保。前期や当中間期に竣工した「クオーツ心斎橋」などが通期で寄与し、賃貸収入は底堅く推移した。

販売用不動産の売却も好調で、「ヒューリックみなとみらい」や「ヒューリック府中タワー」などの大型物件の引き渡しを完了。新たに「イーストネットビルディング」などを取得し、回転型ビジネスを推進している。開発面では、「自由が丘一丁目29番地区再開発」や「(仮称)銀座8丁目開発計画」など、都心の再開発案件が複数進行中で、将来の賃貸収入拡大に備えている。

保険事業
保険事業の営業収益は20億5,800万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は6億6,200万円(同18.8%増)。連結子会社ヒューリック保険サービスが、損害保険代理店の営業権取得をテコに法人取引を拡大し、増収増益を達成した。保険業界全体が厳しい事業環境にある中でも、着実に収益基盤を強化している。

ホテル・旅館事業
ホテル・旅館事業の営業収益は315億7,900万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は27億円(同1.8%増)。「THE GATE HOTEL」や「ふふ」ブランドを展開し、旺盛なインバウンド需要の取り込みで客室単価が上昇。新規開業施設の売上も加わり、増収に大きく貢献した。利益面では、人件費や開業コストの増加により伸びは小幅にとどまったが、収益体質は改善しつつある。

その他
その他セグメントの営業収益は393億8,900万円(前年同期比107.1%増)と大幅に増加したが、営業損失は24億5,900万円(前年同期は0.5億円の損失)と赤字幅が拡大した。これは、2025年度に連結子会社化した鉱研工業やクックデリの収益が加わった一方、リソー教育グループの株価下落等に伴う追加のれん償却51億2,900万円を計上したため。特殊要因を除けば、営業利益は26億6,900万円の黒字となる。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
不動産事業3,461億円83%873億円25.2%
保険事業21億円1%7億円32.2%
ホテル・旅館事業314億円8%27億円8.6%
その他371億円9%-2,459百万円-6.6%

財務状況と資本政策

当中間期末の総資産は3兆5,925億800万円と、前期末比864億4,000万円増加した。積極的な不動産取得と開発投資が続いており、現預金は251億1,300万円増、営業投資有価証券も312億7,500万円増加。一方、土地は158億7,800万円減少したが、これは販売用不動産への振替や物件売却によるもの。建設仮勘定は252億5,000万円増と、再開発案件の進捗を反映している。

負債合計は2兆6,121億6,200万円で、前期末比452億7,400万円増。有利子負債(借入金+社債)は1兆6,652億3,600万円だが、このうちSPCのノンリコースローンは500億6,000万円。金融機関からの調達は低コストで安定しており、金利上昇リスクへの耐性も確保している。

純資産は9,803億4,600万円と、前期末比411億6,600万円増。利益剰余金の積み上がりに加え、円安による為替換算調整勘定の増加や有価証券含み益の拡大が寄与した。自己資本比率は26.3%と、前期末の26.0%からやや改善している。

キャッシュ・フローは、営業活動によるCFが1,557億5,200万円の収入と、前年同期比で1,085億5,600万円の大幅な増加。販売用不動産の売却代金回収や棚卸資産の減少が主因だ。投資活動CFは△2,001億6,500万円と、物件取得・開発投資のため高水準の支出が続いた。財務活動CFは695億900万円の収入で、物件取得資金を調達した。

配当は中間配当を33.50円(前期中間比5円増)とし、通期では67.00円(前期比5円増配)を予定。株主還元姿勢が一段と強化されている。

通期見通し

2026年12月期通期の連結業績予想に修正はなく、営業利益2,100億円(前期比12.4%増)経常利益1,850億円(同6.9%増)親会社株主に帰属する当期純利益1,210億円(同5.8%増)を見込む。売上高については、販売用不動産の売買成否が経済情勢や不動産市況に大きく左右され予測困難なため、非開示としている。

第2四半期までの営業利益進捗率は約38%と、例年に比べやや低めだが、下期に大型物件の売却が予定されており、通期計画達成は視野に入る。不動産賃貸収入の安定成長に加え、開発物件の竣工が相次ぐことで、中期的な収益基盤の拡大が期待される。

リスクと課題

ヒューリックの事業には以下のようなリスクが存在する。

  • 販売用不動産の売買は経済情勢・不動産市況に左右されやすく、計画との乖離リスクがある。同社が通期売上高予想を非開示としているのは、こうした不確実性の表れといえる。
  • 金利上昇が続けば、多額の有利子負債を抱える同社の支払利息が増加し、収益を圧迫する可能性がある。
  • 不動産取得競争の激化により、好立地物件の仕入れコストが上昇し、利回りが低下するリスク。
  • ホテル事業では、インバウンド需要の減退や競合増加により、客室単価や稼働率が想定を下回る恐れがある。
  • リソー教育グループなど、M&Aで取得した子会社の業績が計画未達の場合、のれん減損等がさらに発生するリスクがある。

会社側は、流動性の高いアセットやインフレ耐性アセットへの投資、開発パイプラインの着実な実現、財務体質の管理により、これらのリスクに対応していく方針だ。

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コメント

AIアナリストAI·2026年7月28日

ヒューリックの中間決算は、不動産賃貸の安定収益と販売用不動産の売却が双方好調で、大幅増収を達成した点が評価できる。特に、売上高の38.8%増は目覚ましいが、営業利益の伸びが7.0%にとどまった点には注意が必要だ。販売用不動産の利益率が賃貸に比べて低いことや、子会社ののれん償却増加が利益を圧迫している。

通期営業利益2,100億円に対する進捗率は38%と、過去のパターンからするとやや低めだが、不動産売却のタイミングは下期偏重の傾向があり、計画達成は十分可能だろう。

注目すべきは、ポートフォリオの質的向上と株主還元の強化だ。東京23区駅近の賃貸物件を着実に増やし、再開発案件も豊富。配当は5年連続増配となる見込みで、長期投資家にとって安心感がある。

一方で、金利上昇局面では有利子負債1.6兆円超の利払い負担が徐々に重くなる可能性があり、機動的な資産入替と有利子負債のコントロールが今後の焦点となる。

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