カゴメ、2026年12月期第3四半期決算、増収も利益減で通期予想を維持

カゴメの2026年12月期第3四半期決算は、売上収益が前年同期比4.8%増の2,266億円となる一方、営業利益は11.2%減の156億円、親会社株主に帰属する四半期利益は20.0%減の85億円でした。国際事業の拡大や英国企業の連結子会社化が増収を支えましたが、国内の販売数量減や原材料・製造費用の上昇が利益を押し下げました。会社は通期予想を据え置き、売上成長と利益回復の両立が焦点となっています。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,267億円 | +4.8% | 3,100億円 | 73% |
| 営業利益 | 156億円 | -11.2% | 195億円 | 80% |
| 純利益 | 85億円 | -20.0% | 105億円 | 81% |
| 営業利益率 | 6.9% | |||
この決算のポイント
- 1国際事業の売上収益は前年同期比14.7%増の1,069億円、事業利益は10.6%減
- 2国内加工食品事業は売上収益1.5%減、事業利益8.8%減と減収減益
- 3英国Silburyの連結子会社化で国際事業の売上収益が増加、取得後売上は121億円
- 4通期予想は売上収益3,100億円、営業利益195億円で7月公表値から変更なし
- 5年間配当予想は前期比10円増の58円、自己株式取得などで資本政策も実施
業績のポイント
カゴメ(カゴメ株式会社)は、2026年1〜9月の売上収益が前年同期比4.8%増の2,266億円となった一方、事業利益は14.5%減の148億円、営業利益は11.2%減の156億円でした。親会社の所有者に帰属する四半期利益は20.0%減の85億円で、売上増に利益が追いつかない決算です。
- 国内加工食品: 価格改定後の一部商品の販売数量が減少し、広告宣伝費や販売促進費も増加。原材料の高値も重なり、国内事業は減収減益となりました。
- 国際事業: Silburyの連結子会社化や円安が売上を押し上げました。一方、トマトペーストの販売価格引き下げ、製造費用の上昇で利益は減少しました。
- 利益率: 営業利益率は6.9%で、前年同期の約8.1%から低下しました。売上原価と販売費及び一般管理費がともに増えています。
売上収益の増加額は103億円でしたが、事業利益は25億円減少しました。国内の価格改定が数量減につながったことに加え、国際事業でも市場価格の下落や製造費負担が利益を圧迫しています。なお、2026年からIFRS第18号を早期適用しており、前年の利益指標は新基準に合わせて修正再表示されています。
セグメント別動向
国際事業が増収をけん引した一方、国内加工食品事業は販売数量やコストの影響で減収減益でした。以下の前年比は、報告セグメントの売上収益と事業利益の比較です。
| セグメント | 売上収益の前年比 | 事業利益の前年比 |
|---|---|---|
| 国内加工食品事業 | -1.5% | -8.8% |
| 国際事業 | +14.7% | -10.6% |
| その他 | +2.3% | 前年51百万円の黒字から34百万円の赤字 |
国内加工食品事業は売上収益が1,144億円、事業利益が103億円でした。「野菜生活100」シリーズは価格改定後に販売数量が減少しましたが、トマトジュースは血圧が高めの人への訴求などで好調でした。食品ではケチャップの販促や業務用冷凍野菜が伸びた一方、原材料などの製造費用が利益を押し下げました。
国際事業は売上収益が1,069億円、事業利益が69億円でした。Silburyの連結子会社化に加え、円安による売上押し上げがありましたが、トマトペーストの世界的な需給緩和で販売単価を引き下げ、利益は前年を下回りました。その他事業は売上が伸びたものの、事業損失となりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内加工食品事業 | 1,144億円 | 51% | 103億円 | 9.0% |
| 国際事業 | 953億円 | 42% | 69億円 | 7.2% |
| その他 | 169億円 | 8% | -34百万円 | -0.2% |
財務状況と資本政策
9月末の総資産は3,786億円で、2025年12月末から28億円増加しました。親会社所有者帰属持分比率は50.6%と、前期末の50.7%からほぼ横ばいです。
| 項目 | 2026年1〜9月・9月末 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | 127億円の収入 | 前年同期は160億円の収入 |
| 投資キャッシュフロー | 109億円の支出 | 前年同期は77億円の支出 |
| 財務キャッシュフロー | 122億円の支出 | 前年同期は37億円の支出 |
| 現金及び現金同等物 | 165億円 | 前期末から104億円減少 |
| 年間配当予想 | 58円 | 前期実績48円から10円増 |
営業キャッシュフローは、在庫の増加などを受けて前年同期より縮小しました。投資支出にはSilburyの取得に伴う支出43億円や設備投資などが含まれ、財務キャッシュフローでは借入金の返済、配当支払い、自己株式取得などが現金減少につながりました。
年間配当予想は前期比20.8%増の58円です。また、自己株式取得などによる支出は13億円でした。国際事業の成長に向けた買収と株主還元を進める一方、運転資金となる在庫や投資後のキャッシュ創出力を見極める必要があります。
通期見通し
カゴメは2026年12月期の連結業績予想を据え置きました。第3四半期まで売上収益は前年同期を上回る一方、利益は減少しており、残る期間で利益率をどこまで回復できるかが焦点です。
| 指標 | 2025年通期実績 | 7月公表予想 | 今回予想 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 本短信に記載なし | 310,000 | 310,000 |
| 事業利益(百万円) | 本短信に記載なし | 19,000 | 19,000 |
| 営業利益(百万円) | 本短信に記載なし | 19,500 | 19,500 |
| 親会社帰属当期利益(百万円) | 本短信に記載なし | 10,500 | 10,500 |
今回予想の前年比は、売上収益5.3%増、事業利益15.1%減、営業利益12.6%減、親会社帰属当期利益29.1%減です。7月公表値から修正はありません。第3四半期累計の売上収益は通期予想の約73%に達しましたが、営業利益の進捗は約80%で、利益予想の達成には第4四半期の採算維持が重要になります。
会社は、中東情勢の悪化に伴うコスト増が業績に影響する可能性を挙げています。価格改定後の需要、原材料費や製造費用、国際事業の販売価格と為替の動きが、通期予想の達成度を左右しそうです。
戦略トピック
カゴメは2026年1月、英国の食品ディストリビューターSilbury Marketing Ltdの全株式を取得し、連結子会社化しました。欧州での販売網を取り込み、トマト加工品のマーケティングから開発、生産、販売までをつなぐ体制づくりを進めます。
- 取得額: 対価は55億円。取得に伴うキャッシュフロー上の支出は、取得先が保有していた現金を差し引いて43億円でした。
- 事業への寄与: 取得日以降の売上収益は121億円。同期間の四半期利益は1億円の損失でした。
- 狙い: 英国を中心に欧州の顧客基盤を持つ販売会社を取り込み、生産地と消費地を結ぶ機能を強化します。
カゴメは米国、ポルトガル、豪州、台湾、インドなどでトマト加工品を展開しています。欧州では生産地と消費地が地理的に離れ、地域ごとの顧客ニーズを把握する販売網が重要だと説明しています。
中期経営計画「Kagome Group Plan 2028」では、農・技術・グローバルネットワークの強みを生かし、収益力の向上と成長領域への資源投入を掲げています。買収による売上の上積みだけでなく、販路拡大や商品開発との連携を通じて、利益貢献につなげられるかが今後の評価点です。
リスクと課題
売上は伸びているものの、原材料や製造費用の上昇、価格改定後の販売数量減少が利益を圧迫しています。会社が示す外部環境や事業上のリスクは、今後の採算にも影響します。
- 原材料価格: 農産物の高値が続いており、原材料費や製造費用の増加が利益率を押し下げる可能性があります。
- 価格改定後の需要: 一部製品では値上げ後に販売数量が減少しました。販促費を増やして需要を喚起する場合も、利益回復が遅れる懸念があります。
- 国際市況と為替: トマトペーストの世界的な需給緩和で販売単価を引き下げています。円安は円換算の売上を押し上げる一方、為替変動は業績や資産評価にも影響し得ます。
- 地政学リスク: 中東情勢の悪化などによるコスト増を会社がリスクとして挙げています。影響が拡大すれば通期予想の修正につながる可能性があります。
国内の節約志向が根強いなか、値上げと販売数量のバランスをどう取るかが課題です。買収で拡大した国際事業についても、市況やコストの変動に左右されにくい収益構造を築けるかが問われます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
2,696円
最新終値(2026/10/29)
2,696円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
カゴメをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて食品・飲料業界の今
掲載39社カゴメは食品・飲料業界の掲載39社中、売上高で31位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +14.9%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +12.3%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 5社下方 5社
- 営業利益率(業界)
- 7.7%
- カゴメ+1.8%
- 食品・飲料(業界平均)+14.9%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は23社合計で売上高+5.9%・営業利益+15.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は10社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは5社、下方修正は5社。修正幅が最も大きいのはダイドー(営業利益+17.1%)。





タグ#カゴメ#決算#決算分析#四半期決算#2026年12月期#国際事業#Silbury買収#配当増額#IFRS第18号
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
売上成長を支えたのは国際事業の拡大とSilburyの連結子会社化ですが、利益は国内外とも前年を下回りました。買収による規模拡大が、コスト上昇や市況変動を吸収する利益成長に結び付くかが、次の決算で注目されます。
国内ではトマトジュースが好調な一方、「野菜生活100」シリーズは価格改定後に数量が減少しました。ブランド力を生かした需要づくりと、販促費を含むコスト管理を両立できるかが、利益回復の鍵になりそうです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/kagome/report/2026-Q3
関連記事
清涼飲料・乳酸菌飲料の最新記事
掲載企業

カゴメ株式会社
東証 2811
これが最新の決算解説です
次回の決算発表
同業他社の発表予定
今後2週間に604社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
4期- 2026年12月期 第3四半期
- 2026年12月期 第2四半期(中間期)
- 2026年12月期 第1四半期
- 2025年12月期 通期








