マース、2027年3月期第1四半期決算、減収減益で営業利益36.9%減

マースの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比21.7%減の67億94百万円、営業利益は36.9%減の15億29百万円となり、減収減益でした。主力のアミューズメント関連事業が大きく落ち込み、純利益も35.1%減の12億66百万円です。通期予想は据え置き、自己株式取得を進める一方、パチンコホール向けの店舗DXやAI活用、半導体検査装置の開発を続けています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 68億円 | -21.7% | 337億円 | 20% |
| 営業利益 | 15億円 | -36.9% | 90億円 | 17% |
| 純利益 | 13億円 | -35.1% | 67億円 | 19% |
| 営業利益率 | 22.5% | |||
この決算のポイント
- 1主力のアミューズメント関連事業は売上高が前年同期比26.6%減、セグメント利益は32.2%減
- 2スマートソリューション関連事業は売上高10.2%減、利益は66.4%減と減益幅が大きい
- 3ホテル・レストラン関連事業は売上高4.2%増も、セグメント利益は75.6%減
- 4通期予想は据え置き、売上高337億円、営業利益89億50百万円を計画
- 5上限42億円の自己株式取得を実施中、1Qは15億32百万円を取得
業績のポイント
マース(マースグループホールディングス)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比21.7%減、営業利益が36.9%減、親会社株主に帰属する四半期純利益が35.1%減でした。営業利益は前年同期から8億95百万円、純利益は6億85百万円減少し、主力事業の落ち込みが全社減益を主導しました。
- 売上高: 67億94百万円。前年同期の86億78百万円から減少
- 営業利益: 15億29百万円。前年同期の24億25百万円から減少
- 経常利益: 18億25百万円。前年同期比36.2%減
- 1株当たり利益: 69円30銭。前年同期の105円86銭から低下
売上高の大幅な減少に対し、販売費及び一般管理費は前年同期からほぼ横ばいでした。主力のアミューズメント関連事業で売上高と利益がともに減り、スマートソリューション関連事業でも利益が大きく落ち込んだことが、全社利益を押し下げています。
会社は、企業収益や雇用環境の改善が続く一方、中東情勢による景気変動、原材料価格や人件費の上昇などで先行きは不透明と説明しています。DX・AI活用による業務効率化を進めていますが、現時点では主力事業の販売動向が業績を左右する構図です。
セグメント別動向
3事業のうち、ホテル・レストラン関連事業だけが増収となりました。一方、利益面では全事業が減益で、アミューズメント関連事業が最大の収益源でありながら大幅な減収減益となっています。
| セグメント | 売上高の前年同期比 | 利益の前年同期比 |
|---|---|---|
| アミューズメント関連 | -26.6% | -32.2% |
| スマートソリューション関連 | -10.2% | -66.4% |
| ホテル・レストラン関連 | +4.2% | -75.6% |
アミューズメント関連事業は、パチンコホールの人件費・光熱費上昇や設備投資負担が続くなか、スマート遊技機や新紙幣対応への投資が一巡しつつあります。省人化・店舗DXを支援する「EVOALL」シリーズやクラウド型の「エヴォールクラウド」を提案し、導入実稼働店舗は累計1,364店舗、市場シェアは23.8%となりました。
スマートソリューション関連事業は、製造・物流・医療分野で自動化需要が拡大する一方、当四半期は減収減益でした。フォークリフト用安全支援センサー「フォークセーフモニター」の発売に加え、半導体の先端パッケージング向け検査装置の開発を進めています。
ホテル・レストラン関連事業は、訪日客や宿泊需要を取り込み増収を確保しましたが、人手不足による人件費や食材・物流費の上昇が利益を圧迫しました。「マースガーデンホテル博多」などで集客を進め、「銀座松月」は2026年7月に店舗をリニューアルしています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| アミューズメント関連事業 | 49億円 | 72% | 17億円 | 34.3% |
| スマートソリューション関連事業 | 12億円 | 18% | 26百万円 | 2.3% |
| ホテル・レストラン関連事業 | 7億円 | 10% | 6百万円 | 1.0% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比5億70百万円減の936億91百万円、自己資本比率は91.0%でした。営業キャッシュ・フローは前年同期をわずかに上回る一方、自己株式取得の実施で財務キャッシュ・フローの支出が増えています。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期・前期末 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 936億91百万円 | 前期末942億62百万円 | 5億70百万円減 |
| 自己資本比率 | 91.0% | 前期末91.0% | 高水準を維持 |
| 営業キャッシュ・フロー | 11億60百万円 | 前年同期11億52百万円 | 収入が増加 |
| 投資キャッシュ・フロー | -3億24百万円 | 前年同期-7億2百万円 | 支出が減少 |
| 財務キャッシュ・フロー | -28億83百万円 | 前年同期-13億43百万円 | 自己株式取得など |
| 年間配当予想 | 150円 | 前期実績150円 | 中間75円、期末75円 |
取締役会は2026年5月、2026年10月30日までに最大120万株、総額42億円の自己株式取得を決議し、1Qに51万6,900株、15億32百万円を取得しました。配当予想は前期と同額で、変更はありません。
営業キャッシュ・フローで配当や投資を賄える財務基盤を保ちながら、自己株式取得を通じて株主還元を進める方針です。現金及び現金同等物は期首から20億41百万円減の369億21百万円となりましたが、自己資本比率は高水準を維持しています。
通期見通し
マースは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期では増収、営業増益を見込む一方、1Q実績は前年同期を大きく下回っており、今後の販売回復と利益確保が焦点です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 337億円 | 337億円 | 金額記載なし、前年比+4.4% |
| 営業利益 | 89億50百万円 | 89億50百万円 | 金額記載なし、前年比+1.8% |
| 経常利益 | 97億円 | 97億円 | 金額記載なし、前年比+0.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 67億円 | 67億円 | 金額記載なし、前年比+0.9% |
前回予想からの修正はなく、上期累計の売上高予想は156億円、営業利益予想は38億50百万円です。決算短信には前期の通期実績額が記載されていないため、表では公表された前年比を示しています。
会社は業績予想について、発表時点で入手した情報と合理的な前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動する可能性があるとしています。アミューズメント関連事業の回復に加え、スマートソリューションの新製品やホテルの採算改善が、予想達成に向けた確認点です。
リスクと課題
会社は景気の先行きが不透明な状況を挙げており、外部環境の変化に加えて、主力顧客の投資動向や各事業のコスト管理が業績を左右します。特に1Qで利益の落ち込みが目立った事業の回復が課題です。
- パチンコホールの経営環境: 人件費・光熱費の上昇や遊技機の高性能化による投資負担が続き、設備導入や関連システムの需要を抑える可能性があります。中小ホールの閉店や大手チェーンへの集約も、顧客構成の変化につながります。
- 投資需要の変動: スマート遊技機や新紙幣への対応投資は一巡しつつあります。省人化や店舗DX向けの提案で、継続的な需要を獲得できるかが重要です。
- コスト上昇と人手不足: 原材料価格や円安を背景とする物価上昇、人手不足による人件費増加が、製品採算やホテル・飲食事業の利益を圧迫する恐れがあります。
- 景気・地政学リスク: 中東情勢などによる世界景気の変動が、企業の設備投資や消費、訪日需要に影響する可能性があります。
- 新製品・開発の実現性: 半導体先端パッケージ向け検査装置などは成長機会ですが、早期の商品化と需要獲得が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/23)
3,135円
最新終値(2026/10/23)
3,105円-1.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#マース#決算#決算分析#四半期決算#減収減益#アミューズメント事業#自己株式取得#パチンコ業界#店舗DX#半導体検査装置
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コメント
財務の安全性と主力事業の業績は、対照的な決算です。自己資本比率91.0%という厚い基盤がある一方、利益の大きな柱であるアミューズメント関連事業の減収を、他事業の成長で補うまでには至っていません。
次の焦点は主力事業の底打ちと新たな収益源の育成です。ホール向けの省人化・データ活用提案や、半導体検査装置の開発は成長につながる可能性がありますが、足元では利益への寄与が限定的です。通期予想を据え置いた会社が、今後の四半期でどの程度回復を示せるかに注目したいです。
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株式会社マースグループホールディングス
東証 6419
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