東京製鐵株式会社 の会社詳細
東京製鐵株式会社
東京製鐵
2027年3月期 第1四半期
2026年7月17日

東京製鐵、2027年3月期第1四半期決算、営業赤字転落も通期下方修正

東京製鐵
決算
決算分析
四半期決算
営業赤字
下方修正
減収減益
自己株式取得
鉄スクラップ
低CO2鋼材
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

729億円

-1.3%

通期予想

3,150億円

進捗率23%

営業利益

-2,307百万円

通期予想

-4,000百万円

純利益

19億円

-49.5%

通期予想

10億円

進捗率188%

営業利益率

-3.2%

東京製鐵が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比1.3%減の729億2,700万円、営業損益は前年同期の47億6,700万円の黒字から一転して23億700万円の赤字に転落した。中東情勢の緊迫化を背景とした鉄スクラップ価格の急騰に対し、度重なる製品値上げの浸透が遅れたことが主因。一方、投資有価証券の売却益計上により四半期純利益は18億8,200万円(前年同期比49.5%減)を確保し、通期業績予想は大幅下方修正された。

業績のポイント

当第1四半期の売上高は729億2,700万円(前年同期比1.3%減)と微減にとどまったが、売上原価が急増したことで売上総利益は41億3,400万円(同63.7%減)に急縮小した。販管費は64億4,100万円と前年同期比でほぼ横ばいだったため、営業損益は23億700万円の赤字(前年同期は47億6,700万円の黒字)に陥った。

これは、前年度末から3回にわたる製品価格改定を実施したものの、原料となる鉄スクラップ価格の上昇ペースに製品出荷価格への転嫁が追いつかず、スプレッドが大幅に悪化したためである。経常損益も17億4,300万円の赤字(前年同期は53億1,400万円の黒字)となった。

しかし、固定資産売却益や投資有価証券売却益など特別利益を43億9,700万円計上したことで、最終的な四半期純利益は18億8,200万円(前年同期比49.5%減)を確保し、資産売却で黒字を死守した。なお、1株当たり四半期純利益は18.40円(前年同期は36.18円)だった。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

同社は鉄鋼事業の単一セグメントであり、開示上のセグメント区分はない。補足資料によると、当第1四半期の鋼材生産量は76.7万トン(前年同期比0.9%減)、鋼材販売量は73.9万トン(同0.9%減)とほぼ横ばいで推移した。

品種別販売高では、主力の鋼材が715億8,200万円(前年同期比0.2%減)と微減。うち輸出は104億2,900万円(同7.0%減)と数量・金額ともに減少したが、輸出単価がキロ当たり95.3円(前年同期81.9円)と大幅に上昇した点は注目される。国内向け鋼材単価は同96.8円(前年同期96.2円)と小幅な上昇にとどまった。

その他売上高は13億4,400万円(同36.0%減)と大きく落ち込んだ。全体の輸出比率は金額ベースで14.3%(前年同期15.5%)に低下している。

品種数量(千トン)単価(千円)金額(百万円)
鋼材739 (前年746)96.8 (96.2)71,582 (71,760)
うち輸出109 (137)95.3 (81.9)10,429 (11,217)
その他27 (40)48.9 (51.5)1,344 (2,102)

価格転嫁の遅れと数量減により、セグメント全体の収益性は大きく毀損した。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
鉄鋼事業729億円100%-2,307百万円-3.2%

財務状況と資本政策

当第1四半期末の総資産は2,889億500万円で、前期末比40億9,000万円減少した。現預金は533億8,400万円(前期末634億7,000万円)に減少する一方、棚卸資産(商品・製品)が300億6,900万円(同249億3,300万円)に増加し、運転資金が膨らんでいる。固定資産では投資有価証券が308億2,100万円(同354億1,000万円)に減少し、資産売却の影響が表れた。

負債は715億6,100万円(前期末比6億5,500万円増)で、買掛金や未払費用が増加した。純資産は2,173億4,300万円(同47億4,500万円減)となり、自己資本比率は75.2%(前期末75.8%)と依然高水準を維持する。

資本政策では、2026年4月24日決議の自己株式取得を実施し、579,300株(9億9,600万円)を買い付けた。配当予想は前期の年間50円から40円(中間20円・期末20円)へ減配を見込むが、安定配当姿勢は継続している。

リスクと課題

決算短信では、以下のリスクと課題が示されている。

  • 原料価格の変動リスク: 中東情勢の緊迫化など地政学リスクにより鉄スクラップ価格が高騰しており、製品価格への転嫁が遅れると収益を圧迫する。
  • エネルギーコストの上昇: 電力料・燃料費の上昇圧力が継続しており、製造コストの増加要因となっている。
  • 需要環境の不透明感: 国内外の鋼材需要は建築・土木向けを中心に不透明であり、需要に見合った生産体制の構築が急務。
  • 競争環境: 電炉メーカー間の価格競争に加え、高炉メーカーとの競合も意識する必要がある。

同社はこれらのリスクに対し、採算重視の方針のもと、製造歩留まりの改善や低CO2鋼材「ほぼゼロ」の拡販を通じた収益改善を目指す。特に、環境対応鋼材の需要取り込みを成長戦略の柱に据えている。

通期見通し

2027年3月期通期の業績予想は、第1四半期の営業赤字を受け、2026年4月24日公表の従来予想から大幅に下方修正された。修正後の予想では、売上高は3,150億円(前期比17.5%増)と拡大するものの、営業損益は40億円の赤字(前期は47億6,700万円の黒字)、当期純利益は10億円(同91.3%減)と厳しい着地を見込む。

項目前回予想今回修正前期実績
売上高(非公表)3,150億円2,680億円
営業利益(非公表)△40億円47億6,700万円
当期純利益(非公表)10億円114億5,200万円

(注:前回予想値は公表されていないが、今回修正は大幅な下方修正である)

下期にかけては製品価格の値上げが段階的に浸透し、採算が改善する見通しだが、原料価格やエネルギーコストの高止まりが続けば、さらなる下振れリスクもある。

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AIアナリストAI·2026年7月17日

東京製鐵の第1四半期は、鉄スクラップ急騰という外部環境の直撃を受け、本業での収益構造の脆弱さが露呈した形だ。製品値上げを3回実施してもなお、タイミングラグによる営業赤字は23億円と大きく、在庫評価損の影響も懸念される。

一方、機動的な資産売却で最終黒字を確保した点は評価できるが、本業の回復なくして持続的な利益成長は見込めない。特に、国内鋼材単価がほぼ横ばいにとどまる中、輸出価格の上昇を取り込めるかが今後の焦点だ。

通期予想の営業赤字40億円も、スクラップ価格が高止まりすれば達成が危ぶまれる。自己株式取得は積極的な株主還元姿勢を示すが、今後の設備投資や成長投資とのバランスが問われる。

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