ゴールド、2027年3月期第1四半期決算、営業利益2.3倍で通期予想を維持

ゴールドの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比59.4%増、営業利益は132.2%増、純利益は133.2%増と大幅な増収増益でした。首都圏の新築分譲マンション市場で、利益を見込める用地を選んで取得し、高品質な物件を供給したことが業績を押し上げました。会社は通期予想を据え置く一方、年間配当は前期の100円から160円へ増やす計画です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 171億円 | +59.4% | 420億円 | 41% |
| 営業利益 | 89億円 | +132.2% | 159億円 | 56% |
| 純利益 | 58億円 | +133.2% | 142億円 | 41% |
| 営業利益率 | 51.7% | |||
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比132.2%増の88億68百万円、経常利益も128.6%増の84億94百万円
- 2不動産分譲事業の売上高は前年同期比67.3%増、同事業のセグメント利益は150.3%増
- 3分譲マンションの契約残高は前年同期末比159.5%増の286億8百万円、303戸に拡大
- 4通期業績予想は据え置き、年間配当は前期100円から160円へ60円増額する計画
- 5総資産は前期末比15億87百万円増の3,246億17百万円、自己資本比率は43.2%
業績のポイント
ゴールド(ゴールドクレスト)は2027年3月期第1四半期に大幅な増収増益となりました。売上高は前年同期比59.4%増の171億43百万円、営業利益は132.2%増の88億68百万円、親会社株主に帰属する純利益は133.2%増の58億22百万円です。
- 経常利益: 84億94百万円と前年同期比128.6%増。支払利息は5億18百万円で、前年同期の2億30百万円から増加しました。
- 1株当たり利益: 175.19円と前年同期の75.12円から上昇しました。
- 利益の伸び: 売上高の増加額は前年同期比63億85百万円、営業利益の増加額は50億49百万円でした。
会社は、利益が見込める用地を選別して取得し、都心部を中心に高品質で競争力の高い新築分譲マンションを供給したと説明しています。売上原価は前年同期の51億74百万円から61億14百万円へ増えた一方、売上総利益は55億83百万円から110億29百万円に拡大しました。売上の伸びを利益成長につなげた決算ですが、建設費高騰や金利上昇が続くなかで、この利益水準を通期で維持できるかが焦点です。
セグメント別動向
主力の不動産分譲事業が売上高の大半を占め、増収増益をけん引しました。セグメント別の前年同期比は次の通りです。
| セグメント | 売上高の前年比 | セグメント利益の前年比 |
|---|---|---|
| 不動産分譲事業 | +67.3% | +150.3% |
| 不動産賃貸事業 | +56.6% | +124.9% |
| 不動産管理事業 | +36.7% | +63.4% |
| ホテル事業 | +12.1% | +11.8% |
| その他 | -44.4% | -75.6% |
不動産分譲事業は売上高が前年同期を大きく上回りました。会社は都心部を中心に、利益を見込める用地を選び、高品質で競争力のある物件を供給する方針を示しています。売上高の伸び以上にセグメント利益が増えており、主力事業の利益寄与が高まりました。
不動産賃貸事業は売上高、利益ともに前年同期を上回りました。不動産管理事業も増収増益となり、賃貸・管理が分譲以外の収益を支えています。ホテル事業は増収増益でしたが、その他事業は減収減益で、全事業が同じ勢いで伸びたわけではありません。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産分譲事業 | 140億円 | 82% | 81億円 | 57.7% |
| 不動産賃貸事業 | 11億円 | 6% | 7億円 | 68.6% |
| 不動産管理事業 | 12億円 | 7% | 67百万円 | 5.7% |
| ホテル事業 | 9億円 | 5% | 1億円 | 13.3% |
| その他 | 47百万円 | 0% | 29百万円 | 61.7% |
販売・契約動向
新築マンション等分譲事業では、当四半期の引き渡し戸数が前年同期を下回る一方、契約残高は前年同期末から大きく増えました。引き渡し実績、期中契約、契約残高の開示値は次の通りです。
| 指標 | 前年同期・前年同期末 | 当四半期・当四半期末 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 引き渡し戸数 | 130戸 | 21戸 | -83.8% |
| 期中契約戸数 | 86戸 | 45戸 | -47.7% |
| 契約残高戸数 | 141戸 | 303戸 | +114.9% |
| 契約残高金額 | 110億26百万円 | 286億8百万円 | +159.5% |
契約残高の増加は、先々の売上につながる販売契約を確保していることを示す材料です。一方、期中契約戸数は前年同期を下回り、引き渡し実績も減少しました。決算上の売上高と引き渡し実績が同じ動きをしていないため、今後は契約の進捗や物件の引き渡し時期をあわせて確認する必要があります。
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を変更していません。前年実績を大きく上回る計画を維持しており、第1四半期の好調を踏まえた上方修正はありません。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 42,000 | 42,000 | 32,303 |
| 営業利益 | 15,900 | 15,900 | 13,598 |
| 純利益 | 14,200 | 14,200 | 8,494 |
会社予想の前年比は売上高37.9%増、営業利益78.5%増、純利益65.9%増です。第1四半期の営業利益は通期予想の約55.8%、純利益は約41.0%に相当します。ただし、マンション分譲は物件の引き渡し時期によって四半期ごとの業績が変動しやすく、1四半期の進捗だけで通期達成を判断するのは早計です。
財務状況と資本政策
総資産は前期末から増え、自己資本比率も上昇しました。キャッシュ・フロー計算書は第1四半期には作成されていないため、現金残高と貸借対照表の変化を中心に確認します。
| 項目 | 2026年3月末 | 2026年6月末・計画 |
|---|---|---|
| 総資産 | 3,230億30百万円 | 3,246億17百万円 |
| 自己資本比率 | 42.1% | 43.2% |
| 現金及び預金 | 584億23百万円 | 631億75百万円 |
| 年間配当 | 100円 | 160円(予想) |
| 配当の内訳 | 中間50円、期末50円 | 中間80円、期末80円(予想) |
現金及び預金は前期末から47億52百万円増え、自己資本比率も1.1ポイント上昇しました。負債合計は前期末の1,870億48百万円から1,844億61百万円へ減少しています。配当は年間で60円増やす計画ですが、自社株買いの実施は短信に記載がありません。
リスクと課題
会社は景気の緩やかな回復を見込む一方、経済や住宅市場の先行きには不透明さが残るとしています。首都圏のマンション需要と、建築費・金利の動向が業績を左右します。
- 建設費の高騰: 販売価格の上昇や供給戸数の低水準につながっています。建築費がさらに上がれば、採算や供給計画に影響する可能性があります。
- 住宅ローン金利の上昇: 住宅取得マインドに慎重な動きが見られると会社は説明しています。購入者の負担が増せば、販売の進捗に影響するおそれがあります。
- 需要と市場環境の変化: 物価上昇が個人消費に与える影響や金融資本市場の変動、中東情勢などが不透明要因です。
- 引き渡し時期の偏り: 当四半期は引き渡し戸数が前年同期を下回りました。物件の引き渡し時期によって四半期業績が振れやすいため、契約残高の消化状況が重要です。
会社は住宅取得支援策などを背景に、実需者層の需要は堅調とみています。今後は用地を選別する方針を続けながら、契約の積み上がりが引き渡しや利益に結びつくかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/22)
3,365円
最新終値(2026/10/23)
2,905円-13.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ゴールド#決算#決算分析#四半期決算#不動産分譲#マンション市場#増収増益#配当増額
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コメント
営業利益の伸びが売上高の伸びを上回り、主力の分譲事業が利益をけん引した点は強い内容です。契約残高の増加も今後の売上を支える材料になります。
一方、当四半期の引き渡し戸数と期中契約戸数は前年同期を下回っています。マンション事業は引き渡し時期で業績が動きやすいため、通期予想を据え置いた会社の判断は慎重とも受け取れます。次の四半期では、契約残高の消化と配当増額を支えられる利益水準の維持に注目したいです。
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