ミラース、2027年3月期第1四半期決算、黒字転換で売上高56%増

ミラースの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比55.9%増の410億円となり、営業利益36億円、純利益20億円を計上して黒字転換しました。不動産事業の売上拡大が全体をけん引した一方、新築分譲マンションの契約進捗率は前年同期を下回っています。通期予想は据え置きで、配当は年間23円を計画しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 411億円 | +55.9% | 2,287億円 | 18% |
| 営業利益 | 37億円 | — | 150億円 | 25% |
| 純利益 | 21億円 | — | 80億円 | 26% |
| 営業利益率 | 9.0% | |||
この決算のポイント
- 1不動産事業の売上高は356億円で、連結売上高の増加をけん引
- 2新築分譲マンションの契約進捗率は54.8%、前年同期の62.4%を下回る
- 3通期売上高予想は2,287億円で据え置き、前期比6.7%増を見込む
- 4年間配当予想は23円で、前期実績の21円から2円増配
- 5総資産は前期末比85億円減、自己資本比率は20.1%
業績のポイント
ミラース(MIRARTHホールディングス)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比55.9%増の410億5,800万円となり、営業利益36億7,800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益20億6,100万円を確保しました。前年同期は営業損失、純損失だったため、赤字から黒字へ転換した決算です。
- 不動産事業: 新築分譲マンションや不動産流動化、新築戸建分譲などの売上高が356億4,600万円となり、全体の伸びを主導しました。
- 利益面: 売上総利益は104億7,400万円。販売費及び一般管理費は67億9,600万円で、営業利益は前年同期の4,400万円の赤字から黒字に転じました。
- 営業外損益: 持分法による投資利益は4億6,300万円となった一方、支払利息は12億4,500万円でした。
前年同期からの増収を主に支えたのは不動産事業の拡大です。四半期の売上高や利益には物件の引き渡し時期が影響するため、黒字転換に加え、通期の引き渡し予定に対する契約の積み上がりを確認する必要があります。
- 不動産+65.2%
- エネルギー+22.4%
- アセット管理+63.0%
- その他-3.8%
セグメント別動向
不動産事業は売上高356億4,600万円、セグメント利益27億9,400万円でした。新築分譲マンション、不動産流動化、新築戸建分譲、リニューアル再販、不動産賃貸・管理など幅広い事業が売上を構成しています。連結売上高の大部分を占めるため、物件の販売や引き渡しの進み具合が今後の業績を左右します。
エネルギー事業は売上高35億9,300万円、セグメント利益7億9,300万円でした。発電施設の売電収入などが収益源で、売上規模に対して利益を確保しています。
アセットマネジメント事業は売上高1億7,900万円、セグメント損失3,000万円でした。運用報酬などを計上しましたが、引き続き損失となっています。
- その他: 建設工事請負やホテル運営などで、売上高16億3,900万円、セグメント利益1億2,000万円でした。
セグメント別の売上高は不動産事業への集中度が高く、同事業の販売・引き渡しがグループ全体の業績に強く影響する構造です。エネルギー事業が利益を補完する一方、アセットマネジメント事業の黒字化も課題となります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産事業 | 356億円 | 87% | 28億円 | 7.8% |
| エネルギー事業 | 36億円 | 9% | 8億円 | 22.1% |
| アセットマネジメント事業 | 2億円 | 0% | -30百万円 | -16.8% |
| その他 | 16億円 | 4% | 1億円 | 7.3% |
販売契約の進捗
新築分譲マンションの通期引き渡し予定2,480戸に対し、第1四半期末までの契約は1,358戸で、契約進捗率は54.8%でした。前年同期は引き渡し予定2,820戸に対して1,759戸、進捗率62.4%でした。
| 指標 | 2027年3月期 | 2026年3月期 | 前年との差 |
|---|---|---|---|
| 引き渡し予定戸数 | 2,480戸 | 2,820戸 | -340戸 |
| 契約済み戸数 | 1,358戸 | 1,759戸 | -401戸 |
| 契約進捗率 | 54.8% | 62.4% | -7.6ポイント |
| 4〜6月の契約戸数 | 535戸 | 575戸 | -40戸 |
進捗率は前年同期より低いものの、当期の引き渡し予定戸数に対しては第1四半期時点で半数を超える契約を確保しています。分譲マンションの契約や引き渡しは四半期ごとの業績に影響しやすいため、今後の契約ペースと予定どおりの引き渡しが通期達成の確認材料になります。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想に変更はありません。売上高2,287億円、営業利益150億円、親会社株主に帰属する当期純利益80億円を見込み、会社は売上高で前期比6.7%増を予想しています。
| 項目 | 5月15日公表予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,287億円 | 2,287億円 | +6.7% |
| 営業利益 | 150億円 | 150億円 | -15.0% |
| 経常利益 | 121億円 | 121億円 | -14.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 80億円 | 80億円 | +68.1% |
営業利益と経常利益は前期を下回る計画ですが、純利益は大幅増を見込んでいます。第1四半期は黒字転換した一方、契約進捗率は前年同期を下回りました。予想達成に向けては、残る期間のマンション販売・引き渡しと、利益計画の進み方が焦点です。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は4,109億2,800万円で、前期末から85億8,300万円減少しました。自己資本比率は20.1%と前期末から0.1ポイント上昇しています。
| 指標 | 2026年6月末 | 2026年3月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 4,109億円 | 4,195億円 | -86億円 |
| 現金及び預金 | 446億円 | 590億円 | -144億円 |
| 長期借入金 | 1,761億円 | 1,747億円 | +15億円 |
| 自己資本比率 | 20.1% | 20.0% | +0.1ポイント |
| 配当 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 5円 | 11円 |
| 期末配当 | 16円 | 12円 |
| 年間配当 | 21円 | 23円 |
現金及び預金の減少について会社は、電子記録債務の決済などを要因に挙げています。一方、事業用資産の取得や新規仕入れに伴い固定資産と固定負債は増加しました。自己株式は2026年3月の取締役会決議に基づき2,359,900株を取得し、5月には2,360,000株を消却しています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業キャッシュ・フローの動向はこの短信から確認できません。
リスクと課題
不動産の販売・引き渡しの進み具合が業績を左右するほか、借入金を活用した事業運営では金利や資金調達環境の変化にも注意が必要です。会社も、業績予想は一定の前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動すると説明しています。
- 販売・引き渡しの遅れ: マンションなどの契約や引き渡しが計画を下回ると、売上高や利益の計上時期が後ろ倒しになる可能性があります。契約進捗率は前年同期を下回っており、今後の推移が焦点です。
- 不動産事業への集中: 連結売上高の大部分を不動産事業が占めます。同事業の販売環境や物件の仕入れ・販売状況の変化が、グループ業績に波及しやすい構造です。
- 金利・資金調達環境: 借入金を用いた仕入れや事業用資産の取得が続いています。金利上昇や調達条件の変化は、支払利息や採算性に影響する可能性があります。
- 通期利益計画: 通期の営業利益予想は前期比15.0%減です。第1四半期の黒字転換だけでなく、今後の利益の積み上がりを確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
405円
最新終値(2026/10/23)
420円+3.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ミラース#決算#決算分析#四半期決算#不動産事業#マンション販売#黒字転換#配当増額#自己株式取得
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コメント
不動産事業が大きく伸びて黒字転換した点は明るい材料ですが、契約進捗率が前年を下回るため、1四半期の好結果だけで通期の勢いを判断するのは早計です。
年間配当の増額と自己株式の取得・消却は株主還元を意識した動きです。一方で、現金が減少し借入金も大きい事業構造のため、販売の進捗と資金負担をあわせて見ていきたい決算です。
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