KeePer、2026年6月期通期決算は増収、成長投資で営業減益も来期は3割増益へ

KeePerの2026年6月期決算を分析すると、売上高は259億59百万円と前年比12.4%増えた一方、成長に向けた先行投資が利益を押し下げ、営業利益は2.6%減の69億14百万円でした。投資有価証券の売却益で当期純利益は101.1%増となり、2027年6月期は営業利益30.3%増を見込むものの、売却益の反動で純利益は減る計画です。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 260億円 | +12.4% | 294億円 |
| 営業利益 | 69億円 | -2.6% | 90億円 |
| 純利益 | 98億円 | +101.1% | 62億円 |
| 営業利益率 | 26.6% | ||
この決算のポイント
- 1売上高は12.4%増の259億59百万円、営業利益は先行投資の影響で2.6%減
- 2投資有価証券売却益の計上で当期純利益は101.1%増の98億30百万円
- 3キーパー製品等関連事業は売上高14.7%増、営業利益8.2%増と増収増益
- 4キーパーLABOは28店を出店し184店舗に、翌期は直営20店・FC30店を計画
- 5年間配当は前期の60円から100円へ増配、2027年6月期も100円を予想
業績のポイント
KeePer(KeePer技研)は2026年6月期、売上高が259億59百万円(前年比12.4%増)、営業利益が69億14百万円(同2.6%減)、当期純利益が98億30百万円(同101.1%増)となりました。売上拡大の一方、成長投資で営業減益となり、純利益は投資有価証券売却益で大きく膨らみました。
- 売上の伸び: キーパーLABO運営事業とキーパー製品等関連事業がともに増収。新商品「DIA II KeePer」や新車向け販売の拡大が寄与しました。
- 営業利益の減少: 投資有価証券売却益を活用した成長投資を10億93百万円実施。会社はこの投資費用がなければ営業利益は80億7百万円、前年比12.8%増だったと説明しています。
- 純利益の増加: 投資有価証券売却益を67億92百万円計上し、営業利益の減少を補って純利益を押し上げました。
実質賃金の伸び悩みや物価上昇で個人消費が慎重ななかでも、コーティング需要と店舗網の拡大が売上を支えました。一方、営業利益率は26.6%で、前年の30.7%を下回っています。純利益の大幅増には一時的な売却益が含まれるため、事業の基礎的な収益力は営業利益や来期の計画と合わせて見る必要があります。
セグメント別動向
両事業とも増収でしたが、利益の方向は分かれました。キーパーLABO運営事業は売上が伸びた一方で投資費用を受けて営業減益、キーパー製品等関連事業は増収増益となっています。
キーパーLABO運営事業は売上高が140億28百万円(前年比10.5%増)、営業利益が21億70百万円(同20.2%減)でした。先行投資分を除く営業利益は32億63百万円で、前年比20.1%増です。新車納車の回復や洗車需要の高まりに加え、DIA II KeePerの評価が広がり、来店台数は90万6,083台(同12.5%増)に伸びました。
キーパー製品等関連事業は売上高が119億31百万円(前年比14.7%増)、営業利益が47億44百万円(同8.2%増)でした。ガソリンスタンドなどのアフターマーケットは8.5%増、新車向けは29.4%増と伸び、新車向けの売上構成比も34.2%へ上昇しました。DIA II KeePerのテレビCMなど広告宣伝を増やしたため、利益の伸びは売上の伸びを下回っています。
LABOでは2026年6月期に直営13店、FC15店の計28店を出店し、184店舗体制となりました。FCの出店数が直営を初めて上回ったことは、店舗網拡大の新たな推進力となる一方、FCを含む店舗運営の品質維持が重要になります。
- LABO運営-20.2%
- 製品等関連+8.2%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| キーパーLABO運営事業 | 140億円 | 54% | 22億円 | 15.5% |
| キーパー製品等関連事業 | 119億円 | 46% | 47億円 | 39.8% |
通期見通し
2027年6月期は売上高293億80百万円(前年比13.2%増)、営業利益90億12百万円(同30.3%増)を見込みます。営業利益は前期の成長投資を吸収して大幅増益を計画する一方、当期純利益は投資有価証券売却益の反動で36.7%減となる見通しです。
| 項目 | 2026年6月期実績 | 2027年6月期予想 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 259.59 | 293.80 | +13.2% |
| 営業利益(億円) | 69.15 | 90.12 | +30.3% |
| 経常利益(億円) | 69.31 | 90.12 | +30.0% |
| 当期純利益(億円) | 98.30 | 62.22 | -36.7% |
キーパーLABOは翌期に直営20店、FC30店の計50店を出店し、234店舗体制を目指します。2026年7月末時点で33店の出店に目処が立っており、拡大計画は具体化しています。新車ディーラーでのコーティング付帯率向上や、既存車向けサービスの拡大も、売上成長を支える施策です。
財務状況と資本政策
現金の増加を受けて総資産は拡大し、自己資本比率も上昇しました。年間配当は100円と前期の60円から増え、翌期も100円を維持する計画です。
| 項目 | 2026年6月期 | 前期比・補足 |
|---|---|---|
| 総資産(億円) | 335.21 | 前期比+35.0% |
| 自己資本比率 | 74.8% | 前期72.7% |
| 営業CF(億円) | 43.93 | 前期58.55億円 |
| 投資CF(億円) | 89.46 | 前期は69.97億円の支出 |
| 現金同等物(億円) | 142.77 | 前期41.72億円 |
投資CFがプラスになった主因は投資有価証券の売却収入110億63百万円で、営業活動で得た資金は前年を下回りました。財務CFは配当金の支払いなどで32億35百万円の支出となっています。証券売却で得た資金を成長投資と株主還元に振り向ける一方、自己株式の取得は37万6千円にとどまり、決算短信に大規模な自社株買いの発表はありません。
戦略トピック
KeePerは店舗網の拡大に加え、コーティング商品の強化や周辺サービスの導入を進めます。2027年6月期はキーパーLABOを50店増やす計画で、直営よりFCの出店を多くする方針です。
- 新商品の拡販: DIA II KeePerは施工後の評価や口コミを通じて需要が広がりました。新車ディーラー専売の「LX KeePer」も発売し、新車購入時に選ばれる商品として育成します。
- LABOのサービス拡張: ウィンドウ遮熱フィルムやリペア、中古車フリマ「カババ」などを取り入れ、車の美装にとどまらない利便性向上を目指します。
- 新車向けの拡大: スバル、トヨタ、ホンダ、三菱、ボルボ、スズキ、メルセデス・ベンツなどの販売店で、コーティングの純正採用や付帯率向上を進めます。
- 車以外への展開: ホテル向けのお風呂コーティングや、メガネ専用の「Glasses KeePer」など、自動車分野で培った技術を他業界に広げます。
FCの活用は出店ペースを高める手段となりますが、ブランドの信頼を保つには施工技術と接客品質の管理が欠かせません。会社は研修や技術コンテストを通じた支援を続ける方針です。
リスクと課題
会社は、物価やエネルギー価格の上昇による消費への影響に加え、新車市場や出店先を取り巻く環境を注視しています。成長計画の実現には、需要の維持と店舗運営の質の両立が課題です。
- 個人消費の弱さ: 物価上昇が長引き、実質賃金の伸び悩みも続いています。消費者の支出が抑えられれば、コーティングや洗車の需要に影響する可能性があります。
- 新車供給の変動: 国内メーカーの新車供給や納車時期の変化は、新車向け施工とLABOへの来店に影響します。期末には納車回復が売上を押し上げた一方、こうした動きが継続する保証はありません。
- 出店と品質管理: 50店の新規出店を計画するなか、店舗の立ち上げや人材確保、施工品質の維持が必要です。計画を急ぐことで運営負担が増せば、ブランド評価を損なうおそれがあります。
- ガソリンスタンド市場の縮小: 燃料販売数量の減少を背景に、ガソリンスタンドの店舗数は減少が避けられないと会社は見ています。取引先店舗の減少は、アフターマーケットの販売網に影響し得ます。
- 海外事業の小ささ: 海外売上高は出荷時期のずれもあり前年比40.4%減でした。現地店舗の販売は堅調とするものの、事業規模は小さく、店舗網の拡大が課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/14)
2,958円
最新終値(2026/10/23)
3,930円+32.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#KeePer#決算#決算分析#通期決算#増収減益#カーコーティング#キーパーLABO#FC出店#配当
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コメント
営業利益だけを見ると減益ですが、会社が開示した成長投資を除く試算では増益であり、投資を伴いながら店舗と商品を伸ばした年度と読めます。とくにFC出店が直営を上回ったことは、今後の出店速度を高める可能性があります。
ただし、純利益の倍増は有価証券売却益の影響が大きく、翌期はその反動で減益予想です。投資家は純利益の見出しよりも、営業利益の回復が実際に進むか、急拡大する店舗網でKeePerブランドの品質を保てるかを確認したいところです。
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