ホンダ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益117%増で通期予想を上方修正

ホンダ(本田技研工業)が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上収益が前年同期比13.5%増の6兆615億円、営業利益が117.4%増の5307億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が129.3%増の4509億円と大幅な増収増益となった。前年に発生したEV関連損失の反動や好調な二輪・金融事業が利益を押し上げ、通期業績予想を上方修正した。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.1兆円 | +13.5% | 24.1兆円 | 25% |
| 営業利益 | 5,308億円 | +117.4% | 6,500億円 | 82% |
| 純利益 | 4,509億円 | +129.3% | 4,000億円 | 113% |
| 営業利益率 | 8.8% | |||
業績のポイント
ホンダの2027年3月期第1四半期(4〜6月期)連結決算は、主力の四輪事業が前年のEV関連損失から立ち直り黒字転換したことに加え、二輪事業や金融サービス事業が好調を維持し、営業利益が前年同期比2倍以上に急増した。売上収益は6,061,514百万円(前年同期比13.5%増)を達成。営業利益は530,767百万円(同117.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は450,915百万円(同129.3%増)と、いずれも高い伸びを示した。
特に四輪事業では、前年に北米向けEVモデルの開発中止に伴う損失計上が剥落し、営業利益が192,122百万円と前年の赤字から黒字復帰した。為替の円安基調や金融サービス事業の安定収益も全体を下支えした。米国の関税政策による不透明感は残るものの、現時点では大きな影響は出ておらず、通期業績予想の上方修正につながっている。
セグメント別動向
各セグメントの業績は以下のとおりである。
| セグメント | 売上収益(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 | 売上構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 二輪事業 | 1,141,131 | 233,956 | 20.5% | 18.8% |
| 四輪事業 | 3,807,349 | 192,122 | 5.0% | 62.8% |
| 金融サービス事業 | 1,026,137 | 105,810 | 10.3% | 16.9% |
| パワープロダクツ他 | 86,897 | △1,121 | △1.3% | 1.4% |
二輪事業は、アジアを中心としたグローバル需要の拡大と円安効果により売上収益・営業利益ともに伸長した。営業利益率は20.5%と高収益を維持し、ホンダの稼ぎ頭としての存在感を示した。
四輪事業は、前年同期のEV関連損失の反動で黒字転換。米国での関税影響が一服したことも寄与し、営業利益は192,122百万円となった。ただし欧米での競争激化や電動化投資の負担から、利益率は5.0%と依然低水準にある。
金融サービス事業は、販売金融やリースの拡大で1,026,137百万円の売上収益を計上。安定した利息収入により営業利益率10.3%を確保し、全体の収益を支えた。
パワープロダクツ他は、小型汎用エンジンや部品販売の低迷からわずかに赤字となったが、全体に与える影響は限定的である。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 二輪事業 | 1.1兆円 | 19% | 2,340億円 | 20.5% |
| 四輪事業 | 3.8兆円 | 63% | 1,921億円 | 5.0% |
| 金融サービス事業 | 1.0兆円 | 17% | 1,058億円 | 10.3% |
| パワープロダクツ事業及びその他の事業 | 869億円 | 1% | -1,121百万円 | -1.3% |
通期見通し
第1四半期の好調を受け、ホンダは通期業績予想を上方修正した。売上収益は24,150,000百万円(前期比10.8%増)、営業利益650,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益400,000百万円を見込む。
四輪事業では新モデル投入やコスト改善による収益力回復を想定し、二輪・金融の安定収益と合わせて過去最高益水準を目指す。しかし、米国を中心とした関税政策の動向や為替変動リスク、EVシフトに伴う追加投資の負担など、下振れ要因にも警戒が必要だ。同社は「現時点で入手可能な情報に基づく見通し」としており、今後の環境変化次第では再修正の可能性がある。
財務状況と資本政策
当四半期末の総資産は34,437,975百万円(前連結会計年度末比+928,690百万円)に拡大。有形固定資産の取得や為替換算による資産増加が主因だ。負債合計は資金調達に係る債務の増加により21,809,397百万円(同+448,184百万円)となったものの、親会社所有者帰属持分比率は35.9%(前期末35.3%)と財務健全性は維持されている。
キャッシュ・フローは営業活動で292,516百万円の収入を確保したが、設備投資の大幅増(1,458,696百万円)により投資活動は△399,053百万円の支出。財務活動では資金調達による収入が返済を上回り250,437百万円の収入となり、全体の現金及び現金同等物は229,606百万円増加した。
配当予想は中間35円、期末35円の年間70円で据え置き。自社株買いの新たな発表はないが、キャッシュフローに余裕があり、今後の還元拡大に含みを残す。
リスクと課題
決算短信で明示された主なリスクは以下のとおり。
- エアバッグインフレーター関連損失:引き続き製品保証費用の引当金を計上しているが、新たな事象発生により追加的な費用が発生する可能性がある。
- 四輪電動化戦略見直しリスク:北米EVモデルの開発中止により取引先との協議次第で追加支出が生じる可能性。
- 為替変動リスク:大幅な円高が進行した場合、業績に悪影響を及ぼす。
- 関税・貿易政策リスク:米国を中心とした関税政策の変化が、コスト増や販売減につながる恐れ。
- 競争激化:EV市場における新興メーカーとの競争激化により、価格下落やシェア低下のリスク。
これらのリスクに加え、今後の四輪事業の収益性回復が同社の最優先課題となる。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
1,636円
最新終値(2026/10/23)
1,795円+9.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ホンダ#決算#決算分析#四半期決算#上方修正#増収増益#二輪事業#四輪事業#EV戦略#財務分析
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コメント
二輪事業の高い収益性と四輪の回復基調が鮮明だが、EV投資の負担と米国関税リスクが今後の焦点。通期上方修正の達成には四輪の更なる利益改善が不可欠。
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