キーエンス、2027年3月期第2四半期決算、営業利益50%増で成長加速

キーエンスの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比34.9%増、営業利益が50.0%増、純利益が49.4%増となり、大幅な増収増益でした。世界各地域で設備投資が堅調に推移し、アジアでは半導体・電気精密業界の成長が続いたことが追い風です。営業利益の伸びが売上高を上回り、利益率も高まりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7,354億円 | +34.9% |
| 営業利益 | 4,083億円 | +50.0% |
| 純利益 | 2,987億円 | +49.4% |
| 営業利益率 | 55.5% |
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比50.0%増の4,082億円、営業利益率は55.5%に上昇
- 2アジアでは半導体・電気精密業界を中心に成長が継続し、設備投資需要を支えた
- 3総資産は前期末比2,845億円増の3兆9,551億円、自己資本比率は93.7%
- 4中間配当は1株325円、株式分割考慮前の年間配当予想は650円で前期比100円増
- 511月21日付で普通株式を5株に分割する予定、期末配当予想は分割後65円
業績のポイント
キーエンス(株式会社キーエンス)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比34.9%増の7,353億円、営業利益が50.0%増の4,082億円、親会社株主に帰属する中間純利益が49.4%増の2,986億円でした。営業利益率は55.5%となり、前年同期の約49.9%から上昇しました。
| 指標 | 前年同期からの増加額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,900億円 | +34.9% |
| 営業利益 | 1,360億円 | +50.0% |
| 経常利益 | 1,393億円 | +48.9% |
| 中間純利益 | 987億円 | +49.4% |
会社によると、世界経済は製造業を中心に設備投資が続き、北中南米では幅広い業界が堅調でした。特にアジアでは半導体・電気精密業界の成長が続き、欧州の持ち直しや国内設備投資の回復も業績を支えました。
キーエンスは中長期の成長に向け、企画開発と営業の強化を進めています。利益の伸びが売上高の伸びを上回った点から、需要の拡大に加え、高い収益力を保ったまま事業を伸ばした決算といえます。
セグメント別動向
決算短信では、セグメント別の売上高や営業利益は開示されていません。したがって、事業別の増減や利益率を比較することはできず、会社が説明した地域・業界ごとの需要環境が業績を読む手掛かりになります。
- 北中南米: 幅広い業界で堅調さが続きました。特定の業界に偏らない需要が、全社の増収を支えたとみられます。
- アジア: 半導体・電気精密業界を中心に成長が続きました。製造業の設備投資需要が強い環境でした。
- 欧州: 持ち直しの動きが継続しました。短信では回復の規模や製品別の内訳は示されていません。
- 日本: 設備投資は回復基調で推移しました。地域別売上高や前年同期比は開示されていません。
会社は全体として企画開発面の充実と営業面の強化を進めています。地域や業界別の数値がないため、今回の大幅増益を特定の市場だけの成果と断定することはできませんが、複数地域で設備投資が底堅かった点は事業環境の広がりを示しています。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比2,844億円増の3兆9,551億円、自己資本比率は93.7%でした。配当は中間325円を実施し、株式分割を考慮しない年間配当予想は650円です。
| 項目 | 2026年3月期末 | 2027年3月期中間期末 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 3,670,655 | 3,955,137 | +284,482 |
| 純資産(百万円) | 3,471,472 | 3,704,958 | +233,486 |
| 自己資本比率 | 94.6% | 93.7% | -0.9ポイント |
- 配当: 中間配当は1株325円で、前年同期の275円から増額しました。株式分割前の基準では、年間予想650円は前期実績550円を100円上回ります。
- 株式分割: 2026年11月21日を効力発生日として、普通株式を1株につき5株に分割する予定です。期末配当予想の65円は分割後の金額で、分割前換算では325円です。
- キャッシュフロー: 中間キャッシュフロー計算書の数値は短信に記載されていません。現金及び預金は前期末から1,015億円増え、投資有価証券も1,775億円増加しました。
総資産の増加には投資有価証券の増加などが寄与し、純資産は利益剰余金の積み上がりを主因に増えました。自己資本比率は前期末より低下したものの、なお高水準です。配当の増額と株式分割は、利益成長を株主に還元しつつ、分割後の投資単位を引き下げる施策として注目されます。
戦略トピック
キーエンスは2026年11月21日付で普通株式を5株に分割する予定です。同時に、分割後の期末配当予想を1株65円とし、分割前換算で325円に設定しました。中間配当325円と合わせた年間配当は、分割前換算で650円となる見込みです。
- 株式分割: 1株を5株とする分割を予定しています。株式数が増える一方、保有株式の価値そのものが分割によって増えるわけではありません。
- 配当予想の修正: 会社は直近の配当予想から修正があったと記載しています。年間配当は分割前換算で前期の550円から650円へ増える計算です。
今回の分割は、好調な業績を背景に株主還元を増やす動きとあわせて発表されました。分割後の期末配当額だけを見ると減額に見えますが、1株当たりの比較には分割調整が必要です。投資家は分割後の株数と配当を同じ基準にそろえて確認する必要があります。
リスクと課題
中間期は複数地域で設備投資が堅調でしたが、会社は将来の業績がさまざまな要因で大きく変わる可能性があるとしています。短信には通期の売上高・利益予想や、セグメント別の数値見通しは記載されていません。
- 設備投資の変動: 製造業の投資が鈍れば、幅広い業界や地域で堅調だった需要が弱まり、売上高の伸びに影響する可能性があります。
- 半導体・電気精密業界への依存: アジアでは同業界を中心に成長が続きました。業界の投資計画が変化した場合、需要環境が変わるおそれがあります。
- 為替変動: 当中間期は為替差損を計上しました。為替の振れは営業外損益を通じて経常利益に影響する可能性があります。
- 通期見通しの不透明さ: この短信には通期業績予想が示されていません。中間期の高成長が下期にも続くかは、今後の需要動向と会社の開示を確認する必要があります。
中間期の高い利益成長は明確ですが、通期予想がないため、投資家は上期実績だけで年間の着地を判断できません。とりわけ設備投資の継続性と為替の影響が、次の決算で確認したい点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
76,360円
最新終値(2026/10/29)
76,360円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
キーエンスをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社キーエンスは電機業界の掲載59社中、売上高で16位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +20.4%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +20.3%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 21社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- キーエンス+27.2%
- 電機(業界平均)+20.4%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は32社合計で売上高+12.1%・営業利益+50.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は9社、下回る企業は21社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは21社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはカシオ(営業利益+30.8%)。






タグ#キーエンス#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#FAセンサー#株式分割#配当増額
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営業利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回り、営業利益率も高水準です。設備投資の回復が複数地域に広がったことに加え、キーエンスの高い収益力が今回の増益を際立たせています。
一方で、通期業績予想とセグメント別の数値が示されていないため、上期の勢いが年間を通じて続くかはまだ判断しにくい状況です。今後は設備投資の持続性に加え、株式分割後の配当方針や、下期の業績見通しに注目したいところです。
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株式会社キーエンス
東証 6861
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今後2週間に604社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




