キオクシア、2027年3月期第2四半期決算、AI需要で営業利益3.2兆円

キオクシアの2027年3月期第2四半期決算は、生成AI向けデータセンター需要とメモリ価格の上昇を受け、大幅な増収増益となりました。中間期の売上収益は前年同期比436.8%増の4兆2,472億円、営業利益は3兆2,647億円、親会社所有者帰属利益は2兆1,979億円です。円安も追い風となる一方、会社は為替の悪化を見込み、次の四半期は高水準ながら横ばいの業績を予想しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4.2兆円 | +436.8% |
| 営業利益 | 3.3兆円 | +2394.7% |
| 純利益 | 2.2兆円 | +3626.8% |
| 営業利益率 | 76.9% |
この決算のポイント
- 1SSD・ストレージ売上は前年同期比504.1%増の2兆7,907億円となり、AIデータセンター需要がけん引
- 2営業活動によるキャッシュフローは前年同期の1,752億円から2兆3,796億円に拡大
- 3自己株式取得に8,003億円を支出し、親会社所有者帰属持分比率は49.8%に上昇
- 4中間配当は株式分割前で1株90円、2026年10月に1株を3株とする株式分割を実施
- 5第3四半期は売上収益2兆5,000億円を予想、為替は第2四半期の161円から157円を想定
業績のポイント
キオクシア(キオクシアホールディングス)は2027年3月期中間期に、売上収益が前年同期比436.8%増の4兆2,472億円、営業利益が3兆2,647億円、親会社の所有者に帰属する中間利益が2兆1,979億円となりました。営業利益の増加額は前年同期比3兆1,339億円、純利益の増加額は2兆1,389億円です。
- 需要と販売価格: AI用途のサーバー向けを中心にデータセンター需要が旺盛で、平均販売単価が大幅に上昇しました。
- 出荷量: 記憶容量ベースの出荷量も増加し、売上と利益を押し上げました。
- 為替: 米ドルの平均レートは前年同期の146円から160円へ円安となり、業績の追い風になりました。
- 利益の一時的な押し下げ要因: 訴訟損失引当金366億円や株式報酬費用などを計上しました。
AI向け需要と価格上昇が利益を押し上げ、前年の低迷から業績が急回復しました。Non-GAAP営業利益は3兆3,145億円とIFRS営業利益を上回りますが、これは会社独自の調整後指標で、監査法人のレビュー対象外です。投資家は一時的な費用の影響とあわせ、IFRS指標も確認する必要があります。
- 営業利益31,339億円
- 純利益21,389億円
- 売上収益34,560億円
セグメント別動向
キオクシアはメモリ事業の単一セグメントで事業を展開しており、決算短信では報告セグメント別の利益を開示していません。以下は事業セグメントではなく、製品の用途に基づく売上収益の内訳です。
| 用途別売上 | 2027年3月期中間期(億円) | 前年同期(億円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| SSD & ストレージ | 27,907 | 4,620 | +504.1% |
| スマートデバイス | 13,145 | 2,363 | +456.3% |
| その他 | 1,419 | 928 | +52.9% |
SSD & ストレージは、PCやデータセンター、エンタープライズ向けSSDなどを含みます。生成AI用サーバー向けの需要拡大が販売単価と出荷量を押し上げ、売上増加の中心となりました。
スマートデバイスはスマートフォンやタブレット、車載・産業機器向けの組み込みメモリなどです。前年同期から大きく伸びたものの、会社の説明ではスマートフォンやPC向け需要には鈍化傾向も見られます。用途による需要の差が広がるなか、データセンター向けの成長が全体を支えています。
- SSD・ストレージ+504.1%
- スマートデバイス+456.3%
- その他+52.9%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| メモリ事業 | 4.2兆円 | 100% | 3.3兆円 | 76.9% |
通期見通し
会社は2027年3月期の通期業績予想を示さず、第3四半期(2026年10〜12月)の業績見通しを公表しました。第2四半期実績と比べ、売上収益は小幅増、営業利益はほぼ横ばいを見込んでいます。
| 指標 | 第1四半期実績 | 第2四半期実績 | 第3四半期見通し |
|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 17,671 | 24,800 | 25,000(前四半期比+0.8%) |
| 営業利益(億円) | 12,700 | 19,947 | 19,950(前四半期比+0.0%) |
| 親会社所有者帰属利益(億円) | 8,422 | 13,557 | 13,600(前四半期比+0.3%) |
| 米ドル平均為替レート(円) | 160 | 161 | 157 |
データセンター向け需要は引き続き旺盛と見込む一方、円高方向への為替変動が業績の伸びを抑える想定です。通期予想の修正を比較できる開示はなく、この見通しだけで年度全体の着地を判断することはできません。会社自身も、メモリ市場は短期間で環境が大きく変わるとして年度計画と達成状況の記載を省略しています。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比2兆1,938億円増の5兆8,839億円となり、親会社所有者帰属持分比率は37.9%から49.8%へ上昇しました。業績回復で資本が厚くなる一方、自己株式取得と借入金返済に資金を振り向けています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 親会社所有者帰属持分比率 | 49.8% | 前期末比+11.9ポイント |
| 営業キャッシュフロー | 2兆3,796億円 | 前年同期は1,752億円の収入 |
| 投資キャッシュフロー | マイナス1,930億円 | Nanya Technology株式取得など |
| 財務キャッシュフロー | マイナス1兆2,574億円 | 自己株式取得・借入返済など |
| 中間配当 | 1株90円 | 株式分割前の金額、前年同期は無配 |
営業キャッシュフローの大幅な増加は、税引前利益の拡大を反映しています。財務活動では自己株式取得に約8,003億円を支出し、長期借入金の返済も進めました。中間配当は実施しましたが、期末配当を含む年間配当予想は示されていません。2026年10月1日には1株を3株に分割しており、中間配当額は分割前の表示です。
リスクと課題
AIデータセンター需要が急拡大する一方、半導体メモリ市場は需要や価格が短期間で変動しやすい業界です。好調な業績が続くかどうかは、特定用途への依存や為替、供給環境の変化を見極める必要があります。
- 需要の変動: スマートフォンやPC向け需要には鈍化傾向があります。データセンター向け需要が想定を下回れば、販売量や平均販売単価が低下し、利益を押し下げる可能性があります。
- 為替変動: 第3四半期は米ドル平均レート157円を想定し、第2四半期の161円から円高方向を見込んでいます。為替が想定以上に変動すれば、売上収益や利益が予想と異なる可能性があります。
- 競争と市況: 会社は半導体業界の激しい競争と市場需要の不確実性をリスクとして挙げています。メモリ価格の下落や競争激化は、増益の勢いを弱める要因となります。
- 地政学・世界経済: 中東やウクライナを巡る地政学リスクに加え、新興国では投資や個人消費の弱さが続いています。景気や供給網の変化が顧客需要に波及する可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
13,470円
最新終値(2026/10/30)
13,470円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/31更新
キオクシアをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて半導体装置業界の今
掲載15社キオクシアは半導体装置業界の掲載15社中、売上高で2位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +26.0%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +79.4%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 31.3%
- キオクシア+273.3%
- 半導体装置(業界平均)+26.0%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+11.5%・営業利益−3.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本マイクロ(営業利益+155.3%)。





タグ#キオクシア#決算#決算分析#四半期決算#AIデータセンター#フラッシュメモリ#増収増益#自己株式取得
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今回の決算は、AIサーバー向けメモリの需要と販売単価の上昇が、売上だけでなく利益を大きく押し上げたことが際立ちます。スマートフォンやPC向けの需要が鈍るなか、データセンター向けが成長の軸になっている点は、事業を見るうえで重要です。
ただし、メモリ価格の上昇局面がいつまで続くかは見通しにくく、会社も通期予想を示していません。第3四半期は利益の横ばいを見込むため、投資家は次の決算で需要の強さだけでなく、為替と販売単価の動きを確認したいところです。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




