沖縄電力、2027年3月期第2四半期決算、営業赤字転落も年間配当50円を予想

沖縄電力の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比1.5%増の1,210億円となった一方、営業損益は22億円の赤字に転落した。電気事業を中心に営業費用が売上高の伸びを上回り、親会社株主に帰属する中間純損益も38億円の赤字。通期は営業利益50億円を見込む一方、年間配当は前期比20円増の50円を予想する。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,210億円 | +1.5% | 2,446億円 | 49% |
| 営業利益 | -22億円 | — | 50億円 | -45% |
| 純利益 | -38億円 | — | 19億円 | -199% |
| 営業利益率 | -1.8% | |||
この決算のポイント
- 1営業収益は前年同期比1.5%増の1,210億円、営業損益は99億円の黒字から22億円の赤字に転じた。
- 2営業費用は前年同期比約140億円増え、営業収益の増加額約18億円を大きく上回った。
- 3通期営業利益予想は50億円で、前期比46.2%減。予想修正は発表されたが、修正前の金額は短信に記載がない。
- 4年間配当予想は中間25円、期末25円の計50円で、前期実績の30円から20円増える見通し。
- 5営業キャッシュフローは107億円の赤字となり、前年同期の101億円の黒字から悪化した。
業績のポイント
沖縄電力(沖縄電力)は、2027年3月期中間期の売上高が前年同期比1.5%増の1,210億円となった一方、営業利益は前年同期の100億円の黒字から22億円の赤字へ転落した。親会社株主に帰属する中間純利益も、前年同期の70億円の黒字から38億円の赤字に変わった。
増収でも費用増が利益を押し下げた。営業利益の前年差を、損益計算書に記載された営業収益と営業費用の増減で整理すると次の通り。
| 営業利益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期 | 100 |
| 営業収益の増加 | +18 |
| 営業費用の増加 | -140 |
| 当中間期 | -22 |
営業収益の増加は約18億円にとどまる一方、営業費用は約140億円増加した。電気事業の営業費用が前年同期の約1,008億円から約1,136億円に膨らみ、売上高の伸びだけでは費用増を吸収できなかった。
経常損益も前年同期の92億円の黒字から32億円の赤字へ悪化した。通期予想は営業利益50億円の黒字だが、中間期時点では赤字であり、下期に利益をどこまで積み上げられるかが焦点となる。
- 前年同期100億円
- 営業収益+18億円
- 営業費用-140億円
- 当中間期-22億円
セグメント別動向
短信では、セグメント別の売上高や利益ではなく、損益計算書上の電気事業とその他事業の営業収益・営業費用を開示している。電気事業の営業収益はほぼ横ばいにとどまり、その他事業は増収となった。
| 事業区分 | 営業収益(億円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 電気事業 | 1,107 | +0.3% |
| その他事業 | 103 | +17.2% |
電気事業の営業収益は前年同期比0.3%増の約1,107億円だったが、営業費用は約1,136億円となり、前年同期から約128億円増えた。売上高の伸びが小幅にとどまるなか、費用増が全社の営業赤字につながった。
その他事業の営業収益は前年同期比17.2%増の約103億円となった。ただし、短信には事業別の営業利益や増収の内訳は示されていない。全社の利益回復を判断するには、電気事業の採算改善と各事業の費用動向を確認する必要がある。
- 電気事業+0.3%
- その他事業+17.2%
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比5.6%増の5,515億円となった一方、自己資本比率は前期末の25.0%から23.1%に低下した。営業キャッシュフローが赤字となるなか、設備投資などの支出を借入金や社債発行などで賄っている。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 前期末・前年同期 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 5,515 | 5,225 | 前期末比+5.6% |
| 自己資本比率 | 23.1% | 25.0% | -1.9ポイント |
| 営業キャッシュフロー(億円) | -107 | 101 | 黒字から赤字へ |
| 投資キャッシュフロー(億円) | -160 | -146 | 支出が拡大 |
| 財務キャッシュフロー(億円) | 304 | 160 | 資金流入が拡大 |
中間配当は前年同期の15円から25円に増額し、期末配当予想も25円とした。年間配当予想は50円で、前期実績の30円から20円増える計画だ。中間期は最終赤字となったものの、配当予想を引き上げており、利益回復の見通しと株主還元を両立できるかが注目される。
営業キャッシュフローの赤字には、税引前損失に加えて売上債権や棚卸資産の増加などが影響した。固定資産取得による支出は約167億円で、財務活動による資金流入は社債発行や借入れなどで約304億円となった。短信に自社株買いの発表はない。
通期見通し
2027年3月期の通期予想は、売上高2,446億円、営業利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益19億円。売上高は前期比11.1%増を見込む一方、営業利益は46.2%減、純利益は69.5%減の計画で、増収と利益減少が併存する。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 短信に記載なし | 2,446 | +11.1% |
| 営業利益(億円) | 短信に記載なし | 50 | -46.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 短信に記載なし | 19 | -69.5% |
短信では直近予想からの修正を「有」としているが、修正前の金額と修正理由は記載していないため、修正幅は確認できない。中間期は営業赤字であり、通期黒字予想の達成には下期での利益確保が必要となる。
売上高の増加予想に対して利益予想が減る構図は、売上規模の拡大がそのまま採算改善につながらないことを示す。営業費用が大きく増えた中間期の状況を踏まえ、下期の費用動向と電気事業の収支が業績予想の達成を左右する。
リスクと課題
中間期は増収ながら営業赤字となり、営業キャッシュフローも前年同期の黒字から赤字に転じた。通期予想の達成と財務の安定性に向け、次の点が課題となる。
- 営業費用の増加: 電気事業を中心に費用が増え、売上高の伸びを上回った。費用増が続けば通期営業利益予想の達成が難しくなる。
- 下期の利益回復: 中間期は営業損失だった一方、通期では営業利益50億円を予想する。下期に必要な利益を確保できるかが焦点となる。
- キャッシュフローと資金調達: 営業キャッシュフローが107億円の赤字となり、投資支出も続く。資金調達への依存が強まれば、負債や利払いの負担に注意が必要だ。
- 業績予想の不確実性: 会社は予想を修正したが、短信には修正前の金額や理由が示されていない。将来の業績はさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしている。
自己資本比率は前期末から低下しており、利益回復だけでなく、営業活動から安定して資金を生み出せるかも重要となる。中間期の赤字を下期にどこまで挽回するか、次回の業績開示で確認したい。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,093円
最新終値(2026/10/30)
1,093円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/31更新
沖縄電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社沖縄電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で15位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.2%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- −17.7%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 沖縄電力+8.1%
- 電気・ガス(業界平均)+12.2%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は13社合計で売上高+13.5%・営業利益−39.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのは北海道電力(営業利益+27.1%)。




タグ#沖縄電力#決算#決算分析#四半期決算#電力業界#営業赤字#中間配当#キャッシュフロー
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この決算は、増収そのものよりも費用の膨らみがどこまで続くかが重要です。売上高が小幅に伸びても営業赤字に転じたため、通期の黒字予想を評価するには下期の利益回復の根拠を見極める必要があります。
中間期の赤字と営業キャッシュフローのマイナスに対し、年間配当を前期より増やす計画は株主還元を重視する姿勢を示します。一方、自己資本比率は低下しており、配当を支える利益と資金創出力の回復が伴うかに注目したいです。
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掲載企業

沖縄電力株式会社
東証 9511
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