クスリのアオキ、2027年5月期第1四半期決算、売上高36.4%増で過去最高を更新も競争激化が課題
クスリのアオキは、通期予想そのままで順調出店の2027年5月期第1四半期決算を発表した。業績を分析すると、売上高は前年同期比13.8%増と堅調に拡大し、営業利益は同16.0%増へと改善した。特に注目すべきは、純利益が前年同期比36.4%増と大幅な利益成長を遂げた点だ。背景には大型店舗のフード拡充戦略や北信越・四国地区でのドミナント化成功がある。一方で業界全体としての狭小商圏化など競争環境は依然として厳しい状況が続いている。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,590億円 | +13.8% | 6,400億円 | 25% |
| 営業利益 | 84億円 | +16.0% | 320億円 | 26% |
| 純利益 | 69億円 | +36.4% | 190億円 | 36% |
| 営業利益率 | 5.3% | |||
業績のポイント
クスリのアオキ(クスリのアオキホールディングス)の2027年5月期第1四半期(2026年5月~8月)の連結業績は、売上高1,590億42百万円、営業利益84億24百万円、経常利益85億68百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益68億66百万円となった。全て前年同期を上回る増収増益であり、特に純利益は過去1期比で36.4%という高い成長率を記録した。
売上高が堅調に伸びた最大の要因は、大型店舗におけるフードカテゴリーの拡充と生鮮食品取扱ノウハウの向上にある。単なる薬品の販売に加え、「フード&ドラッグ」によるワンストップショッピングの魅力向上に成功し、顧客の生活防衛意識の高まりに応える形となった。
営業利益率も改善し、効率的な店舗運営と規模の経済効果が現れ始めている。四国地区では新店出店に伴う売上伸長が顕著で、地域密度を高める「ドミナント化」戦略が確実に結果を出している状況だ。
セグメント別動向
同社は単一セグメント(近隣型小売事業)として開示しているため、商品部門別・地域別の詳細動向を確認する必要がある。
商品部門では、生鮮食品の販売実績が前年同期比142.3%と大きく拡大した。これは大型新店舗で青果や惣菜などの取り扱いを強化した結果である。また、加工食品などのフード全体でも114.4%の伸びを示し、「薬事・食料」以外の売上構造が確実に強化されつつある。ビューティ(美容)も104.3%と緩やかな成長を続けている。
地域別では、主力の北信越地区が117.1%と好調に推移した。関東は103.0%と堅調だが、新店出店ペースの影響もあって伸長率は北信越に及ばない。特筆すべきは四国地区で、わずか5店舗の規模から売上高が252.9%という驚異的な伸びを示し、新店開業による効果が高いことを示している。
| 地域別売上高推移(前期比) | 伸長率 |
|---|---|
| 北信越 | 117.1% |
| 東北 | 114.1% |
| 四国 | 252.9% |
| 関西 | 110.1% |
| 東海 | 104.4% |
| 関東 | 103.0% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 食品・生鮮(販売実績) | 742億円 | - | - | - |
財務状況と資本政策
財政状態において、総資産は4,064億49百万円となり、前連結会計年度末より減少した。これは建物及び構築物の増加に加え、未収入金や売掛金の減少などが影響している。自己資本比率は35.7%と安定した水準を維持しており、財務基盤の健全性は保たれている。
配当政策については、年間予想配当金が64円(中間32円・期末32円)と設定されている。前期は設立40周年記念配当を含み56円だったため、今期も安定的な株主還元に貢献する見込みだ。
投資有価証券の評価損益が他の包括利益に含まれており、資産組成のバランス調整も行われている。長短借入金の減少により無利息負債を削減する姿勢も明確である。
通期見通し
同社は1四半期の実績が概ね計画どおり推移したことから、前期に公表した2027年5月期の通期業績予想を変更せず、そのまますすめる方針を示した。
通期の売上高予想は6,400億円(前年同期比12.9%増)、営業利益予想は320億円(同18.1%増)となっている。これらは業界内でも非常に高い成長率であり、新規出店と既存店舗の売上拡大が両輪となって実現を目指す数値だ。
| 項目 | 通期予想(前回・今回) | 前期実績 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,400億円 (+12.9%) | 5,669億円 |
| 営業利益 | 320億円 (+18.1%) | 271億円(試算) |
| 純利益 | 190億円 (+10.9%) | - |
予想数値の修正がないことは、店舗開業計画や販売価格戦略に大きなブレがないことを示しており、投資家にとっては安心材料となる。
リスクと課題
経営環境については、原油やエネルギー価格の高止まりによる原材料費上昇、不安定な為替相場が継続している点への言及がある。
また、ドラッグストア業界ではM&Aによる再編や競争の激化が顕著で、狭小商圏化が進んでいる。同社は他社との差別化を図るため、「フード&ドラッグ」路線を強化したが、競合他社も同様の戦略を取っている可能性があり、継続的な顧客獲得が課題となる。
人手不足による人件費高騰も長期化する見込みで、効率化とサービス品質の両立が経営上の重要なポイントだ。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/1)
3,711円
最新終値(2026/10/23)
4,325円+16.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#クスリのアオキ#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#ドラッグストア業界#大型店舗戦略#フード拡充
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コメント
クスリのアオキの今回の1Q決算は、予想どおりの堅調な出足を示しています。
最大の強みである「新店舗開業による売上増」と「既存店での販売強化」が両輪で機能しており、特に生鮮食品など食料品の比重が高まっている点が特徴的です。これは単なる薬品売場の延長ではなく、生活密着型のスーパー的な店舗展開に成功している証左でしょう。
懸念点としては、四国地区のような新店密集地域以外での伸長率が頭打ちになりつつある可能性があります。今後は開店後の同店比較成長率(SSSG)がどこまで維持できるかが鍵になります。また、業界全体の競争激化によるコスト増をどのように原価抑制で吸収するかも注目すべき点です。
総じて、通期予想据え置きは強気の姿勢であり、出店ペースを落とさず収益拡大を狙う経営判断の自信表れと言えます。
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掲載企業
株式会社クスリのアオキホールディングス
東証 3549
これが最新の決算解説です
他の決算期
4期- 2027年5月期 第1四半期
- 2026年5月期 通期
- 2026年5月期 第3四半期
- 2026年5月期 第2四半期





