LIXIL、2027年3月期第2四半期決算(中間決算)、増収も中間赤字

LIXILの2027年3月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比3.6%増の7,624億円となった一方、営業利益は44.1%減の64億円、親会社株主に帰属する中間損益は46億円の赤字でした。売上原価や販管費の増加で利益が縮小し、税負担も重くなりました。通期予想は据え置き、年間配当予想も90円を維持しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,625億円 | +3.6% | 1.6兆円 | 48% |
| 営業利益 | 64億円 | -44.1% | 375億円 | 17% |
| 純利益 | -46億円 | — | 120億円 | -38% |
| 営業利益率 | 0.8% | |||
この決算のポイント
- 1ウォーターテクノロジー事業の売上収益は前年同期比7.6%増と3事業で最も伸びた
- 2ハウジングテクノロジー事業の事業利益は前年同期比91.1%減と大きく落ち込んだ
- 3営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の300億円の収入から65億円の支出に転じた
- 4通期売上収益予想は1兆6,000億円で変更なし、年間配当予想も前期と同じ90円
業績のポイント
LIXIL(LIXIL)の中間期は、売上収益が前年同期比3.6%増の7,624億円となった一方、営業利益は44.1%減の64億円、親会社の所有者に帰属する中間損益は前年の黒字から46億円の赤字に転落しました。事業利益も67.3%減の55億円でした。
- 売上総利益: 売上収益は増えたものの、売上原価の増加で前年同期比19億円減の2,500億円となりました。
- 販売費及び一般管理費: 前年同期比94億円増の2,444億円となり、利益を押し下げました。
- 税負担: 税引前利益は6億円にとどまり、法人所得税費用52億円を計上したことで中間損失となりました。
増収を利益につなげられず中間赤字となった点が、この決算の核心です。売上原価と販管費の合計が売上の伸びを上回り、営業利益率は前年同期の約1.6%から約0.8%へ低下しました。損益の改善には、販売の伸びだけでなく、原価や費用の抑制が課題となります。
セグメント別動向
3事業のうち、ウォーターテクノロジー事業は増収増益となった一方、ハウジングテクノロジー事業とリビング事業は事業利益が減少しました。各事業の売上収益の前年同期比は、ウォーターテクノロジーが7.6%増、ハウジングテクノロジーが2.4%減、リビングが3.2%増です。
ウォーターテクノロジー事業は、衛生設備、水栓金具、バスルームなどを扱い、売上収益が前年同期比で伸び、事業利益も増加しました。3事業の中で増収と利益の両方を確保し、全体の利益を支える結果となりました。
ハウジングテクノロジー事業は、サッシやドア、シャッターなどを扱います。売上収益は小幅減にとどまったものの、事業利益は大幅に減少しました。売上の減少幅に対して利益の落ち込みが大きく、採算面の改善が焦点です。
リビング事業は、システムキッチンや洗面化粧台、インテリア建材などを展開しています。売上収益は増えましたが、事業利益は減少し、増収が利益の回復には結びつきませんでした。決算短信本文には、各事業の増減を生んだ個別要因の詳しい説明はありません。
- ウォーター+11.1%
- ハウジング-91.1%
- リビング-37.0%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ウォーターテクノロジー事業 | 4,216億円 | 55% | 228億円 | 5.4% |
| ハウジングテクノロジー事業 | 2,494億円 | 33% | 11億円 | 0.4% |
| リビング事業 | 915億円 | 12% | 22億円 | 2.4% |
財務状況と資本政策
9月末の総資産は前期末比162億円減の1兆8,677億円、親会社所有者帰属持分比率は33.9%と、前期末の35.3%から低下しました。営業キャッシュ・フローは前年同期の収入から支出に転じています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 営業活動CF(億円) | -65 | 前年同期 +300 |
| 投資活動CF(億円) | -215 | 前年同期 -167 |
| 財務活動CF(億円) | +244 | 前年同期 -191 |
| 現金及び現金同等物(億円) | 1,114 | 前期末 1,156 |
| 中間・年間配当(円) | 45・90 | 前期年間 90 |
営業キャッシュ・フローの悪化には、棚卸資産の増加などが影響しました。財務活動では短期借入金などによる資金調達があり、現金残高は期首から減少しています。中間配当は45円、年間配当予想は90円で据え置き、自社株買いの発表はありません。
通期見通し
LIXILは2027年3月期の通期業績予想を据え置きました。売上収益1兆6,000億円、営業利益375億円、親会社の所有者に帰属する当期利益120億円を見込み、いずれも前期実績を上回る計画です。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 | 中間期実績 | 通期予想に対する進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 16,000 | +5.9% | 7,625 | 47.7% |
| 事業利益(億円) | 450 | +16.9% | 55 | 12.2% |
| 営業利益(億円) | 375 | +32.0% | 64 | 17.0% |
| 親会社帰属当期利益(億円) | 120 | +47.4% | -46 | -38.2% |
今回の短信では予想の修正はなく、前回公表値から変更していません。売上収益の進捗は約半分ですが、利益は計画に対して低い水準で、中間期の赤字から下期にどこまで回復できるかが焦点です。会社は実績が見通しと異なる可能性があると説明しており、予想達成が確約されているわけではありません。
リスクと課題
中間期は増収でも利益が減り、営業キャッシュ・フローも支出に転じました。通期予想を達成するには、下期の利益回復と運転資金の管理が重要になります。
- 利益率の低下: 売上原価と販管費が増え、売上収益の伸びが営業利益の増加につながりませんでした。費用増が続けば、通期の利益計画に影響する可能性があります。
- ハウジング事業の採算: 同事業の事業利益は前年同期から大きく減少しました。売上収益の小幅な減少にとどまらない利益の落ち込みが続く場合、全社の利益回復を妨げます。
- 営業キャッシュ・フローの悪化: 棚卸資産の増加などを受け、中間期の営業キャッシュ・フローは前年同期のプラスからマイナスに転じました。資金繰りや在庫の動きに注意が必要です。
- 為替などの外部要因: 包括利益には在外営業活動体の換算差額が影響し、前年同期のプラスから当期はマイナスとなりました。海外事業を含むため、為替変動が財政状態に及ぼす影響も注視されます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,662.5円
最新終値(2026/10/30)
1,662.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
LIXILをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて金属製品業界の今
掲載11社LIXILは金属製品業界の掲載11社中、売上高で1位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +4.4%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +7.4%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 1社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 6.2%
- LIXIL−2.8%
- 金属製品(業界平均)+4.4%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は6社合計で売上高+8.4%・営業利益+11.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は6社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのはトーカロ(営業利益+11.3%)。





タグ#LIXIL#決算#決算分析#四半期決算#2027年3月期#中間決算#住宅設備#営業利益減益#配当
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売上は伸びたものの、営業利益率の低下と中間赤字が示すのは、売上規模だけでは利益を確保できていない状況です。特にハウジングテクノロジー事業の利益減少が大きく、下期の回復には同事業の採算改善が欠かせません。
通期予想と年間配当を維持した判断は、下期の回復を見込む姿勢の表れです。ただし、中間期の営業利益は通期計画の2割に届かず、営業キャッシュ・フローもマイナスでした。投資家は売上高の伸びだけでなく、利益率と在庫、資金収支が次の四半期にどう改善するかを確認したいところです。
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