ストライク、2026年9月期通期決算、成約組数が計画超過で営業利益104億円
ストライクの2026年9月期決算を分析すると、連結初年度の売上高は270億円、営業利益は104億円、純利益は71億円となりました。前年同期比は連結財務諸表の作成初年度のため公表していませんが、成約組数は計画を上回り、売上高も計画比20.2%増です。中小企業の事業承継に加え、成長戦略型M&Aの需要を取り込み、次期も増収増益を見込んでいます。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 271億円 | — | 301億円 |
| 営業利益 | 104億円 | — | 115億円 |
| 純利益 | 71億円 | — | 79億円 |
| 営業利益率 | 38.4% | ||
この決算のポイント
- 1成約組数は332組で計画を8.5%上回り、大型案件は64組に達した
- 2新規受託は1,213件で計画比95.5%、成約件数は637件で計画超過
- 32027年9月期は売上高300億円、営業利益114億円を見込む
- 4年間配当予想は80円で、2029年9月期まで株主還元を一時的に強化
- 5最大40億円、発行済み株式の5.2%を上限とする自社株買いを決議
業績のポイント
ストライク(ストライクグループ)の2026年9月期は、売上高270億7,700万円、営業利益104億100万円、純利益71億3,900万円でした。連結財務諸表の作成初年度で、前年同期比は開示されていません。売上高は4月公表の計画を20.2%上回り、営業利益率は38.4%となりました。
- 成約組数: 332組で計画306組を上回り、達成率は108.5%。大型案件は64組だった。
- 売上高: 高単価案件の成約が積み重なり、計画の225億2,300万円を45億5,400万円上回った。
- 成約件数と受託: 成約件数は637件で計画比107.1%。新規受託は1,213件で計画比95.5%だった。
- 費用と利益: コンサルタントの増員やインセンティブ給与が売上原価を押し上げた一方、営業利益は104億円を確保した。
高単価案件の成約が売上を計画超過へ押し上げたことが、期中の実績を特徴づけました。大手金融機関との連携やダイレクトチャネルの拡大に加え、M&A仲介にとどまらず、M&A戦略コンサルティングやファイナンシャル・アドバイザリー(FA)を本格稼働させたことも営業活動の背景にあります。市場では後継者不在企業の事業承継だけでなく、成長や人材獲得を目的とするM&Aも広がっており、案件の質と支援範囲を広げる取り組みが成約につながるかが今後の焦点です。
セグメント別動向
ストライクはM&A支援とその付随業務を単一セグメントで展開しており、決算短信ではセグメント別の売上高や利益を分けて開示していません。したがって、事業ごとの前年比や利益率の比較はできず、連結業績と成約関連の指標から事業の動きを見る必要があります。
- M&A仲介・FA: グループが仲介またはFAとして関与した成約組数は332組、成約件数は637件。それぞれ計画比108.5%、107.1%だった。
- 大型案件: 1組当たりの売上高が1億円以上の成約は64組。高単価案件の積み上がりが売上高を押し上げた。
- 新規受託: 売手との仲介契約などを含む新規受託は1,213件で、計画比95.5%となった。
会社は金融機関や会計事務所との人材交流を進め、紹介を通じた案件獲得の体制を強化しています。また、複数のコンサルタントが案件を支援するチーム制や研修を通じ、専門性と倫理観の向上を目指しています。新規受託が計画に届かなかった一方、成約が計画を超えた点は、受託案件の獲得だけでなく、成約までの実行力が売上を左右することを示しています。
財務状況と資本政策
期末の総資産は338億2,900万円、自己資本比率は74.4%でした。現金及び現金同等物は276億5,800万円で、営業活動によるキャッシュ・フローが投資や配当の支出を上回りました。
| 項目 | 2026年9月期実績 | 補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 338億2,900万円 | 期末残高 |
| 自己資本比率 | 74.4% | 期末時点 |
| 営業キャッシュ・フロー | 110億1,600万円 | 税引前利益などが寄与 |
| 投資キャッシュ・フロー | マイナス1億3,200万円 | 有形固定資産・有価証券の取得など |
| 財務キャッシュ・フロー | マイナス34億5,700万円 | 主に配当金の支払い |
2026年9月期の期末配当は1株当たり65円でした。2026年4月に1株を3株に分割しており、分割前の2025年9月期の年間配当180円は分割後換算で60円に相当するため、単純比較では実質5円増配です。
次期から2029年9月期までの年間配当は中間・期末各40円、合計80円とする方針です。配当性向は純利益の概ね50%を目安とし、50%を下回る場合は年間80円から増配するとしています。さらに、資本効率と株主還元の向上を目的に、2026年11月から2027年8月まで、上限300万株・40億円の自己株式取得を決議しました。
通期見通し
2027年9月期は売上高300億5,000万円、営業利益114億5,400万円、純利益78億6,300万円を見込みます。会社が示す前期比はそれぞれ11.0%増、10.1%増、10.1%増です。2026年9月期は連結初年度のため、前年実績との単純比較には注意が必要です。
| 指標 | 2026年9月期実績 | 2027年9月期予想 | 会社予想の前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 270億7,700万円 | 300億5,000万円 | +11.0% |
| 営業利益 | 104億100万円 | 114億5,400万円 | +10.1% |
| 経常利益 | 104億1,700万円 | 114億8,200万円 | +10.2% |
| 純利益 | 71億3,900万円 | 78億6,300万円 | +10.1% |
成長に向けて、金融機関や会計事務所からの紹介と直接受託の双方を伸ばし、M&A戦略コンサルティングやFAを通じて案件の初期段階から顧客を支援する方針です。コンサルタントの採用・育成を続けるほか、台湾をはじめとする海外展開にも取り組みます。業績予想は一定の前提に基づくもので、案件の意思決定期間や成約状況などにより実績が変動する可能性があります。
戦略トピック
ストライクは連結初年度に、M&A仲介を中心とする従来の支援に、M&A戦略コンサルティングやFAを加え、グループ全体で案件の初期段階から成約まで対応する体制を整えました。今後は持株会社体制のもと、グループ各社の連携を強め、M&A総合支援会社としての競争力を高める考えです。
- 顧客接点の拡大: 金融機関・会計事務所との提携を通じた紹介受託と、ダイレクトチャネルによる直接受託の両方を強化する。
- 支援領域の拡充: M&A仲介に加え、戦略コンサルティングやFAを活用し、意思決定が複雑化・長期化する案件に対応する。
- 人材への投資: コンサルタントの採用を続け、チーム制や研修で専門知識、法規制・会計制度への理解、案件対応力を高める。
- 海外展開: 台湾をはじめとする地域でクロスボーダー事業の拡大を目指す。
成約組数が計画を上回った一方、新規受託は計画未達でした。今後の成長には、受託の入り口を広げながら、採用した人材を育成し、案件を適切な品質で成約まで導く力が重要になります。
リスクと課題
M&A市場の拡大が期待される一方、案件の成約時期や取引環境は一定ではありません。会社は業界の制度整備が進むなか、支援品質とコンプライアンスの向上を課題として挙げています。
- 成約時期の変動: 意思決定プロセスの複雑化や長期化で案件が遅れれば、成約組数や売上高の計上時期に影響する可能性がある。
- 人材の採用・育成: 事業拡大には専門性の高いコンサルタントの確保が欠かせない。採用や教育が計画どおり進まない場合、受託案件への対応力が制約される。
- 規制・コンプライアンス: 中小M&Aガイドラインや業界団体の自主規制ルールへの対応が必要で、体制整備に費用や人員を要する。品質・倫理面での不備は顧客や市場の信頼を損なうおそれがある。
- 外部環境の不透明さ: 地政学リスク、物価上昇、主要国の金融政策などが金融市場や企業活動に影響し、M&Aの意思決定を左右する可能性がある。
事業承継需要に加えて成長戦略型M&Aが広がることは追い風ですが、案件を確実に成約へ導く力と、制度変更に対応する管理体制の両立が求められます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,413円
最新終値(2026/10/30)
1,413円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
ストライクをライバルと比較
年収・業績・株価を並べてコンサルティング業界の今
掲載7社ストライクはコンサルティング業界の掲載7社中、売上高で3位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +11.1%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +23.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 1社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 26.3%
- ストライク+11.4%
- コンサルティング(業界平均)+11.1%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第3四半期累計は2社合計で売上高+31.2%・営業利益+40.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は1社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのはM&Aキャピタル(営業利益+5.9%)。



タグ#ストライク#決算#決算分析#通期決算#M&A仲介#事業承継#増収増益予想#配当#自社株買い
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M&A市場の需要を背景に、成約組数と売上高が会社計画を上回った点は評価できます。高単価案件の積み上げで営業利益率も高く、収益力の強さがうかがえます。
一方、連結初年度のため前年比で成長を測れず、次期予想の伸びが実際にどの程度の成約増加で実現するかは、今後の確認点です。新規受託が計画を下回ったことを踏まえると、成約実績だけでなく案件の入口を広げられるかも注目されます。
配当方針の強化と最大40億円の自社株買いは、厚い現金を株主還元に活用する姿勢を示しています。採用・育成やコンプライアンス整備、海外展開への投資と還元を両立し、支援品質を維持できるかが中長期の成長を左右しそうです。
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