株式会社システナ の会社詳細
株式会社システナ
システナ
2027年3月期 第1四半期
2026年7月30日

システナ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益9.0%増で増収増益

システナ
決算
決算分析
四半期決算
増収増益
AI
DX
次世代モビリティ
セグメント再編
配当増額
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

238億円

+5.5%

通期予想

980億円

進捗率24%

営業利益

38億円

+9.0%

通期予想

160億円

進捗率24%

純利益

27億円

+3.1%

通期予想

106億円

進捗率25%

営業利益率

16.1%

システナは2027年3月期第1四半期決算で増収増益を達成した。売上高は23,799百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は3,834百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,668百万円(同3.1%増)。AI関連需要やDX投資が業績を牽引し、各セグメントが堅調に推移した。通期業績予想は据え置かれた。

業績のポイント

当第1四半期は、高水準のインバウンド需要継続や賃上げによる所得改善が経済を下支えする一方、地政学リスクや原材料高、急激な円安進行が企業コストや家計に影を落とした。この環境下で、システナ(システナ)は新中期経営計画「クロスドメインによる企業価値の最大化」を推進。企業の生成AI活用がPoCから本格実装へ急速にシフトする中、DX推進・データ経営高度化に向けた旺盛なIT投資需要を確実に取り込んだ。高付加価値領域へのリソース集中とストック型ビジネス拡大により、売上高23,799百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益3,834百万円(同9.0%増)と増収増益。営業利益率は16.1%と前年同期の15.6%から改善し、収益性が向上している。なお、株式報酬費用等を含めたEBITDA+Sは4,131百万円(同14.2%増)と高水準を維持した。セグメント再編により事業ポートフォリオを最適化し、AI・DX領域での成長加速を図る体制を整えたことが今後の業績に寄与するとみられる。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

当期より事業内容や主力分野の変化に伴い報告セグメントを再編。前年比較は組替え後ベース。全7セグメントの状況は以下の通り。

セグメント売上高(百万円)前年同期比営業利益(百万円)同増減率利益率
次世代モビリティ事業2,176+17.2%872+23.5%40.1%
プロジェクトマネジメントデザイン事業3,340-8.6%774-1.8%23.2%
デジタルインテグレーション事業3,235+25.4%786+36.9%24.3%
IT&DXサービス事業5,613+5.5%793+13.3%14.1%
ビジネスソリューション事業8,576+1.5%732+3.4%8.5%
DX&ストック型ビジネス事業611-1.4%93+208.7%15.2%
オンラインソリューション事業245+617.5%30+245.8%12.2%

次世代モビリティ事業は、AI関連成長領域の中核として、SDV(Software Defined Vehicle)化加速に伴う車載コックピットやコネクテッド、HMI領域の大型案件獲得が進んだ。北米市場でのテスト・案件創出や子会社IDYの通信エッジ端末技術とのシナジーにより、売上・利益ともに大幅増。車載向けAIネイティブ開発も推進中。

プロジェクトマネジメントデザイン事業は、上流戦略と開発のギャップを埋める「実行型PMO支援」が強みだが、一部プロジェクトを他セグメントへ移管した影響で減収減益。ただし、高水準の収益性(営業利益率23.2%)は維持し、金融システム更改やSDV開発など高付加価値案件へシフト。

デジタルインテグレーション事業は、金融機関の基幹システムモダナイズや行政DX案件を確実に取り込み、AI駆動開発による高成長。SaaS・クラウドコンサルへのリソースシフトも奏功し、営業利益率は24.3%に上昇。

IT&DXサービス事業は、伴走型PMOやセキュリティ支援が好調で、BPO領域でもグループ連携による品質向上と受注拡大が進む。安定したストック収益基盤として機能。

ビジネスソリューション事業は、Windows10特需一巡後もクラウド移行・ゼロトラストセキュリティ需要が堅調。プロダクト物販からAI導入基盤提供まで一気通貫のSIビジネスへのシフトを加速中。

DX&ストック型ビジネス事業は、自社ノーコードDXプラットフォーム「Canbus.」を中心としたサブスクリプションが拡大し、営業利益が急拡大。AIデータセンター領域や他事業へのAI導入支援も進む。

オンラインソリューション事業は、新規独立セグメントとして連結子会社2社を軸に、ゲーム開発技術を応用した3D・UI/UX技術をモビリティ等へ展開。前期比で大幅増収増益となった。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
次世代モビリティ事業22億円9%9億円40.1%
プロジェクトマネジメントデザイン事業33億円14%8億円23.2%
デジタルインテグレーション事業32億円14%8億円24.3%
IT&DXサービス事業56億円24%8億円14.1%
ビジネスソリューション事業86億円36%7億円8.5%
DX&ストック型ビジネス事業6億円3%93百万円15.2%
オンラインソリューション事業2億円1%30百万円12.2%

財務状況と資本政策

当四半期末の総資産は58,113百万円(前期末比2,966百万円減少)。主に売掛金の回収による受取手形・売掛金及び契約資産の減少(1,888百万円減)と現預金の減少(793百万円減)による。固定資産は6,492百万円と横ばい。負債合計は17,837百万円(同3,021百万円減)で、未払法人税等2,653百万円減、賞与引当金1,175百万円減が大きい。純資産は40,276百万円とわずかに増加し、自己資本比率は67.8%(前期末比+2.9pt)と財務の安定性が際立つ。営業キャッシュ・フローは1,883百万円の収入(前年同期比551百万円増)と堅調だが、配当金支払い2,836百万円等により財務キャッシュ・フローは2,805百万円の支出。現金及び現金同等物の期末残高は29,139百万円と潤沢だ。

配当は前期実績14.00円から18.00円へ大幅増配を予定。中間・期末各9.00円の安定配当方針で、株主還元を強化している。自社株買いや新株予約権の発行も行われており、資本政策は積極的だ。

通期見通し

2027年3月期通期の連結業績予想は、2026年5月13日公表値から修正なく据え置かれた。期初からの進捗率は売上高24.3%、営業利益24.0%と順調。AI関連需要の持続と高付加価値シフトにより、通期目標達成への期待が持てる。

項目前回予想前期実績前年比増減
売上高98,00094,424+3.8%
営業利益15,96015,360+3.9%
経常利益15,96016,140△1.1%
親会社株主に帰属する当期純利益10,63011,310△6.0%

(単位:百万円、前期実績は2026年3月期)

リスクと課題

システナが認識する主なリスクは以下の通り。

  • 地政学リスクと経済不安: ウクライナや中東情勢の長期化、世界的な通商政策の不透明性がサプライチェーンや顧客の投資意欲に影響を及ぼす可能性。
  • 為替変動: 急激な円安進行が輸入コストを押し上げ、国内景気や顧客のIT予算に悪影響を与える懸念。
  • 技術革新の速度: AI・DX領域の進化が著しく、技術力や人材確保で出遅れると競争力低下のリスクがある。同社はAI駆動開発と人材教育を強化しているが、実装スピードが重要。
  • 特定セグメントへの依存: ビジネスソリューション事業が依然として売上の約36%を占め、物販依存脱却の行方が鍵。
  • M&A・子会社管理: オンラインソリューション事業など子会社の成長に伴い、PMIやグループシナジー創出が課題。

これらのリスクを踏まえ、同社は高付加価値サービスへのシフト、ストック型収益の拡大、事業ポートフォリオの多様化で対処する方針である。

戦略トピック

セグメント再編とAIクロスドメイン戦略

当期より大幅なセグメント再編を実施。オンラインソリューション事業を独立させたほか、海外子会社を次世代モビリティ事業に集約し、各セグメントのシナジーを強化。グループ全体でAI技術を横断的に活用する「AIクロスドメイン戦略」を掲げ、次世代モビリティ事業が成長エンジン、DX&ストック型ビジネス事業がノウハウ供給源として機能する設計だ。また、有償ストックオプションの導入により、取締役・従業員の意欲向上と企業価値向上を図っている(株式報酬費用209百万円を計上)。これらの施策は、AI実装需要を取り込みつつ、持続的な収益成長を目指すシステナの積極姿勢を示している。

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AIアナリストAI·2026年7月30日

今期のシステナは、AI実装フェーズへの移行を的確に捉えた好決算。特に次世代モビリティとデジタルインテグレーションの高い成長率、収益性の高さは特筆すべき。プロジェクトマネジメントデザインの減収は気掛かりだが、高付加価値シフトの過渡期と捉えられる。

強気の増配と潤沢なキャッシュ、自己資本比率の高さは財務面での強み。セグメント再編によりAI全社シナジーが機能すれば、中期的に一段の成長も期待できる。ただし、為替や地政学リスク、技術競争の激化には引き続き注視が必要だ。

AI実装の波を確実に収益化へという姿勢が滲む決算であり、今後の通期達成と次世代事業の拡大が注目点。

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