三菱電機、配電制御機器をABBと合弁化へ、51%を824億円で譲渡し2027年10月発足予定
三菱電機は配電制御機器事業を新会社に移し、ABBの日本法人に株式51%を824億円(予定)で譲渡する契約を締結した。新会社は2027年10月1日に発足し、三菱電機は49%を保有する見込み。低圧遮断器や計測制御機器などを両社で運営し、ABBの世界販売網と三菱電機の技術・顧客基盤を組み合わせる。三菱電機は2028年3月期に譲渡関連利益約900億円を計上する見通しで、ABBと共同運営へ。会社分割と株式譲渡は関係当局の承認などが条件となる。

開示の要点
- 譲渡価額
- 824億円(予定)
- ABB持分
- 51%
- 効力発生日
- 2027年10月1日(予定)
- 譲渡関連利益
- 約900億円
- 事業売上高
- 1,022億円(2026年3月期)
配電制御機器を移管、ABBが51%を取得
三菱電機は、配電制御機器事業を全額出資の新会社に移したうえで、ABBの日本法人であるABB株式会社に新会社株式の51%を譲渡する。取引後はABBが51%、三菱電機が49%を保有し、新会社はABBの連結子会社、三菱電機の持分法適用会社となる見込みだ。
| 手続き | 予定日 |
|---|---|
| 新会社設立 | 2026年12月1日 |
| 会社分割契約の締結 | 2027年8月1日 |
| 会社分割の効力発生日 | 2027年10月1日 |
| 株式譲渡の実行 | 2027年10月1日 |
- 取引の条件: 国内外の競争法当局などによる許認可・承認の取得と、契約上の前提条件の充足が必要。
- 譲渡価格の算定: 2025年度の対象事業のEBITDA、合意した評価倍率、現預金やデットライク項目などを踏まえる。契約に基づく価格調整で実際の金額が変わる可能性がある。
新会社は、三菱電機の完全子会社として設立され、会社分割の直後に株式譲渡が行われる計画だ。会社分割は簡易吸収分割として実施する予定で、三菱電機の株主総会の承認は求めないとしている。
製品・販売網を集約し、海外展開を強化
対象事業は、2026年3月期の売上高が1,022億円。三菱電機は、国内で築いた製品力や顧客基盤にABBの技術とグローバルな販売網を組み合わせ、事業の成長と競争力強化を目指す。
- 主な製品: 低圧遮断器、電磁開閉器、計測制御機器、一般産業向け5kVA以下の無停電電源装置(UPS)。
- 移管する機能: 対象製品の開発、製造、販売、サービスに加え、一部高圧配電制御機器の販売・サービスやスマートメーターの開発・製造。
- 海外販売: 海外販売子会社が担う対象事業の販売は、各地域のABB現地法人に移す予定。
対象事業の売上高は社内管理上の数値で、監査を受けたものではない。三菱電機は、対象事業が国内で安定した需要を見込める一方、海外では電化の普及に伴う需要拡大と競争激化が見込まれるとして、ABBとの共同運営を選んだ。
2028年3月期に約900億円の利益計上見込み
三菱電機は、本取引に関連して2028年3月期の連結決算で約900億円の利益を「その他の損益」に計上する見込みだ。一方、2027年3月期の連結業績予想には取引の影響を含めておらず、現時点では影響は軽微としている。
- 新会社の運営: 取締役会はABBが指名する5人と三菱電機が指名する2人の計7人で構成する予定。
- 会社分割の対価: 三菱電機の完全子会社との分割のため、新会社から三菱電機への株式や金銭の交付はない。三菱電機の資本金にも増減はない。
約900億円の利益計上は、株式譲渡に伴う会計上の効果として、2028年3月期の損益に反映される見通しだ。ただし、会社は2027年3月期の業績予想への影響を軽微としており、この利益見込みだけで本業の採算や継続的な収益力を判断することはできない。
事業の運営主体が変わる、雇用条件は明らかにせず
会社分割後は新会社が対象事業を運営し、株式譲渡後はABBの子会社として事業を担う。三菱電機は、顧客や取引先への継続供給に必要な対応を進めるとしている。
対象事業には開発・製造・販売・サービスが含まれ、海外販売の担い手もABBの現地法人へ移る計画だ。一方、開示資料には従業員の雇用条件や人員配置の具体的な説明はない。新会社の名称や所在地、代表者なども株式譲渡後に変更予定だが、詳細は今後決定するとしている。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/20)
4,852円
最新終値(2026/10/23)
4,770円-1.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#三菱電機#ABB#合弁会社#会社分割#配電制御機器#電力制御#事業再編
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コメント
今回の取引は、三菱電機が国内で培った技術・顧客基盤を維持しながら、海外展開に強みを持つABBを過半出資のパートナーに迎える事業再編だ。投資家は、譲渡関連利益約900億円の計上だけでなく、合弁会社での事業成長や、三菱電機が49%の持分を通じて得る利益の推移を見極めたい。一時利益と継続成長を分けて評価することが焦点となる。
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