SBIがBASEへ買収価格340円のTOB期間を延長、子会社間吸収合併で保険と資産運用の第三の柱構築
SBIHD(8473)は9月30日、東京株Growth上場のBASE(4477)に対する公開買付けの期間を2026年10月15日まで延長すると同時に、傘下の資産運用・保険2社の吸収合併により「第三の柱」強化へ向けた基本合意書を締結した。TOB期間延長と経営統合

BASE向けTOB期間を30営業日まで延長
SBIHD完全子会社のSBIERを通じて設立された公開買付者(SBIINM合同会社)は、BASE株式の取得目的を持分法適用関連会社化とし、これまで2026年9月30日で終了する予定だった公開買付け期間を30営業日へ延長することを決定した。これにより、買付期間は2026年8月31日から10月15日までとなる。
買付け価格は一株につき340円で固定されており、買付予定数の上限は2,379万2,300株とされる。この上限株式数を購入した場合の議決権所有割合は、BASEの第14期半期報告書(2026年6月30日現在)に基づく約115万個の議決権を分母として計算すると20.67%となる。SBIHDは、対象者株主へのさらなる判断機会提供を理由に延長を決め、買付条件の変更はないと明言した。決済開始日は、延長期間に応じ2026年10月22日へ繰り下げられた。
BASEの取締役会は本公開買付けに賛同し、応募か否かは株主判断に委ねる中立姿勢を示している。SBIHD側も対抗的な買収機会を妨げない方針であり、公正性を担保するための措置が講じられている。このTOBはBASEの非公開化を目的とするものではない点も強調されている。
SBIアセット傘下で資産運用と保険を統合し第三の柱へ
同時に、SBIHDは連結子会社であるSBIグローバルアセットマネジメント株式会社(SGAM:コード4765)とSBIインシュアランスグループ株式会社(SIIG:コード7326)の間で、吸収合併による経営統合の基本合意書締結を発表した。
今回の統合では、SGAMを吸収合併存続会社、SIIGを消滅会社とし、SGAMが東京株プライム市場への上場を継続する。統合後の効力発生日は2027年4月1日を予定しており、東京株での最終売買日は2027年3月29日となる。合併比率については、双方の第三者算定機関(SGAMはKIC、SIIGはEY)による市場株価法およびDCF法の算定結果を参考に、SGAM株式1株に対してSIIG株式約3.53〜3.89株の範囲で合意に至ったとされる。
両社は証券、銀行に続くSBIグループの「第三の柱」として位置付け、資産運用と保険を一体化させることで「運用起点の保険商品」の本格化を目指す。家計金融資産1,132兆円のうち現金・預金が占める比率の高さを背景に、低コスト・高透明性の市場創出を通じた企業価値向上が期待される。
統合双方の財務指標と算定手法の比較
吸収合併の対象となる両社の財務状況および算定基準を比較すると以下のようになる。SIIGは経常収益、SGAMは売上高を主な収入指標としている点に注意が必要だ。
| 指標 | SBIグローバルアセットマネジメント(存続) | SBIインシュアランスグループ(消滅) |
|---|---|---|
| 2026年3月期連結純資産 | 41,925億円 | 48,087億円 |
| 2026年3月期連結売上高(益) | 27,859億円 | 140,362億円 |
| 2026年3月期経常利益 | 5,589億円 | 13,164億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,073億円 | 2,880億円 |
| 算定手法(市場株価法レンジ) | 599円〜629円 | 2,138円〜2,399円 |
| 算定手法(DCF法レンジ) | 559円〜689円 | 1,731円〜2,449円 |
SGAMは子会社化や吸収合併により営業利益が前年比65.4%増、フリーキャッシュフローが同152.5%増を見込む。一方、SIIGは2028年3月期にフリーキャッシュフローが同141.9%増となる見込みだが、本合併シナジー効果は現時点で財務予測に加味していない。
両社とも支配株主との取引にあたるため、公正性を担保するため独立役員による意見取得や第三者算定機関の選定が行われた。合併比率は双方の算定レンジの範囲内であり、少数株主の不利益とならないと判断されている。共通支配下の取引として会計処理される予定であり、SBIHD連結業績への短期的な影響は軽微とみられる。統合後はSGAMがグループ全体のアセットマネージメント力を強化し、SIIGの保険商品にその運用ノウハウをフィードバックする体制が構築される。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/9/30)
3,162円
最新終値(2026/10/23)
2,925円-7.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#SBIホールディングス#公開買付け#経営統合#BASE#SBIインシュアランス#資産運用#保険業界#M&A
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
本開示は、SBIグループが金融ビッグテックとしての位置づけを強化する2つの大きな動きを示している。1つはスタートアップ企業であるBASEとの資本提携の確実化であり、もう1つは従来の事業領域(証券・銀行)にとどまらず、資産運用と保険という新たな**「第三の柱」での成長ストーリーの具体化だ。
投資家にとって注目すべきは、TOB価格340円が BASE の市場期待に対してどのようなプレミアム/ディスカウントを形成するかであり、また吸収合併により実現するシナジー効果の具体的な数値化である。現時点ではシナジー効果は見積もっていないものの、運用コストの削減と保険料の競争力向上という好循環が期待できるため、中長期的なSBIHDグループ全体のROE改善に寄与すると見られる。資産と負債の一体化が進む国内唯一の事例となるため、業界への波及効果にも注目したい。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
関連記事
同社の関連記事
- 重要な出資(株式買集め)9月3日SBIホールディングス、ブランジスタ株を追加取得し議決権比率20%超の持ち分法適用へ
- M&A(完全子会社化)6月25日SBIホールディングス、467億円でビットバンクを完全子会社化へ――国内暗号資産預かり資産残高首位に躍進
- 株式の買集め行為5月29日SBIホールディングス、W TOKYO(9159)株式の買集め行為に該当する株式取得を発表
- M&A・提携9月25日JR九州との提携で金融参入、SBIHDの収益構造と成長戦略への影響分析
- M&A・提携9月17日SBIホールディングスがライブドアを75億円で買収、金融とITの融合戦略が本格的に始動
- 業界比較2027年3月期 第1四半期総合金融グループ3社・2027年3月期Q1、投資益が純利益を押し上げる一方で事業収益力に差
- 業界比較2027年3月期 第1四半期オンライン証券3社・2027年3月期Q1比較、松井の高利益率とSBIの投資収益が際立つ




