古河電工、2027年3月期第1四半期決算、売上高24%増で通期予想を上方修正

古河電工(古河電気工業)の2027年3月期第1四半期決算は、売上高365,221百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益25,457百万円(同205.4%増)と大幅な増収増益となった。データセンタ需要の急拡大により光ソリューション・情報コンポーネントが業績をけん引し、経常利益は30,953百万円と前年同期の4倍、純利益も22,229百万円と急伸。通期予想を上方修正し、成長持続に自信を示した。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,652億円 | +24.3% | 1.5兆円 | 24% |
| 営業利益 | 255億円 | +205.4% | 1,230億円 | 21% |
| 純利益 | 222億円 | +335.0% | 1,050億円 | 21% |
| 営業利益率 | 7.0% | |||
業績のポイント
古河電工(古河電気工業)の2027年3月期第1四半期連結業績は、全セグメントが堅調で、特に光ソリューションと情報コンポーネントがデータセンタ関連需要に支えられ急拡大した。売上高は365,221百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益は25,457百万円(同205.4%増)と大幅な増収増益。経常利益は30,953百万円(同304.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22,229百万円(同335.0%増)となり、いずれも過去最高水準を更新した。
好業績の背景には、クラウド・AI向けの光伝送部材や情報通信ケーブルの旺盛な需要がある。光ソリューション事業は売上高600億円(同45.6%増)、情報コンポーネント事業も596億円(同32.8%増)と急成長し、同社の成長ドライバーとしての存在感を高めた。一方、自動車電装システム事業も生産台数の回復に伴い安定成長を続け、売上高920億円(同10.9%増)と堅調だった。
為替の影響や銅価変動を受けたメタルソリューション事業は売上高が1,217億円(同55.0%増)と大幅増収ながら、営業利益は前年並みの8億円にとどまった。経営陣はデータセンタ関連の設備投資拡大を背景に、第2四半期以降のさらなる需要増加を見込み、通期業績予想を上方修正した。
セグメント別動向
古河電工は今期より事業セグメントを再編し、データセンタ関連の組織を強化した。全6セグメントの第1四半期業績は以下の通り。
光ソリューション
売上高600億円(前年同期比45.6%増)、営業利益92億円(前年同期は7億円の損失)と急回復。データセンタ向け光ファイバ部材や光伝送装置の需要が爆発的に拡大し、黒字転換を果たした。生産能力増強も寄与し、粗利率が大幅に改善。
情報コンポーネント
売上高596億円(同32.8%増)、営業利益74億円(同105.2%増)。主にハイパースケールデータセンタ向け高速通信ケーブルやコネクタ部品が好調で、数量・単価ともに伸長。前年からの値上げ効果も定着し収益性が向上。
エネルギーインフラ
売上高360億円(同9.7%増)、営業利益30億円(同220.7%増)。国内の地中線・機能線が堅調で、中国子会社の連結除外による損益改善もあり増益。再生可能エネルギー向け電力ケーブルも伸びた。
自動車電装システム
売上高920億円(同10.9%増)、営業利益64億円(同20.9%増)。国内・北米で自動車生産が堅調に推移し、ワイヤハーネスや電装部品の販売が増加。コスト削減と生産効率化も利益を押し上げた。
メタルソリューション
売上高1,217億円(同55.0%増)、営業利益8億円(同2.1%減)。銅価高騰と円安で売上高は急増したが、原材料費上昇が重石。需給は堅調だがスプレッド管理に苦心。
サービス・開発等
売上高113億円(同60.0%減)、営業損失11億円(前年同期比3億円改善)。水力発電や研究開発支援が中心で、前期の大口プロジェクト終了により減収だが、損失幅は縮小。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 光ソリューション | 590億円 | 16% | 92億円 | 15.5% |
| 情報コンポーネント | 557億円 | 15% | 74億円 | 13.3% |
| エネルギーインフラ | 349億円 | 10% | 30億円 | 8.6% |
| 自動車電装システム | 914億円 | 25% | 64億円 | 7.0% |
| メタルソリューション | 1,148億円 | 31% | 8億円 | 0.7% |
| サービス・開発等 | 94億円 | 3% | -1,129百万円 | -12.0% |
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は1,131,296百万円と、前期末比649億円増加。売掛金や棚卸資産の増加に加え、投資有価証券の時価評価増(評価差額金増加)などが寄与した。一方、負債は支払手形・買掛金と借入金・CPの増加により676,349百万円と452億円増。純資産は利益積み上げ等で454,946百万円、自己資本比率は38.6%(前期末比0.5ポイント低下)と依然健全水準。
配当は2027年3月期予想で年間22円(株式分割後、分割前換算220円)とする。7月1日付で1株→10株の株式分割を実施しており、投資単位の引き下げで個人投資家の参入が期待される。
キャッシュフロー計算書は未作成だが、減価償却費は106億円(前年同期104億円)と横ばい。設備投資はデータセンタ向けを中心に積極化しており、今後のキャッシュ創出が注目される。
通期見通し
会社は第1四半期の好調を受け、2027年3月期通期業績予想を上方修正した。売上高1,530,000百万円(前期比17.0%増)、営業利益123,000百万円(同92.6%増)、経常利益143,000百万円(同88.5%増)、当期純利益105,000百万円(同44.8%増)と、すべて過去最高を見込む。
前回予想との比較は下表の通り。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,470,000 | 1,530,000 | 1,307,833 |
| 営業利益 | 110,000 | 123,000 | 63,900 |
| 経常利益 | 130,000 | 143,000 | 75,800 |
| 当期純利益 | 95,000 | 105,000 | 72,500 |
上方修正の主因は光ソリューション・情報コンポーネントでのデータセンタ需要拡大継続と、持分法投資利益の増加。下期も受注は高水準で、業績の上振れ余地は十分にある。
リスクと課題
データセンタ需要は当面堅調だが、加速する設備投資の反動減速リスクがある。また、銅価・為替の乱高下はメタルソリューション事業の収益を左右し、急激な円高は業績全体にマイナス影響を与えうる。中国経済の減速や地政学リスクも注視が必要。同社は複数セグメントへの分散でリスク緩和を図るが、光関連への依存度が高まる中、技術陳腐化への対応と投資回収が課題となる。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
3,909円
最新終値(2026/10/23)
2,894.5円-26.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#古河電工#決算#四半期決算#増収増益#上方修正#データセンタ#光ソリューション#情報コンポーネント#自動車電装
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コメント
今四半期はデータセンタ関連事業が本格的な利益貢献フェーズに入ったことを鮮明に示した。光ソリューションの急拡大は、同社の次世代光ファイバ技術が評価された結果であり、AI時代のインフラとして今後も高成長が期待できる。一方、メタルソリューションの収益力が資源価格に左右される構造は変わらず、事業ポートフォリオの変革が今後のカギを握る。株式分割も実施し、個人投資家へのアピールも強化。重点分野への集中投資による収益力向上が続けば、中期的な割安感が解消する可能性がある。
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