合同製鐵、2027年3月期第1四半期決算、増収も営業利益85%減
合同製鐵の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比3.9%増の497億85百万円となった一方、営業利益は84.7%減の4億53百万円、純利益は77.2%減の6億69百万円と大幅減益でした。国内需要の低迷を輸出増で補い増収を確保したものの、鉄スクラップやエネルギー、輸送費の高止まりと販売価格への反映の遅れが利益を圧迫しました。増収でもコスト高が利益を大きく圧迫する決算です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 498億円 | +3.9% | 2,000億円 | 25% |
| 営業利益 | 5億円 | -84.7% | 65億円 | 7% |
| 純利益 | 7億円 | -77.2% | 43億円 | 16% |
| 営業利益率 | 0.9% | |||
この決算のポイント
- 1鉄鋼事業の経常利益は前年同期比26億75百万円減の9億74百万円となり、全社減益の主因に
- 2農業資材事業は売上高33億88百万円、セグメント利益28百万円で前年の赤字から黒字転換
- 3通期予想は売上高2000億円、営業利益65億円。業績予想は修正されたが前回数値は短信に記載なし
- 4年間配当予想は100円で、2026年3月期実績の180円から減少。年間配当下限を100円とする方針
- 5最大9億円、25万7000株の自己株式取得を決議。取得期間は2026年8月3日から10月31日
業績のポイント
合同製鐵(合同製鐵株式会社)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比3.9%増の497億85百万円、営業利益が84.7%減の4億53百万円、親会社株主に帰属する純利益が77.2%減の6億69百万円でした。売上高は増えましたが、利益は大幅に縮小しました。
- 売上高: 前年同期から18億82百万円増。国内需要が弱い中、輸出を増やしたことなどが寄与しました。
- 営業利益: 前年同期から25億8百万円減。鉄スクラップ価格が高値圏で推移し、販売価格の改善が出荷単価に反映されるまでの時間差も響きました。
- 経常利益: 前年同期比73.4%減の9億82百万円。持分法による投資利益も前年同期の2億40百万円から40百万円に減りました。
国内建設では人手不足や時間外労働の上限規制による工期の長期化、資機材価格の上昇による案件の延期・中止があり、鋼材需要は低調でした。会社は需要に見合った生産と、再生産できる販売価格の実現に努めていますが、原料・エネルギー・輸送コストの上昇を販売価格に転嫁できるかが、今後の利益回復を左右します。
- 営業利益-25億円
- 経常利益-27億円
- 純利益-23億円
セグメント別動向
鉄鋼事業は売上高454億11百万円で前年同期比12億6百万円増となった一方、セグメント利益は9億74百万円で26億75百万円減でした。国内需要が弱く、鉄スクラップなどの調達コストが高い中、価格改善が出荷単価に反映されるまで時間がかかり、売上の伸びが利益につながりませんでした。
農業資材事業は売上高33億88百万円で前年同期比8億13百万円増、セグメント利益は28百万円で1億14百万円改善しました。前年同期の損失から黒字に転じ、鉄鋼事業とは異なる動きを見せています。
- その他事業: 砕石・砕砂事業などの売上高は10億74百万円で前年同期比1億39百万円減、セグメント利益は87百万円で55百万円減りました。
グループ全体の売上増は鉄鋼事業と農業資材事業が支えましたが、利益面では鉄鋼事業の落ち込みが大きく、農業資材事業の改善だけでは補えませんでした。セグメント利益は短信上、連結損益計算書の経常利益と調整される指標です。
- 鉄鋼事業-27億円
- 農業資材+1億円
- その他-1億円
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 鉄鋼事業 | 454億円 | 91% | 10億円 | 2.1% |
| 農業資材事業 | 34億円 | 7% | 28百万円 | 0.8% |
| その他 | 11億円 | 2% | 87百万円 | 8.1% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は2560億11百万円で、2026年3月末から5億4百万円増でした。自己資本比率は55.3%と、前期末の56.3%から低下しています。
| 項目 | 2026年6月末・今期予想 | 比較・内容 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2560億11百万円 | 前期末比5億4百万円増 |
| 純資産 | 1419億4百万円 | 前期末比23億45百万円減 |
| 自己資本比率 | 55.3% | 前期末の56.3%から低下 |
| 年間配当 | 100円予想 | 前期実績180円 |
| 自己株式取得 | 上限9億円 | 上限25万7000株、発行済株式数の1.76% |
純資産の減少には配当金の支払いに加え、その他有価証券評価差額金の減少が影響しました。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの実績は確認できません。会社は2027年3月期から2031年3月期まで年間配当の下限を100円とし、配当性向30%程度を目安にする方針を示す一方、財務体質の改善や再投資資金の確保も重視しています。
さらに、機動的な資本政策を目的に、2026年8月3日から10月31日まで市場買付で自己株式を取得する決議を行いました。年間配当予想は前回発表から変更していません。
リスクと課題
普通鋼電炉業界では、需要の弱さと原材料・エネルギー・輸送費の高止まりが同時に続いています。会社が掲げる収益力の回復には、コストを抑えながら販売価格を適正化できるかが焦点です。
- 国内建設需要の低迷: 人手不足や労働時間の上限規制で工期が長期化し、資機材価格の高騰も案件の延期・中止につながっています。鋼材の販売数量や工場稼働に影響するおそれがあります。
- 鉄スクラップ価格の高止まり: 主原料の価格が高い水準で推移しています。販売価格への転嫁が遅れれば、鉄鋼事業の採算を圧迫します。
- エネルギー・輸送コスト: 円安の継続などを背景にエネルギー価格が高止まりし、輸送費を含む調達コストも厳しい状況です。
- 海外情勢の不透明さ: 中東情勢などを含む外部環境の変化が、景気や原料・エネルギー価格に及ぼす影響に注意が必要です。
- 販売価格への反映の遅れ: 価格改善が出荷単価に反映されるまでには時間差があります。コスト上昇が先行すれば、増収でも利益が伸びない状態が続く可能性があります。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、売上高2000億円、営業利益65億円、経常利益70億円、純利益43億円です。会社は前回予想から業績予想を修正したと説明していますが、今回の短信には前回予想の金額が掲載されていないため、修正幅や修正方向は確認できません。
| 指標 | 今回予想 | 前回予想 | 前期実績との比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2000億円 | 短信に記載なし | +4.3% |
| 営業利益 | 65億円 | 短信に記載なし | -33.8% |
| 経常利益 | 70億円 | 短信に記載なし | -36.9% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 43億円 | 短信に記載なし | -46.6% |
会社は国内需要の低迷や、鉄スクラップ・エネルギーなどのコスト環境を背景に、需要に見合った生産と再生産可能な販売価格の実現に取り組んでいます。通期では増収を見込む一方、利益は前期を下回る計画であり、第1四半期の大幅減益からどれだけ採算を回復できるかが注目点です。
生産・販売動向
連結の粗鋼生産は前年同期比1万5千トン増の36万4千トン、鋼材生産は2万4千トン増の34万1千トンでした。一方、単体の鋼材販売数量は20万トンで、前年同期から3千トン減となりました。
| 指標 | 2027年3月期第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 連結粗鋼生産 | 36万4千トン | +1万5千トン |
| 連結鋼材生産 | 34万1千トン | +2万4千トン |
| 単体鋼材販売数量 | 20万トン | -3千トン |
| 単体鋼材販売単価 | 10万7000円/トン | -2100円/トン |
| 単体鋼材輸出額 | 11億9百万円 | +5億17百万円 |
連結生産量が増えた一方、単体では販売数量と販売単価が前年同期を下回りました。輸出額の増加は、国内需要が低調な中で売上高を下支えした要素の一つですが、輸出の拡大が採算改善につながるかは、販売価格とコストの動向を合わせて見る必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
2,892円
最新終値(2026/10/23)
2,845円-1.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#合同製鐵#決算#決算分析#四半期決算#電炉メーカー#鉄スクラップ価格#業績予想修正#配当#自社株買い
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コメント
売上高は増えたものの、営業利益が前年同期から大きく縮小しており、販売数量や売上の拡大だけでは採算を守れない厳しさが表れています。鉄スクラップ価格や輸送費が高い局面で、販売価格への転嫁が遅れる構造が続くかを追いたいところです。
一方、農業資材事業は黒字転換し、輸出額も増加しました。中期ビジョン2030で掲げる収益力の回復と財務体質の改善に向け、需要に合わせた生産や再生産可能な価格設定が実際の利益率改善につながるかが、次の四半期の焦点です。
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掲載企業
合同製鐵株式会社
東証 5410
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