INPEX、2026年12月期第2四半期決算、親会社に帰属する中間利益17.7%増で通期予想を上方修正

INPEXが発表した2026年12月期第2四半期(中間期)決算は、売上収益が前年同期比4.6%減の1兆4億95百万円となったものの、親会社の所有者に帰属する中間利益は同17.7%増の263,147百万円と大幅な増益を達成した。原油販売数量の減少を増産効果と円安が補う形で、営業利益は過去最高を更新したほか、通期業績予想の上方修正も発表し、配当も増額する。
決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.0兆円 | -4.6% | 2.0兆円 | 51% |
| 営業利益 | 6,187億円 | +0.3% | 1.2兆円 | 51% |
| 純利益 | 2,631億円 | +17.7% | 5,100億円 | 52% |
| 営業利益率 | 61.9% | |||
業績のポイント
INPEX(INPEX)の2026年12月期上期(1〜6月)決算は、売上収益が前年同期比4.6%減の1兆4億95百万円と減収ながら、親会社の所有者に帰属する中間利益は同17.7%増の263,147百万円と大幅な増益となった。減収の主因は原油販売数量が22.8%減少したことだが、為替の円安(平均1ドル158.37円、前年同期比6.7%円安)と原油価格の上昇(バレル当たり79.51ドル、8.2%上昇)が下支えした。一方、営業利益は前年同期比0.3%増の618,713百万円とほぼ横ばいだったが、中間包括利益が459,759百万円と黒字転換し、財務の健全性も確認された。特に、持ち分法投資利益が15.1%増の749億58百万円と好調で、営業外収益が利益を押し上げた。法人所得税費用が減少したことも、純利益の増加につながっている。
なお、通期業績予想は修正され、売上収益を1,973,000百万円(前回予想レンジの下限2,004,000百万円からさらに下方修正)としたが、親会社株主に帰属する当期利益は510,000百万円と大幅な上方修正(前回レンジ350,000〜450,000百万円)となった。これはイクシスプロジェクトの堅調な生産と、原油価格前提の見直し(通期平均81.4ドル、前回70.0〜83.0ドル)が主因だ。また、中間配当を56円、通期配当予想を112円と、前期比12円の増配を発表した。
セグメント別動向
セグメント別では、国内石油・天然ガス事業(国内O&G)が売上収益112,663百万円(前年同期比6.4%増)と伸びたが、親会社に帰属する中間利益は54.4%減の7,881百万円と大幅な減益となった。天然ガス販売数量の増加(国内ガス販売数量9.7%増)で収入は増えたが、原価上昇が利益を圧迫した。
海外石油・天然ガス事業(イクシスプロジェクト)は、原油販売価格の上昇と堅調な生産により、売上収益が17.5%増の215,840百万円、親会社帰属中間利益は24.5%増の173,071百万円と、全セグメント中で最も高い利益率を示した。イクシスは引き続き同社最大のドライバーであり、生産量は原油6,678千バレル、天然ガス197,716百万立方フィートと安定している。
その他の海外プロジェクトは、原油販売数量の減少により売上収益が12.0%減の659,200百万円と落ち込んだが、法人税費用の減少などから親会社帰属中間利益は7.8%増の77,879百万円と増益を確保した。なお、これらのセグメントに加えて、再生可能エネルギー・水素事業などを含む「その他」セグメントも黒字化し、売上収益12,791百万円、利益2,436百万円を計上した。
各セグメントの外部収益と利益の比較は以下のとおり。
| セグメント | 売上収益(百万円) | 前年同期比 | 親会社帰属利益(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内O&G | 112,663 | +6.4% | 7,881 | △54.4% |
| 海外・イクシス | 215,840 | +17.5% | 173,071 | +24.5% |
| 海外・その他 | 659,200 | △12.0% | 77,879 | +7.8% |
| その他 | 12,791 | +27.0% | 2,436 | 黒字転換 |
全体の売上収益に占める割合は、海外その他プロジェクトが約65.9%と最も大きく、次いでイクシス21.6%、国内11.3%となっている。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内O&G | 1,127億円 | 11% | 79億円 | 7.0% |
| 海外O&G - イクシス | 2,158億円 | 22% | 1,731億円 | 80.2% |
| 海外O&G - その他 | 6,592億円 | 66% | 779億円 | 11.8% |
| その他 | 128億円 | 1% | 24億円 | 19.0% |
財務状況と資本政策
当中間期末の総資産は前年末比6,517億円増の8兆3,869億円と拡大した。主に石油・ガス資産の増加やその他の金融資産の増加による。負債は3兆359億円で、有利子負債管理は適切に行われており、親会社所有者帰属持分比率は60.8%と高い水準を維持している。
キャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュフローが前年同期比1,259億円増の5,538億円と好調で、法人税支払額の減少が寄与した。投資活動では、開発・生産資産の取得増により4,247億円の資金流出となり、フリーキャッシュフローはプラスを確保。財務活動では、コマーシャル・ペーパー減少や配当支払いにより910億円のマイナスとなった。
株主還元においては、中間配当を1株当たり56円(前期比6円増)、通期配当予想を112円(前期比12円増)と、2期連続の増配を実施する。また、自社株買いも9,975百万円実施しており、資本効率と株主還元を重視する姿勢が鮮明だ。
通期見通し
2026年12月期通期の連結業績予想は、今回修正が行われた。売上収益は1,973,000百万円(前年同期比1.9%減)と前回予想レンジ(2,004,000〜2,291,000百万円)の下限からさらに下方修正されたが、営業利益は1,223,000百万円(同7.7%増)、親会社に帰属する当期利益は510,000百万円(同29.5%増)と大幅な上方修正となった。これは、イクシスプロジェクトの好調な生産と、下期の原油価格前提を引き上げた(前回61.0〜80.0ドルから今回75.0ドル)ためである。一方、売上収益の下方修正は、販売数量の減少を見込んだことによる。
通期前提条件の比較は以下のとおり。
| 項目 | 前回発表予想 | 今回修正予想 |
|---|---|---|
| 原油価格(ブレント) | 70.0〜83.0ドル/バレル(通期平均) | 81.4ドル/バレル |
| 為替(対米ドル) | 154.0〜156.0円/ドル(通期平均) | 159.2円/ドル |
| 売上収益 | 2,004,000〜2,291,000百万円 | 1,973,000百万円 |
| 営業利益 | 1,086,000〜1,368,000百万円 | 1,223,000百万円 |
| 親会社帰属当期利益 | 350,000〜450,000百万円 | 510,000百万円 |
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
3,499円
最新終値(2026/10/23)
3,860円+10.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#INPEX#決算#決算分析#四半期決算#増益#上方修正#増配#イクシス#原油価格#円安
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INPEXの第2四半期は、販売数量減少を価格上昇と円安でカバーし、雑益も寄与して営業利益が過去最高を更新した。特にイクシスプロジェクトの安定した生産が全体をけん引しており、同プロジェクトの収益力の高さが改めて確認できた。
通期予想の上方修正は、原油価格前提の引き上げが主因だが、為替前提も円安方向に見直しており、外部環境の追い風が続くと見ているようだ。
一方で、国内事業の利益減少や自社株買いの継続など、資本配分にも変化の兆しがある。増配と自社株買いは株主還元強化の表れであり、エネルギー価格変動リスクはあるものの、キャッシュ創出力は健全だ。
今後の焦点は、下期の原油・ガス価格動向と、イクシス以外のプロジェクト(特にその他海外)で販売数量の落ち込みをどう食い止めるかにある。
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