コーエーテクモ、2027年3月期第2四半期決算、経常益最高で通期予想を修正

コーエーテクモの2027年3月期第2四半期決算は、前年発売タイトルや旧作の販売が好調で、売上高が前年同期比19.4%増、営業利益が47.4%増となりました。金融収益も伸び、経常利益と中間純利益は中間期として過去最高です。一方、会社は10月26日に通期業績と配当予想を修正し、年間配当予想を前期から引き下げました。ゲーム販売と金融収益が利益を押し上げた一方、通期の利益予想には慎重さが残ります。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 373億円 | +19.4% | 910億円 | 41% |
| 営業利益 | 117億円 | +47.4% | 340億円 | 35% |
| 純利益 | 186億円 | +38.1% | 370億円 | 50% |
| 営業利益率 | 31.5% | |||
この決算のポイント
- 1『ぽこ あ ポケモン』は発売後約4カ月で世界販売本数が500万本を突破
- 2経常利益は255億円で前年同期比43.4%増、中間期として過去最高
- 3エンタテインメント事業のセグメント利益は114億円、前年同期比48.0%増
- 4通期の営業利益予想は340億円で前期比8.5%減、10月26日に予想を修正
- 5年間配当予想は56円で前期実績の66円から10円減額
業績のポイント
コーエーテクモ(コーエーテクモホールディングス)の2027年3月期中間期は、売上高が373億27百万円(前年同期比19.4%増)、営業利益が117億43百万円(同47.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が185億96百万円(同38.1%増)でした。経常利益は255億23百万円(同43.4%増)となり、中間期として過去最高を更新しました。
- ゲーム販売: 当期発売のパッケージゲームに加え、前年度発売の大型タイトルやバックカタログの販売が好調でした。
- 販売費及び一般管理費: 86億45百万円と前年同期の92億73百万円から減少し、営業利益の伸びを支えました。
- 営業外収支: 受取利息は103億36百万円、投資有価証券売却益は41億65百万円でした。金融市場の動向を見ながら運用し、営業外収支が計画を上回りました。
営業利益の増加はゲーム事業の販売好調と販管費の減少が中心です。経常利益の伸びには金融収益も大きく寄与しており、事業本来の稼ぐ力と資産運用の収益を分けて見る必要があります。前年同期に比べて利益は大きく伸びましたが、金融市場の変動は今後の経常利益を左右する要素です。
セグメント別動向
主力のエンタテインメント事業が増収増益をけん引し、アミューズメント事業と不動産事業も増収でした。セグメント売上高の前年同期比は、開示されたセグメント合計額を基に算出しています。
| セグメント | 売上高の前年同期比 | 利益の前年同期比 |
|---|---|---|
| エンタテインメント | +20.0% | +48.0% |
| アミューズメント | +6.6% | +0.5% |
| 不動産 | +8.8% | +4.6% |
| その他 | +1.1% | 損失縮小 |
エンタテインメント事業は売上高342億9百万円、セグメント利益114億67百万円でした。『ぽこ あ ポケモン』は発売後約4カ月で世界販売本数500万本を突破し、追加コンテンツも配信。『三國志 覇道』『信長の野望 覇道』などのスマートフォンタイトルや既存IPの許諾も収益に貢献しました。
アミューズメント事業は売上高24億46百万円、利益3億86百万円。既存店売上高が好調で、液晶ソフトの開発受託タイトルも稼働を始めました。不動産事業はKT Zepp Yokohamaの高稼働が続き、売上高6億91百万円、利益1億60百万円です。その他事業はベンチャーキャピタルファンドの管理費用が先行し、2億70百万円の損失**でした。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| エンタテインメント | 342億円 | 92% | 115億円 | 33.5% |
| アミューズメント | 24億円 | 7% | 4億円 | 15.8% |
| 不動産 | 7億円 | 2% | 2億円 | 23.2% |
| その他 | 2億円 | 1% | -3億円 | -150.8% |
通期見通し
会社は10月26日に2027年3月期の通期業績予想を修正しました。通期売上高は前期比増収を見込む一方、営業利益、経常利益、純利益は前期を下回る計画です。修正前の予想額はこの決算短信に記載されていないため、今回予想と前期比を示します。
| 項目 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 910億円 | +2.9% |
| 営業利益 | 340億円 | -8.5% |
| 経常利益 | 510億円 | -10.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 370億円 | -13.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 110円73銭 | 記載なし |
中間期の営業利益は通期予想に対して34.5%、純利益は50.3%の進捗です。経常利益と純利益は中間期として過去最高でしたが、通期では減益を見込んでいます。会社は修正理由の詳細を別途公表した「業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」に案内しており、この短信だけから修正前後の差額や個別の理由は確認できません。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は3,607億62百万円で、前期末から471億円増加しました。自己資本比率は80.2%と前期末の86.7%から低下したものの、引き続き高い水準です。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 前期末・前期実績との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 3,607億62百万円 | 前期末比+471億円 |
| 純資産 | 2,900億17百万円 | 前期末比+174億81百万円 |
| 自己資本比率 | 80.2% | 前期末から6.5ポイント低下 |
| 年間配当予想 | 56円 | 前期実績66円から10円減 |
| 営業キャッシュフロー | 開示なし | 中間短信に記載なし |
資産では有価証券が405億80百万円、投資有価証券が259億84百万円増え、現金及び預金は149億57百万円減少しました。純資産の増加にはその他有価証券評価差額金の増加が寄与しています。年間配当予想は前期実績を下回り、中間配当はありません。自社株買いの実施について、この短信に記載はありません。
戦略トピック
コーエーテクモは第4次中期経営計画の2年目にあたり、「成長のための基盤づくり」を掲げています。新作の投入だけでなく、既存タイトルやIPの継続活用、追加コンテンツ、他社との協業を組み合わせて収益機会を広げています。
- 既存IPの展開: 『ぽこ あ ポケモン』は世界販売本数500万本を突破し、8月にはエキスパンションパスの第1弾を配信しました。
- 発売予定タイトル: 『進撃の巨人3』を2026年12月、『Wo Long 2: Wings of Ember』を2027年3月に発売予定です。
- 協業案件: 東宝のゲーム事業レーベル「TOHO Games」と協業し、『薬屋のひとりごと~偽りの皇弟~』を2027年3月に発売する計画です。
- ブランド・作品力: 『ぽこ あ ポケモン』は「日本ゲーム大賞2026」の年間作品部門で大賞を受賞しました。
人気IPの販売実績に加えて、追加コンテンツや複数プラットフォームへの展開が続けば、発売後の長期的な収益につながる可能性があります。一方、新作の発売時期や販売規模は業績の振れにつながるため、今後は予定タイトルの発売状況と販売実績が注目点です。
リスクと課題
会社は、世界経済が緩やかに持ち直す一方で、地政学リスクなどによる不透明感が続くと説明しています。ゲームタイトルの販売や金融運用の状況に加え、外部環境の変化にも注意が必要です。
- 地政学リスクと景気: 世界経済の不透明感が消費やゲーム市場に影響すれば、タイトル販売や施設利用の伸びが鈍る可能性があります。
- 新作の販売動向: 大型タイトルの販売は業績を左右します。発売時期の変更や想定を下回る販売は、売上高や利益の下振れ要因になり得ます。
- 金融市場の変動: 受取利息や有価証券の売却益など営業外収益が利益を押し上げました。金利や市場価格の変動によって金融収益が減れば、経常利益に影響する可能性があります。
- ベンチャーキャピタル事業: ファンドの管理費用が先行し、その他事業は損失を計上しました。費用に見合う投資成果が得られるかが課題です。
中間期の利益成長にはゲーム販売だけでなく金融収益も寄与しており、利益の再現性を判断するには両者を分けて確認する必要があります。会社自身も将来予想は一定の前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動するとしています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/26)
1,667.5円
最新終値(2026/10/26)
1,667.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/26更新
エンターテインメント業界の今
掲載26社コーエーテクモはエンターテインメント業界の掲載26社中、売上高で24位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −0.4%全業界 +13.3%
- 今期計画 営業利益
- −3.5%全業界 +10.7%
- 予想の上方修正
- 3社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 13.5%
- コーエーテクモ−20.4%
- エンターテインメント(業界平均)−0.4%
- 全業界+13.3%
- 足元の業績今期第1四半期累計は15社合計で売上高+12.0%・営業利益+20.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは3社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは円谷フィールズ(営業利益+18.4%)。






タグ#コーエーテクモ#決算#決算分析#四半期決算#ゲーム業界#増収増益#過去最高益#配当予想修正#ぽこ あ ポケモン
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今回の中間決算は、ゲーム事業の販売回復に加えて金融収益が経常利益を押し上げた点が重要です。売上高と営業利益の伸びは事業面の改善を示す一方、経常利益の増加をそのままゲーム事業の成長力とみなすのは慎重であるべきです。
『ぽこ あ ポケモン』の販売実績や今後の発売予定は、強力なIPを継続収益につなげる力を測る材料になります。通期では減益予想で年間配当も前期実績を下回るため、新作の販売と金融収益の持続性、配当方針の背景を次の開示で確かめたいところです。
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掲載企業

コーエーテクモホールディングス株式会社
東証 3635
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