森永乳業、2027年3月期第1四半期決算、営業利益12.9%増も通期は減益予想
森永乳業が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.4%増の1470億円、営業利益が12.9%増の99億円と増収増益。海外事業がホエイプロテイン市況上昇を追い風に25.4%の大幅増収となり、国内のヨーグルトやビバレッジも好調。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.4%減の66億円。通期予想は営業利益で1.4%減の340億円と下方修正し、原材料高や人件費上昇が重荷。
決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,471億円 | +2.4% | 5,800億円 | 25% |
| 営業利益 | 100億円 | +12.9% | 340億円 | 29% |
| 純利益 | 67億円 | -3.4% | 210億円 | 32% |
| 営業利益率 | 6.8% | |||
業績のポイント
森永乳業(森永乳業株式会社)が2026年8月7日に発表した2027年3月期第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高が前年同期比2.4%増の147,099百万円、営業利益が同12.9%増の9,977百万円と増収増益を達成した。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は同3.4%減の6,678百万円と減益。主力の海外子会社MILEI社がホエイプロテイン市況の上昇を追い風に販売単価が上昇し、海外事業全体の売上高が同25.4%増と急拡大したことが営業利益を押し上げた。国内ではヨーグルトやチルド飲料「マウントレーニア」が堅調だった一方、牛乳などの販売数量減少や原材料・物流コストの上昇が重荷となり、国内事業の営業利益は前年同期比で1,151百万円減少した。
通期業績予想については、第1四半期の進捗やコスト環境を踏まえて下方修正。営業利益は前期比1.4%減の340億円を見込む。
セグメント別動向
中期経営計画で定める分野別では、成長分野(ヨーグルト、菌体、海外育児用ミルクなど)は売上高34,413百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益4,254百万円(同223百万円増)と好調。特に菌体やパキスタンNutriCo Morinaga社の育児用ミルク販売が大幅増収となり、収益拡大に寄与した。アイスクリームは天候不順等で減収。
基幹分野(MILEI社、牛乳、ビバレッジなど)は売上高91,085百万円(同1.0%増)、営業利益5,026百万円(同547百万円増)。ドイツ子会社MILEI社がホエイプロテイン市況上昇により販売単価が向上し、増収増益のけん引役に。国内では牛乳が大幅減少した。
食品セグメント(外部顧客売上高)では、140,687百万円(前期比増)、営業利益12,841百万円。その他セグメントは売上高6,411百万円、営業利益884百万円。
| セグメント | 外部売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 | 売上高比率 |
|---|---|---|---|---|
| 食品 | 140,687 | 12,841 | 9.1% | 95.6% |
| その他 | 6,411 | 884 | 13.8% | 4.4% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 食品 | 1,407億円 | 96% | 128億円 | 9.1% |
| その他 | 64億円 | 4% | 9億円 | 13.8% |
通期見通し
2027年3月期通期の業績予想は、売上高580,000百万円(前期比1.5%増)、営業利益34,000百万円(同1.4%減)、経常利益35,000百万円(同5.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益21,000百万円(同7.1%減)と修正。国内事業の苦戦が響き、営業減益を見込む。海外事業は売上高100,851百万円(15.3%増)と拡大するが、為替や原材料高の影響を吸収しきれない。
| 業績予想比較 | 前回予想 | 今回修正 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 580,000 | 571,500 |
| 営業利益 | - | 34,000 | 34,477 |
| 純利益 | - | 21,000 | 22,600 |
※前回予想は非開示のため「-」。前期実績は2026年3月期。通期営業利益率は5.9%を見込む。
財務状況と資本政策
当第1四半期末の総資産は前年度末比26,133百万円増の573,250百万円。現預金や売上債権の増加が主因。純資産は2,273百万円増の282,023百万円、自己資本比率は48.3%(前期末50.2%)に低下。有利子負債では長期借入金やCPが増加し、負債合計は291,226百万円に。
配当は年間25円(株式分割後)を予定、中間12円、期末13円。前期は分割調整前で100円だった。中期経営計画に基づき、配当性向40%目標を掲げ、機動的な自社株買いも検討。2026年3月期に約100億円の自己株式取得・消却を実施済み。
リスクと課題
決算短信では、中東情勢の影響による包装資材や原材料価格の上昇、物流費・人件費のオペレーションコスト増加がリスクとして記載。国内牛乳需要の減少トレンドも課題。為替変動も海外事業の回復力に依存する。
- 原材料・エネルギーコストの高止まり
- 国内乳製品販売数量の伸び悩み
- 為替変動リスク(ホエイプロテイン取引等)
- 海外事業の政治・経済リスク(パキスタン等)
これらに対し、高付加価値品へのシフトや生産体制再編でコスト抑制を図るが、下期の不透明感は残る。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
1,242円
最新終値(2026/10/23)
1,083円-12.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#森永乳業#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#海外事業#営業利益増加#通期下方修正#コスト上昇#中期経営計画
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コメント
海外事業が収益のけん引役となり、国内の構造改革が待ったなしの状況が鮮明に。ドイツMILEI社のホエイプロテイン市況は一時的な追い風の可能性もあり、持続性には注意が必要。国内では牛乳離れが加速する中、ヨーグルトやプロテイン等へのポートフォリオ転換が急務だ。通期減益予想は保守的とも取れるが、原材料高が長期化すればさらなるコスト圧力が懸念される。
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