
ノジマ、2027年3月期第1四半期決算、経常利益84%増で純利益は2倍
売上高
2,421億円
+6.1%
通期予想
1.0兆円
営業利益
138億円
-6.2%
通期予想
590億円
純利益
205億円
+100.0%
通期予想
480億円
営業利益率
5.7%
ノジマが発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比6.1%増の242,078百万円と過去最高を更新。営業利益は6.2%減の13,782百万円だったが、経常利益は84.0%増の29,912百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は100.0%増の20,515百万円と急拡大した。投資有価証券売却益14,627百万円の計上が利益を押し上げ、通期業績予想も上方修正された。
業績のポイント
ノジマ(株式会社ノジマ)の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が過去最高を更新した一方、営業利益は減益となった。しかし、経常利益と純利益は大幅増益となり、特に純利益は前年同期比2倍の20,515百万円に達した。売上高は242,078百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益は13,782百万円(同6.2%減)と、販管費の増加(57,253百万円、同7.4%増)が響いた。一方、営業外収益に投資有価証券売却益14,627百万円を計上し、経常利益は29,912百万円(同84.0%増)と急伸。EBITDAも36,230百万円(同61.6%増)と過去最高を記録した。通期業績予想は売上高1,030,000百万円、営業利益59,000百万円、純利益48,000百万円へ上方修正され、前期比で増収増益を見込む。
業績推移(通期)
セグメント別動向
各セグメントの業績は以下の通り。デジタル家電専門店運営事業とキャリアショップ運営事業が全体の約7割を占める。
| セグメント | 売上高(百万円) | 経常利益(百万円) | 利益率 | 前年同期比(売上) |
|---|---|---|---|---|
| デジタル家電専門店運営 | 90,336 | 6,117 | 6.8% | 117.5% |
| キャリアショップ運営 | 91,589 | 5,664 | 6.2% | 100.6% |
| プロダクト | 16,343 | 1,523 | 9.3% | 102.9% |
| インターネット | 19,064 | 993 | 5.2% | 103.6% |
| メディア | 5,583 | 493 | 8.8% | 92.4% |
| 海外 | 21,286 | △15 | — | 106.6% |
デジタル家電専門店運営は、エアコン・テレビ・洗濯機が伸長し、市場の伸びを上回る堅調な推移。省エネ規制強化を見据えた需要や現場主導の販促が奏功した。売上高は90,336百万円(前年同期比17.5%増)、経常利益は6,117百万円(同2.3%減)と、売上は過去最高を更新したが、販管費増加で利益は微減。
キャリアショップ運営は、3Gサービス終了特需の反動減があったものの、イベント開催やDXによる接客品質向上で売上高は91,589百万円(同0.6%増)と過去最高を更新。経常利益は5,664百万円(同6.3%減)と減益。
プロダクト事業は、メモリー価格高騰下でも安定供給を維持し、VAIOのAI PC新製品投入や指定価格制度により売上高16,343百万円(同2.9%増)、経常利益1,523百万円(同25.3%増)と過去最高を更新。
インターネット事業は、ニフティでブロードバンド会員が増加したが費用増で減益。セシールは顧客密着型商品開発を推進。売上高19,064百万円(同3.6%増)、経常利益993百万円(同45.5%減)と減益。
メディア事業は、AXNがホールディングス化で意思決定迅速化、アニマックスはティニピン事業で認知拡大。広告市場の横ばいの中、組織統合シナジー追求。売上高5,583百万円(同7.6%減)、経常利益493百万円(同87.8%増)と増益。
海外事業は、シンガポールで省エネ買替キャンペーンの反動、マレーシアで増税の影響があるが、売上高は21,286百万円(同6.6%増)と過去最高。一方、経常損失15百万円(前年同期は8百万円の利益)と赤字転落。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| デジタル家電専門店運営 | 895億円 | 37% | 61億円 | 6.8% |
| キャリアショップ運営 | 899億円 | 37% | 57億円 | 6.2% |
| プロダクト | 156億円 | 6% | 15億円 | 9.3% |
| インターネット | 190億円 | 8% | 10億円 | 5.2% |
| メディア | 56億円 | 2% | 5億円 | 8.8% |
| 海外 | 213億円 | 9% | -15百万円 | - |
財務状況と資本政策
総資産は前年末比5,342百万円減の589,135百万円。売掛金の減少(26,716百万円減)等で流動資産が減少したが、建物・土地の増加(それぞれ24,298百万円、15,135百万円増)で固定資産は増加。負債は支払手形・買掛金の減少(11,940百万円減)や長期借入金の返済(6,866百万円減)で16,406百万円減の329,028百万円。純資産は利益剰余金の積み上がり(17,596百万円増)により11,063百万円増の260,107百万円、自己資本比率は43.0%(前年末比2.2pt改善)に上昇した。配当予想は第2四半期末10.00円、期末10.00円の年間20.00円(株式分割後ベース)を据え置く。キャッシュ・フロー計算書は開示されていないが、減価償却費は5,047百万円、のれん償却額1,542百万円。
通期見通し
同社は2026年5月7日に公表した通期業績予想を上方修正した。今回の修正値は以下の通り。前期比では増収増益を見込む。
| 項目 | 今回予想 | 前期実績(参考) |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,030,000百万円 | — |
| 営業利益 | 59,000百万円 | — |
| 経常利益 | 76,000百万円 | — |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 48,000百万円 | — |
(注)前期実績は本短信に記載がないため省略。修正幅は別途開示資料参照。
リスクと課題
ノジマが認識する主なリスクは以下の通り。
- マクロ経済・地政学リスク:アメリカの通商政策動向、中東情勢に伴う資源価格変動が景気下押し要因。
- 個人消費の停滞:物価上昇の影響や将来不安により、消費の力強さに欠ける。
- 事業別リスク:海外事業で採算悪化(シンガポールの反動減、マレーシアの増税)、インターネット事業の減益(ニフティの費用増)、3G特需の反動減など。
- 為替変動:海外事業に影響。
- 競争環境:キャリアショップ業界での顧客基盤争いの激化。
戦略トピック
投資有価証券売却益:第1四半期に投資有価証券の一部売却により14,627百万円の売却益を計上。政策保有株式の見直しによるものとみられ、経常利益を大きく押し上げた。
ストック・オプション発行:2026年8月4日に役員・従業員向けに新株予約権17,280個(役員)と96,785個(従業員)を無償発行することを決議。行使期間は2029年7月22日から2031年7月21日。チームの士気向上と企業価値向上を目的とする。
店舗展開:デジタル家電専門店は4店舗出店・1店舗閉店で244店舗、キャリアショップは8店舗増・1店舗閉店で944店舗、海外は1店舗出店・4店舗閉店で112店舗。計1,300店舗。
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ノジマの第1四半期は、営業利益こそ減益だったものの、経常利益は投資有価証券売却益により大幅増。実力値としてEBITDAが過去最高を更新しており、本業は堅調と言える。特にデジタル家電は猛暑効果でエアコン需要が好調で、売上高が過去最高だった。キャリアショップも3G特需の反動を乗り越え微増収と底堅い。
一方、利益面では、ニフティの費用増や海外事業の赤字転落が懸念材料。また、経常利益の半分近くが投資有価証券売却益によるもので、本業の稼ぐ力はまだ十分とは言えない。通期予想の上方修正はこの売却益を反映したとみられ、特に下期の上乗せが期待される。
注目点は、ノジマならではの「現場主動」の取り組みがデジタル家電事業で成果を上げている点。VAIOのAI PC投入などプロダクト事業の成長にも期待が持てる。自己資本比率の向上や増配基調も評価できるが、消費環境の不透明さから、季節家電への依存度が高い点には留意が必要。
投資家としては、通期の営業利益目標59億円の達成力、および第2四半期以降の本業利益のモメンタムを見極めたい。就活生には、多様な事業展開と社風の自由闊達さがアピールポイントだが、海外事業の収益性改善が今後の課題と言える。
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