ノジマ、2027年3月期第2四半期決算、売上高初の5000億円超で利益も最高
ノジマの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.9%増の5,037億円となり、中間期として上場来初めて5,000億円を超えました。営業利益も17.6%増の325億円と過去最高を更新し、家電販売やキャリアショップなどが伸びました。投資有価証券の売却益も経常利益と純利益を押し上げ、会社は通期業績予想を修正しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,038億円 | +8.9% | 1.1兆円 | 48% |
| 営業利益 | 325億円 | +17.6% | 650億円 | 50% |
| 純利益 | 336億円 | +72.9% | 540億円 | 62% |
| 営業利益率 | 6.5% | |||
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比17.6%増の325億円で、中間期の過去最高を更新
- 2経常利益は前年同期比61.7%増の495億円、投資有価証券売却益が寄与
- 3デジタル家電専門店のセグメント売上高は前年同期比17.6%増
- 4サービス事業のセグメント利益は前年同期比38.7%減、販管費増が重荷
- 5通期予想を修正、年間配当予想は株式分割後ベースで20円
業績のポイント
ノジマ(株式会社ノジマ)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比8.9%増、営業利益が17.6%増、親会社株主に帰属する中間純利益が72.9%増となりました。売上高は中間期として上場来初めて5,000億円を超え、売上高・営業利益・経常利益は過去最高です。
- 売上高: 前年同期から410億円増の5,037億円。デジタル家電専門店やプロダクト事業などが伸びました。
- 営業利益: 前年同期から48億円増の325億円。主要な販売事業の増収が利益を支えました。
- 経常利益: 前年同期から189億円増の495億円。投資有価証券売却益146億円が押し上げました。
- 中間純利益: 前年同期から142億円増の335億円。経常利益の増加が大きく寄与しました。
営業利益の伸びは本業の販売力を映す一方、経常利益と純利益には有価証券売却益という一時的な要因も含まれます。したがって、利益の増加幅をそのまま今後の本業の成長率とみなすのではなく、基礎的な収益力は営業利益や各事業の動きと合わせて見る必要があります。会社が重視するEBITDAも前年同期比44.0%増の613億円となり、中間期として過去最高でした。
セグメント別動向
家電販売、キャリアショップ、製品、海外など複数の事業が増収となりました。一方、サービス事業では利益が減り、海外事業も増収ながら利益は前年を下回っています。
キャリアショップ運営事業は、売上高が前年同期比3.0%増、セグメント利益が18.4%増でした。通信契約に加え、金融サービスの口座開設や資産形成の案内を進め、店頭サポートと応対品質の向上にも取り組みました。売上高と利益はともに過去最高です。
デジタル家電専門店運営事業は、売上高が17.6%増、セグメント利益が16.0%増でした。省エネ規制を見据えた需要などでエアコンを含む季節家電が伸びた一方、8月以降は前年の高気温の反動で季節家電の伸びが鈍化し、パソコンも買い替え需要の反動で減少しました。人材・店舗・DXへの投資を継続しています。
プロダクト事業は、売上高が17.8%増、セグメント利益が39.9%増でした。メモリー価格の上昇や一部供給の逼迫に対応しながら、VAIOの新製品や「VAIO Shop in Shop」での販売を進めました。サービス事業は売上高が7.9%増えた一方、販管費増加などから利益は38.7%減でした。ニフティのFTTH会員数は初めて120万人を超えましたが、収益性の改善に向けて組織体制を変更しています。
- メディア事業: 売上高は8.6%減、セグメント利益は50.7%増。新たな放送世帯の獲得やIP活用を進めました。
- 海外事業: 売上高は8.8%増、セグメント利益は36.7%減。シンガポールで省エネ購入支援策の反動がありましたが、他地域では高価格帯・省エネ商品が堅調でした。
- 店舗網: デジタル家電専門店は247店、キャリアショップは940店、海外店舗は112店となりました。
家電専門店とプロダクト事業の伸びに加え、キャリアショップの金融サービス提案が利益を押し上げました。他方、サービス事業の利益減や海外の採算低下は、売上拡大だけでなくコスト管理と事業ごとの収益改善が課題であることを示しています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| キャリアショップ運営事業 | 1,846億円 | 37% | 132億円 | 7.2% |
| デジタル家電専門店運営事業 | 1,850億円 | 37% | 129億円 | 7.0% |
| プロダクト事業 | 392億円 | 8% | 44億円 | 11.2% |
| サービス事業 | 370億円 | 7% | 20億円 | 5.4% |
| メディア事業 | 112億円 | 2% | 11億円 | 9.9% |
| 海外事業 | 443億円 | 9% | 2億円 | 0.5% |
| その他 | 26億円 | 1% | 11億円 | 41.9% |
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比493億円増の6,437億円、自己資本比率は前期末から0.7ポイント上昇して41.5%でした。営業活動で資金を得た一方、店舗などへの投資や配当・借入返済で現金は減少しました。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 6,437億円 | 前期末比493億円増 |
| 自己資本比率 | 41.5% | 前期末比0.7ポイント上昇 |
| 営業キャッシュフロー | 192億円の収入 | 前年同期比48.3%減 |
| 投資キャッシュフロー | 202億円の支出 | 前年同期は2億円の収入 |
| 財務キャッシュフロー | 183億円の支出 | 前年同期の支出50億円から拡大 |
営業キャッシュフローは、税引前利益が増えた一方、棚卸資産の増加や法人税の支払いなどで前年同期を下回りました。投資キャッシュフローでは有形固定資産の取得に431億円を支出しており、店舗・設備への投資が資金流出の主因です。期末の現金及び現金同等物は770億円で、前年中間期末の982億円から減りました。
配当は中間10円、期末予想10円で、年間予想は20円です。前年中間配当は株式分割前の23円だったため単純比較はできず、分割後換算では約7.67円に相当します。自己株式の取得による支出は中間期に14億円ありましたが、短信には新たな自社株買い計画の発表は記載されていません。
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を修正しました。通期予想に対する中間期の進捗率は、売上高が約47.5%、営業利益が約50.1%、親会社株主に帰属する当期純利益が約62.2%です。
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 中間期実績の進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆600億円 | +7.9% | 47.5% |
| 営業利益 | 650億円 | +11.9% | 50.1% |
| 経常利益 | 830億円 | +33.2% | 59.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 540億円 | +38.7% | 62.2% |
短信は予想を修正したことを明記していますが、修正前の予想額や変更幅、修正理由の詳細は掲載していません。そのため、今回の予想を前回予想と数値で比較することはできません。中間期の純利益進捗率は6割を超えるものの、有価証券売却益が当期の利益に含まれている点を踏まえ、下期の販売動向と本業の利益が計画に沿うかを見極めたいところです。
リスクと課題
会社は、物価上昇で個人消費の力強さが欠けることや、原油・輸入物価、自然災害、金融市場の変動などを景気の下押し要因として挙げています。これらに加え、事業ごとの採算や調達環境にも注意が必要です。
- 個人消費の弱さ: 物価上昇が続けば家電などの買い替え需要が鈍り、販売数量や売上高に影響する可能性があります。
- 季節家電・パソコン需要の反動: 前年の高気温や買い替え需要の反動がすでに一部商品に表れており、下期の販売動向が利益計画の焦点です。
- 部材価格と供給制約: プロダクト事業ではメモリーなどの価格高騰や一部供給の逼迫が続いています。仕入れや在庫の管理が収益を左右します。
- サービス事業の利益回復: FTTH会員数は増えましたが、販管費増で利益が大きく減りました。組織変更後に収益性を改善できるかが課題です。
- 海外事業の採算: シンガポールでは政府支援策の反動で大型家電需要が停滞し、増収でも利益が減少しました。地域ごとの需要変化に応じた店舗運営が求められます。
上期は複数事業が伸びた一方、純利益には有価証券売却益も寄与しています。通期計画の達成度を見る際は、需要の持続性に加え、サービス・海外事業の採算改善や在庫負担の動きを確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
1,300円
最新終値(2026/10/29)
1,300円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
ノジマをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて小売業界の今
掲載56社ノジマは小売業界の掲載56社中、売上高で9位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +2.4%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +11.2%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 6社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 6.3%
- ノジマ+11.0%
- 小売(業界平均)+2.4%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は22社合計で売上高+10.7%・営業利益+21.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は16社、下回る企業は9社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは4℃HD(営業利益+19.4%)。






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本業の成長に一時的な売却益が重なった中間決算です。家電専門店、キャリアショップ、プロダクト事業がそろって増益となり、複数の事業が成長を支えている点は評価できます。
一方、経常利益と純利益の大幅な伸びには投資有価証券売却益が含まれます。営業利益の伸びと、サービス・海外事業の採算回復が続くかを分けて追うことが、通期の実力を判断するうえで重要です。
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