オービック、2027年3月期第2四半期決算、営業利益17%増で通期予想を上方修正

オービックの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比14.0%増、営業利益が16.9%増、純利益が19.0%増となり、増収増益でした。大手・中堅企業のERP需要やクラウドサービスが伸び、会社は通期業績予想を上方修正。期末配当予想も引き上げ、高成長を背景に業績予想と株主還元をそろって引き上げた中間決算となりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 750億円 | +14.0% | 1,512億円 | 50% |
| 営業利益 | 510億円 | +16.9% | 1,005億円 | 51% |
| 純利益 | 444億円 | +19.0% | 850億円 | 52% |
| 営業利益率 | 68.0% | |||
この決算のポイント
- 1経常利益は前年同期比20.3%増の628億円。営業外収益の増加も利益を押し上げた
- 2システムサポート事業の売上高は前年同期比16.2%増。クラウド運用支援・保守が好調
- 3中間期の受注高は前年同期比14.0%増の806億円で、売上高を上回る伸びを確保
- 4通期営業利益予想を1,005億円へ上方修正。年間配当予想は前期比16円増の100円
- 5営業活動によるキャッシュ・フローは380億円。自己株式取得と配当で株主還元を実施
業績のポイント
オービック(正式名称もオービック)は、2027年3月期中間期に売上高750億23百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益510億38百万円(同16.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益443億83百万円(同19.0%増)を計上しました。経常利益も同20.3%増の628億26百万円となり、各利益が売上高の伸びを上回りました。
- ERP需要: 主力のOBIC7シリーズは、製造・流通・サービス・金融など幅広い業種の大手・中堅企業で引き合いが強まりました。
- クラウドの拡大: システムの早期稼働やグループ全体の最適化を求める顧客に、自社運営のクラウドセンターを通じてサービスを提供しました。
- 営業外収益の増加: 受取利息や受取配当金、持分法による投資利益、投資有価証券売却益が前年同期を上回り、経常利益の伸びを支えました。
- 市場環境: 企業のDXや生産性向上を目的としたシステム更新需要は底堅い一方、景況感の不透明さから投資判断には慎重さも見られました。
主力ERPとクラウドの需要が利益成長をけん引した決算です。自社開発・直接販売を軸に、顧客の経営効果を重視した提案を続けたことが、幅広い業種での受注につながっています。AI活用やクラウド関連設備の増強など、事業の継続と成長に向けた先行投資も進めています。
セグメント別動向
3事業すべてで増収増益となり、売上高の伸び率はシステムサポート事業が最も高い結果でした。営業利益の伸び率はオフィスオートメーション事業が最大ですが、利益額ではシステムサポート事業が全体を支えています。
システムインテグレーション事業は、売上高306億42百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益193億30百万円(同15.8%増)でした。大手・中堅企業の新規顧客開拓が進み、付加価値の高いOBIC7のシステム構築売上が堅調でした。
システムサポート事業は、売上高400億87百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益300億10百万円(同17.1%増)でした。顧客企業の増加を背景に、クラウドソリューションを中心とした運用支援・保守サービスが好調に推移しました。
オフィスオートメーション事業は、売上高42億93百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益16億97百万円(同26.0%増)でした。売上の規模は他の2事業より小さいものの、利益の伸びは相対的に大きくなりました。クラウド関連サービスの継続的な需要と、幅広い顧客基盤が全体の成長を支えています。
- システムSI+15.8%
- システムサポート+17.1%
- オフィスOA+26.0%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| システムインテグレーション事業 | 306億円 | 41% | 193億円 | 63.1% |
| システムサポート事業 | 401億円 | 53% | 300億円 | 74.9% |
| オフィスオートメーション事業 | 43億円 | 6% | 17億円 | 39.5% |
通期見通し
会社は2027年3月期の通期業績予想を上方修正しました。売上高1,512億円、営業利益1,005億円、親会社株主に帰属する当期純利益850億円を見込みます。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 短信に記載なし | 151,200 | 短信に記載なし | +11.8% |
| 営業利益 | 短信に記載なし | 100,500 | 短信に記載なし | +13.1% |
| 経常利益 | 短信に記載なし | 120,000 | 短信に記載なし | +14.5% |
| 当期純利益 | 短信に記載なし | 85,000 | 短信に記載なし | +13.0% |
修正前の予想値と前期実績の金額は、この決算短信には掲載されていません。会社は業績予想の修正理由として最近の業績動向を挙げ、詳細は同日公表の別資料に案内しています。中間期の増収増益に加え、受注高も前年同期比14.0%増となっており、足元の受注と業績の伸びが通期予想引き上げの背景にあります。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は6,241億50百万円、自己資本比率は83.2%でした。営業活動で資金を生み出す一方、自己株式の取得と配当を実施し、年間配当予想も引き上げました。
- 財務基盤: 総資産は前期末比53億53百万円増加しました。投資有価証券の増加が主な要因で、自己資本比率は前期末の83.4%から小幅に低下しました。
- 営業キャッシュ・フロー: 380億9百万円の収入で、前年同期比14.2%増でした。税金等調整前中間純利益の計上が資金を押し上げる一方、法人税等を支払いました。
- 投資・財務キャッシュ・フロー: 投資活動は26億75百万円の収入でした。財務活動は自己株式取得と配当支払いにより416億49百万円の支出となり、現金及び現金同等物は期首から9億64百万円減りました。
- 配当・自社株買い: 中間配当は1株47円で、前年同期の37円から10円増えました。期末配当予想は53円、年間配当予想は100円で、前期の年間84円から16円増額しました。中間期には自己株式取得に21,282百万円を支出しています。
利益成長と厚い自己資本を背景に、成長投資を続けながら株主還元も強化する方針がうかがえます。年間配当予想の増額は、通期業績予想の上方修正と同日に公表されました。
戦略トピック
オービックは、主力ERPの販売に加えてクラウドサービスの提供基盤を広げ、安定的な事業運営と持続的な成長を目指しています。中間期はクラウド需要を取り込み、システムサポート事業が売上高・営業利益ともに最も大きい事業となりました。
- 自社開発・直接販売: 顧客企業の経営効果を意識した提案を重視し、製品開発から販売、サービスまでを一体で提供しています。
- クラウド基盤: 自社運営のクラウドセンターでサービスを提供し、関連施設などの設備増強も継続しています。
- 技術・業務への投資: AIの活用やビジネスモデル特許の登録・出願、健康経営の推進を挙げています。
クラウドは、システムの早期稼働やグループ全体の最適化を求める企業のニーズに応える領域です。保守・運用サービスの継続収入を積み上げることは、システム構築案件に加えて安定した収益基盤を強める意味があります。
リスクと課題
DXや業務効率化を目的とするシステム投資需要は底堅い一方、会社は景気の先行きや企業の投資判断に不透明さが残るとしています。顧客ニーズに合う費用対効果の高い提案を続けられるかが、成長を維持するうえでの課題です。
- 景気・市場の変動: 中東情勢、自然災害、金融資本市場の変動が国内景気や企業業績に影響し、顧客のIT投資が慎重化する可能性があります。
- 顧客の投資判断: 企業のシステム更新需要は高いものの、先行き不透明な環境では導入時期の延期や投資規模の抑制につながるおそれがあります。
- 提案力と競争: 顧客が求めるのは効率性とコストパフォーマンスを備えた情報システムです。顧客目線の提案やクラウド対応が不十分になれば、受注機会を逃すリスクがあります。
- 先行投資の実効性: クラウド関連設備の増強やAI活用を継続するため、投資に見合う顧客獲得やサービス利用の拡大が重要になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/27)
5,940円
最新終値(2026/10/27)
5,940円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
ITサービス業界の今
掲載31社オービックはITサービス業界の掲載31社中、売上高で11位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +9.1%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- +28.7%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 6社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 14.5%
- オービック+19.9%
- ITサービス(業界平均)+9.1%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は13社合計で売上高+6.7%・営業利益+10.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は3社、下回る企業は11社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはAppier(営業利益+16.7%)。





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営業利益率の高さに加え、システムサポート事業が売上と利益の両面で伸びている点は、オービックの収益基盤の強さを示しています。ERPの導入にとどまらず、クラウド運用・保守まで継続して提供できることが、成長と安定性を両立する強みです。
一方、通期予想の修正幅や修正前の数値はこの短信だけでは確認できません。受注の伸びが今後の売上・利益にどの程度つながるか、またクラウド設備やAIへの投資がさらなる成長を生むかが、次の決算で確かめたい点です。
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オービック株式会社
東証 4684
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