きらぼしFG、2027年3月期第2四半期決算(中間決算)、増収も利益伸びは小幅

きらぼしFGの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比19.4%増の1,064億円、親会社株主に帰属する中間純利益は2.5%増の197億円でした。貸出金利息や非金利収入が伸びた一方、預金利息の増加や債券売却損が利益を抑えました。通期予想は据え置きで、増収の一方、利益は小幅増となりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,064億円 | +19.4% | — | — |
| 営業利益 | 292億円 | +5.0% | 586億円 | 50% |
| 純利益 | 197億円 | +2.5% | 400億円 | 49% |
この決算のポイント
- 1貸出金利息の増加などで経常収益は前年同期比19.4%増の1,064億円。
- 2経常利益は5.8%増の292億円、親会社株主に帰属する中間純利益は2.5%増の197億円。
- 3貸出金残高は前期末比2,125億円増の5兆4,900億円、預金は1,692億円増。
- 4株式分割後の年間配当予想は30円で、前期の分割換算後21.25円から増配。
- 5通期の経常利益予想586億円に対する中間期の進捗率は49.9%。
業績のポイント
きらぼしFG(東京きらぼしフィナンシャルグループ)の2027年3月期中間期は、経常収益が前年同期比19.4%増の1,064億円、経常利益が5.8%増の292億円、親会社株主に帰属する中間純利益が2.5%増の197億円でした。経常収益は大きく伸びたものの、利益の伸びは限られました。
- 貸出金利息: 顧客との取引深耕や政策金利上昇を背景に、きらぼし銀行で前年同期比68億円増えました。
- 預金などの利息負担: 金利上昇で預金等利息が増え、前年同期比45億円の利益押し下げ要因となりました。
- 非金利収入: 円債のヘッジコスト減少などが寄与し、前年同期比37億円増加しました。
- 債券・株式等の損益: 株式売却益が増えた一方、債券売却損が膨らみ、前年同期比33億円の減益要因となりました。
貸出金利息の増加と非金利収入の改善が、金利上昇による預金コスト増や債券損失を補いました。連結業績の大半を占めるきらぼし銀行の経常利益は266億円で、前年同期比3.0%増です。中間純利益の伸びは小さく、今後は貸出金利息の増加が預金金利の上昇をどこまで上回れるかが焦点です。
セグメント別動向
開示資料では報告セグメント別の売上高・利益は示されていません。グループの業績を支える銀行事業と、デジタル・金融・ソリューションなどのグループ会社の動きを見ると、主力銀行の増益とデジタル事業の伸長が目立ちます。
きらぼし銀行は経常利益が前年同期比3.0%増の266億円でした。貸出金利息や株式売却益が増加し、預金利息や債券売却損の増加を吸収しました。貸出金残高の拡大に加え、貸出金利回りも上昇しており、顧客との取引を深める施策が収益を支えています。
UI銀行は経常収益が前年同期比36.5%増の84億円、経常利益は3億円でした。貸出金や有価証券の利息、融資手数料などが増え、前年同期の小幅な黒字から利益を伸ばしました。個人向け貸出残高は前年同期末から約2,497億円増えており、デジタル銀行の事業拡大が続いています。
グループ会社(きらぼし銀行を除く)の利益は19.5億円で、前年同期比3.5億円増えました。デジタル事業が大きく改善した一方、年度計画66億円に対する中間期の進捗は低調と会社は説明し、下期に利益を積み上げる方針です。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比3,419億円増の7兆6,592億円でした。貸出金と有価証券が増える一方、純資産は優先株式の処理や有価証券評価差額の悪化などで減少しました。
| 項目 | 2026年9月末 | 2026年3月末比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 7兆6,592億円 | +3,419億円 |
| 預金 | 6兆3,546億円 | +1,692億円 |
| 貸出金 | 5兆4,900億円 | +2,125億円 |
| 有価証券 | 1兆1,254億円 | +2,473億円 |
| 連結自己資本比率(国内基準) | 8.48% | -1.06ポイント |
連結貸借対照表上の自己資本比率は5.1%ですが、これは規制上の自己資本比率とは別の指標です。国内基準の連結自己資本比率は8.48%で、2026年5月の優先株式償還などを受けて前期末から低下しました。中間期のキャッシュフロー数値は決算短信に記載がありません。
普通株式の配当は中間15円、期末予想15円で、年間予想は株式分割後ベースで30円です。前期の分割換算後21.25円を上回り、会社は6期連続の増配を見込みます。また、自己株式を400億円取得して消却し、優先株式も全て消却・普通株式へ転換しました。資本政策の変更を伴うため、今後は利益成長と自己資本の回復を並行して進められるかが注目されます。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月に公表した内容から変更ありません。中間期の経常利益は通期予想の49.9%、親会社株主に帰属する中間純利益は49.3%に達しました。
| 指標 | 2027年3月期予想 | 前期比 | 中間期実績 | 通期予想への進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 経常利益 | 586億円 | -3.1% | 292億円 | 49.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 400億円 | -5.5% | 197億円 | 49.3% |
会社は通期予想を据え置いており、上方修正はありません。利益進捗はおおむね半分ですが、金利上昇に伴う預金利息の増加や一部大口先の信用悪化による費用増が続く可能性があります。下期にグループ会社の利益を積み上げ、通期計画を達成できるかがポイントです。
リスクと課題
利益は貸出金利息の増加で支えられた一方、調達コストや債券損失、与信費用も増えています。今後の金利環境と貸出先の信用状況が、収益の持続性を左右します。
- 預金金利の上昇: 金利上昇で預金等利息が増加しました。貸出金利回りの上昇や貸出残高の拡大が追いつかなければ、資金利益を圧迫します。
- 債券の売却損・評価損: きらぼし銀行では債券売却損が増え、連結のその他有価証券評価損も拡大しました。追加の金利上昇時には、保有債券の評価や売却判断が課題です。
- 信用コストの増加: 一部大口先の信用悪化で貸倒引当金の計上が増え、与信関係費用は前年同期比で8億円増えました。景気や取引先の資金繰りが悪化すれば、追加負担につながる可能性があります。
- 自己資本比率の低下: 優先株式の償還などを背景に、連結の国内基準自己資本比率は前期末から低下しました。成長投資や株主還元と、資本の厚みの確保との両立が課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,476円
最新終値(2026/10/30)
1,476円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
きらぼしFGをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて銀行業界の今
掲載49社きらぼしFGは銀行業界の掲載49社中、売上高で29位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +67.8%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +23.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 6社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 17.1%
- きらぼしFG+60.9%
- 銀行(業界平均)+67.8%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は23社合計で売上高+28.2%・営業利益+40.9%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は13社、下回る企業は0社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはちゅうぎん(売上高+31.9%)。






タグ#きらぼしFG#決算#決算分析#四半期決算#銀行決算#金利上昇#増収増益#増配#自己株式消却
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貸出金利息と非金利収入が増え、金利上昇を収益機会につなげる動きは確認できます。一方で、預金金利の上昇や債券売却損も無視できず、増収ほど利益が伸びていない点は見逃せません。
中間期の利益進捗はほぼ半分ですが、通期予想は前期比で減益を見込んでいます。下期は金利上昇の恩恵だけでなく、預金コストと信用費用の管理、優先株式処理後の資本運営が評価の分かれ目になりそうです。
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