東京メトロ、2027年3月期第2四半期決算、増収も純利益16%減

東京メトロの2027年3月期中間決算は、旅客運輸収入の増加などで営業収益が前年同期比3.2%増となった一方、人件費や経費の増加で営業利益は1.6%減、純利益は16.3%減でした。運輸の利益が縮小する一方、不動産やライフ・ビジネスサービスは増益です。年間配当予想は前期比2円増の44円を維持し、通期業績予想にも変更はありません。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,173億円 | +3.2% | 4,372億円 | 50% |
| 営業利益 | 492億円 | -1.6% | 814億円 | 60% |
| 純利益 | 292億円 | -16.3% | 500億円 | 58% |
| 営業利益率 | 22.7% | |||
この決算のポイント
- 1旅客運輸収入の増加で営業収益は3.2%増、営業利益は費用増で1.6%減
- 2運輸業の営業利益は4.8%減、旅客運輸収入は3.0%増
- 3ライフ・ビジネスサービス事業は営業利益25.1%増、3事業で最も高い伸び
- 4通期営業収益予想は4,372億円、営業利益予想は814億円で変更なし
- 5年間配当予想は前期比2円増の44円、中間配当は1円増の22円
業績のポイント
東京メトロ(東京地下鉄)の2027年3月期中間期は、営業収益が2,172億円(前年同期比3.2%増)、営業利益が492億円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が292億円(同16.3%減)でした。増収ながら、営業利益と純利益は前年を下回りました。
- 旅客運輸収入: 定期・定期外ともに増え、合計で3.0%増。輸送人員も2.8%増でした。
- 営業費: 人件費や経費の増加などで1,680億円、4.7%増となり、増収分を上回りました。
- 純利益の比較要因: 前年同期には退職給付制度改定益64億円が特別利益に計上されていましたが、当期はありませんでした。
増収でも費用増と前年の特別利益が利益を圧迫。本業の利用者数と運輸収入は伸びたものの、コスト上昇が営業利益を押し下げました。純利益の減少幅が営業利益より大きいのは、前年にあった特別利益の反動も影響しています。
セグメント別動向
主力の運輸業は増収ながら減益となり、不動産とライフ・ビジネスサービスは増収増益でした。各事業の営業利益の前年同期比を比べると、運輸業の弱さに対し、生活関連サービスの伸びが目立ちます。
運輸業は営業収益1,974億円、営業利益406億円でした。旅客運輸収入が伸びて増収となった一方、営業費の増加で利益は前年同期を下回りました。輸送人員の伸びが確認できる一方、コスト管理が引き続き焦点です。
不動産事業は営業収益75億円、営業利益29億円。メトロシティ神田淡路町や浅草スクエアなど、取得・開業した物件の賃貸収入が増収増益に寄与しました。
ライフ・ビジネスサービス事業は営業収益143億円、営業利益52億円となり、3事業の中で利益の伸びが最も大きくなりました。既存店舗の賃貸収入やLifeFitの開業、広告代理店の制作料、第5世代通信サービスの新規契約に伴う営業許諾料が押し上げました。運輸への依存を和らげる事業の成長が見えています。
- 運輸業-4.8%
- 不動産+6.7%
- ライフ等+25.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 運輸業 | 1,967億円 | 91% | 407億円 | 20.6% |
| 不動産事業 | 74億円 | 3% | 30億円 | 39.6% |
| ライフ・ビジネスサービス事業 | 130億円 | 6% | 53億円 | 37.0% |
| その他 | 1億円 | 0% | 2億円 | 10.3% |
通期見通し
東京メトロは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。営業収益は4,372億円(前期比3.5%増)を見込む一方、営業利益は814億円(同9.1%減)、純利益は500億円(同15.3%減)の計画です。
| 項目 | 通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益(億円) | 4,372 | +3.5% |
| 営業利益(億円) | 814 | -9.1% |
| 経常利益(億円) | 690 | -12.9% |
| 純利益(億円) | 500 | -15.3% |
会社は直近に公表した予想から修正していません。中間期は増収ながら営業利益が前年割れとなっており、下期にかけて費用増を吸収し、通期計画を達成できるかが注目点です。短信には前期の通期実績額や前回予想額の記載がないため、比較は会社が公表した前期比で示しました。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は2兆649億円で、2026年3月末から177億円増加しました。自己資本比率は36.4%と、前期末の35.9%から上昇しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前期末・前年同期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(億円) | 20,649 | 前期末比+177億円 |
| 自己資本比率 | 36.4% | 前期末比+0.5ポイント |
| 営業CF(億円) | 577 | 前年同期比33億円減 |
| 投資CF(億円) | -495 | 前年同期より支出14億円減 |
| 財務CF(億円) | 155 | 前年同期は309億円のマイナス |
| 年間配当予想(円) | 44 | 前期実績42円から2円増 |
営業活動で資金を確保しつつ、設備投資を中心に投資支出が続きました。財務活動の黒字化には社債発行収入が寄与しており、会社は販売用不動産の取得や社債の発行も進めています。年間配当は中間・期末とも22円の予想で、前期より2円増やす方針です。短信に自社株買いの新たな決定は記載されていません。
リスクと課題
中間期は乗客数と旅客運輸収入が伸びた一方、営業費はそれ以上の伸びとなり、利益を圧迫しました。通期予想を達成するには、需要の維持とコスト増への対応が重要です。
- 人件費・経費の上昇: 営業費が前年同期比4.7%増となりました。費用の増加が続けば、旅客収入の伸びが営業利益につながりにくくなります。
- 運輸業の利益動向: 主力事業は増収でも営業利益が4.8%減でした。利用者数や運賃収入の伸びと、運行・施設維持にかかる費用のバランスが課題です。
- 金利・資金調達負担: 支払利息は前年同期の60億円から63億円に増加しました。社債発行などによる資金調達を続ける中、利払い負担の変化が利益に影響する可能性があります。
- 業績予想の不確実性: 会社は、入手済みの情報と一定の前提に基づく予想であり、実際の業績はさまざまな要因で異なる可能性があると説明しています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,445.5円
最新終値(2026/10/30)
1,445.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
東京メトロをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて陸運・輸送業界の今
掲載30社東京メトロは陸運・輸送業界の掲載30社中、売上高で20位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.8%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +2.1%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 6社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 10.5%
- 東京メトロ−10.7%
- 陸運・輸送(業界平均)+6.8%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は18社合計で売上高+8.1%・営業利益+9.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は16社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは日本通運(営業利益+20.0%)。






タグ#東京メトロ#決算#決算分析#四半期決算#鉄道#運輸業#不動産事業#配当#LifeFit
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利用者数と旅客運輸収入が増えても、主力の運輸業で減益となった点は見逃せません。運賃収入の回復だけでなく、人件費や運行コストの上昇をどこまで吸収できるかが、利益回復の鍵になりそうです。
一方、ライフ・ビジネスサービス事業は、店舗・広告・通信関連の収入がそろって伸び、運輸以外の収益源として存在感を高めています。今後は同事業や不動産の成長が、鉄道事業のコスト増をどこまで補えるかに注目します。
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- 2027年3月期 第1四半期





