住友ファーマ、27年3月期通期予想を上方修正、純利益940億円も前期実績を下回る
住友ファーマは2027年3月期の連結業績予想を上方修正し、売上収益を5,650億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を940億円とした。米国の過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」の販売が計画を上回り、円安も寄与する。一方、営業利益と当期利益は前期実績を下回り、増収予想でも前期比では減益となる。中間期実績も予想を超えたが、利益は前年同期を下回った。

開示の要点
- 修正後売上高
- 5,650億円
- コア営業利益
- 1,050億円
- 営業利益
- 1,040億円
- 当期利益
- 940億円
- 1株利益
- 211.07円
通期予想を上方修正、利益は前期実績を下回る
住友ファーマは2027年3月期の売上収益、コア営業利益、営業利益、当期利益の予想をいずれも引き上げた。修正後の売上収益は前回予想を250億円上回る一方、コア営業利益、営業利益、当期利益は前期実績に届かない見通しだ。
| 前回予想(億円) | 今回予想(億円) | 前期実績(億円) | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,400 | 5,650 | 4,532.94 |
| コア営業利益 | 910 | 1,050 | 1,059.08 |
| 営業利益 | 900 | 1,040 | 1,073.38 |
| 当期利益 | 770 | 940 | 1,068.65 |
売上収益の拡大を見込む一方、利益面では前期の水準を回復しない予想となった。1株当たり当期利益は前回予想の172.89円から211.07円に引き上げたが、前期実績の268.99円を下回る。売上の伸びがそのまま最終利益の増加につながる構図ではない点に注意が必要だ。
中間期は予想超え、利益は前年同期を下回る
2027年3月期中間期の実績は、売上収益、コア営業利益、営業利益、親会社の所有者に帰属する中間利益のいずれも7月31日公表の予想を上回った。一方、前期中間期と比べると売上収益は増加したものの、各利益は下回った。
| 前回予想(億円) | 中間期実績(億円) | 前期中間期実績(億円) | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2,510 | 2,664.90 | 2,271.22 |
| コア営業利益 | 300 | 421.23 | 960.84 |
| 営業利益 | 300 | 422.76 | 961.57 |
| 中間利益 | 260 | 382.38 | 988.60 |
会社は、米国で「ジェムテサ」などの売上が好調だったことや、為替が想定より円安だったことを売上増の要因に挙げた。販売費及び一般管理費、研究開発費は、為替影響を除けば想定をやや下回って推移し、利益が予想を上回った。
ジェムテサの販売と円安を織り込む
通期予想の修正理由として、会社は米国での販売の上振れ、為替前提の見直し、販売拡大に伴う費用増を示した。
- 米国販売: 過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」を中心に、米国の売上が計画を上回る見込み。
- 為替前提: 通期の期中平均為替レートを、1米ドル155.0円から157.0円に変更。
- 販売関連費用: 増収による売上総利益の増加を見込む一方、販売拡大に向けた費用も増える見通し。
- 利益の修正: コア営業利益の増加を反映し、営業利益と当期利益も引き上げた。
米国販売の上振れと円安が予想修正を後押しした。ただ、販売関連費用の増加も織り込まれており、会社独自の管理指標であるコア営業利益も前期実績を下回る計画だ。コア営業利益は、営業利益から減損損失や事業構造改善費用、条件付対価の公正価値変動額などを除いた指標で、営業利益とは区別して見る必要がある。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
1,884.5円
最新終値(2026/10/30)
1,884.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
住友ファーマをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて製薬業界の今
掲載24社住友ファーマは製薬業界の掲載24社中、売上高で11位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +10.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +12.2%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 7社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 13.9%
- 住友ファーマ+11.9%
- 製薬(業界平均)+10.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は11社合計で売上高+14.2%・営業利益+55.2%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は9社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは7社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは大塚HD(営業利益+35.6%)。






タグ#住友ファーマ#業績予想修正#医薬品#ジェムテサ#米国販売#円安#2027年3月期
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今回の上方修正は、米国での「ジェムテサ」の販売状況と為替前提の変更が主な押し上げ要因だ。一方、修正後の営業利益と当期利益は前期実績を下回り、コア営業利益も前期水準に届かない。増収の勢いだけで利益回復を判断しないことがポイントとなる。今後は米国販売の継続性に加え、円相場や販売拡大に伴う費用が利益計画にどう影響するかが注目される。
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