クラフティア、2027年3月期第2四半期決算、営業利益25%増で通期予想を上方修正
クラフティアの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、大型工事の進捗と工事利益率の改善を背景に、売上高は前年同期比5.2%増、営業利益は25.6%増、純利益は42.9%増となりました。会社は工事利益率の向上を理由に通期の利益予想を引き上げ、年間配当も前期比20円増の240円に修正。受注残を背景に利益成長が加速しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,185億円 | +5.2% | 5,000億円 | 44% |
| 営業利益 | 287億円 | +25.6% | 610億円 | 47% |
| 純利益 | 213億円 | +42.9% | 425億円 | 50% |
| 営業利益率 | 13.1% | |||
この決算のポイント
- 1大型案件の進捗で売上高は前年同期比5.2%増、営業利益は25.6%増の286億円となった
- 2工事利益率の改善を受け、通期営業利益予想を前回から55億円引き上げた
- 3中間期の工事受注高は前年同期比1.1%増、期末手持工事高は2.8%増となった
- 4年間配当予想を前期の220円から240円へ増額し、中間配当は120円に引き上げた
- 5宇久島メガソーラーは売電開始が遅れ、2029年度中の運転開始を目標に事業スキームを再検討
業績のポイント
クラフティア(クラフティアホールディングス)は2026年4〜9月期に増収増益となり、営業利益は前年同期から58億円増えて286億円、親会社株主に帰属する中間純利益は64億円増の213億円でした。売上高も前年同期から108億円増加し、過去最大規模の手持工事を利益成長につなげました。
- 売上高: 2,185億円、前年同期比5.2%増。大型案件の工事が進捗し、完成工事高が伸びた
- 営業利益: 286億円、前年同期比25.6%増。工事の進捗に加え、工事利益率が向上
- 経常利益: 313億円、前年同期比29.5%増。受取配当金や投資事業組合運用益も増加
- 中間純利益: 213億円、前年同期比42.9%増。前年同期に比べ特別損失が減少
売上高の伸びを利益の伸びが大きく上回り、採算改善が業績を押し上げました。経常利益には営業外収益の増加も寄与しており、売上の拡大だけでなく収益性の改善が進んだ決算です。
- 前年同期228億円
- 営業利益増+58億円
- 当中間期286億円
セグメント別動向
短信ではセグメント別の営業利益を開示していません。部門別の売上高では、設備工事の中でも屋内線工事と配電線工事が増加し、空調管工事は前年同期を下回りました。
部門ごとの売上高の前年比は、次の通りです。
| 部門 | 売上高の前年比 |
|---|---|
| 配電線工事 | +16.0% |
| 屋内線工事 | +12.2% |
| 空調管工事 | -8.1% |
| その他の事業 | +9.8% |
屋内線工事は売上高の構成比が最も大きく、全体の増収をけん引しました。一方、空調管工事は減収でしたが、同部門の受注高と手持工事高は増加しており、今後の工事進捗が売上回復につながるかが焦点です。全体の工事受注高は前年同期比1.1%増、期末手持工事高は2.8%増となりました。
- 配電線+16.0%
- 屋内線+12.2%
- 空調管-8.1%
通期見通し
クラフティアは2027年3月期の通期業績予想を修正し、売上高は据え置く一方、営業利益・経常利益・純利益を引き上げました。修正理由は工事利益率の向上で、営業利益の予想引き上げ幅は前回比55億円です。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 500,000 | 500,000 | 476,123 |
| 営業利益 | 55,500 | 61,000 | 54,600 |
| 経常利益 | 59,000 | 65,000 | 58,157 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,500 | 42,500 | 40,053 |
今回予想は前期実績に対し、売上高5.0%増、営業利益11.7%増、純利益6.1%増を見込んでいます。中間期時点で利益予想を引き上げた一方、売上高予想は変えておらず、工事採算の改善を利益成長の軸に置く計画です。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比28億円減の5,205億円、自己資本比率は前期末から3.3ポイント上昇して69.7%となりました。利益の積み上がりで純資産が増えた一方、売上債権の回収や仕入債務の決済で資産・負債が減少しています。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 前期末・前中間期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 5,205億円 | 前期末比0.5%減 |
| 純資産 | 3,666億円 | 前期末比4.2%増 |
| 自己資本比率 | 69.7% | 前期末比3.3ポイント上昇 |
| 中間配当 | 120円 | 前年同期の90円から30円増 |
| 年間配当予想 | 240円 | 前期の220円から20円増 |
年間配当予想は増配に修正されました。自己株式の取得について、この短信に新たな実施発表はありません。また、短信に掲載された財務情報からは営業・投資・財務キャッシュフローの数値を確認できないため、現金創出力の評価には追加資料が必要です。
戦略トピック
宇久島メガソーラー事業では、売電開始時期が当初計画から遅れており、事業者が長期的で安定した運営に向けた新たな事業スキームの検討を始めました。発電所の運転開始は現時点で2029年度中を目標としています。
- 制度の見直し: FIT制度からFIP制度への移行を検討
- 発電設備: 蓄電池の併設を検討
- 販売方法: PPAを活用した長期的な電力販売を検討
- 許認可手続き: 海域の占用許可について、長崎県や関係者と協議を継続
制度や販売方法を組み替え、遅延した事業の安定運営を目指す判断です。ただし、許認可や新スキームの具体化、運転開始時期は今後の検討に左右されるため、進捗を追う必要があります。
リスクと課題
受注残を抱え、利益予想も引き上げた一方、工事の採算や施工体制、個別の大型事業の進捗には注意が必要です。短信が示す事業環境と進行中の案件から、主な確認点を整理します。
- 工事採算の変動: 利益予想の上方修正は工事利益率の向上が前提です。工事の進捗や原価が想定と異なれば、利益計画に影響する可能性があります
- 人員・施工体制: 会社は施工体制を踏まえた戦略的な受注活動を説明しています。受注を増やしても施工能力が追いつかなければ、工期や採算に影響しかねません
- 物価上昇: 会社は諸物価上昇分の価格転嫁を進めています。転嫁の進み方がコスト上昇に及ばない場合、工事利益率を圧迫する懸念があります
- 宇久島メガソーラーの遅延: 売電開始は当初計画から遅れ、新スキームや許認可の調整が続いています。運転開始目標の変更や事業条件の具体化を見守る必要があります
工事受注高や手持工事高の増加は将来の売上を支える材料ですが、受注を利益に結び付けるには、採算を確保しながら施工を進めることが重要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
8,049円
最新終値(2026/10/29)
8,049円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
クラフティアをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて建設・不動産業界の今
掲載61社クラフティアは建設・不動産業界の掲載61社中、売上高で27位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +4.2%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +1.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 8社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 10.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は39社合計で売上高+6.6%・営業利益+17.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は5社、下回る企業は29社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは8社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはユアテック(営業利益+16.9%)。






タグ#クラフティア#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#通期上方修正#設備工事#配当増額#工事受注
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売上の伸びに対して利益の伸びが大きく、工事採算の改善が数字に表れた中間決算です。受注残も増えており、通期利益予想の引き上げには一定の裏付けがあります。
一方、通期売上高予想は据え置きで、利益成長を支えるのは工事利益率です。今後は改善した採算を維持できるか、また空調管工事の受注増を売上・利益に結び付けられるかに注目したいところです。宇久島メガソーラーは新スキームの検討が始まった段階で、業績への寄与を評価するには許認可と運転開始時期の具体化を待つ必要があります。
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