大和証券、2027年3月期第2四半期(中間)決算、営業利益72%増

大和証券の2027年3月期中間決算は、営業収益が前年同期比23.3%増の8,654億円、営業利益が72.5%増の1,484億円、親会社株主に帰属する中間純利益が36.6%増の1,078億円となった。手数料収入やトレーディング損益の伸びに加え、金融費用などを差し引いた純営業収益の増加が利益を押し上げた。8月にはオリックス銀行を傘下に取り込み、証券中心の収益基盤を銀行・融資へ広げる動きも進む。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高金融費用控除後 4,443億円+35.5% | 8,655億円 | +23.3% |
| 営業利益 | 1,484億円 | +72.5% |
| 純利益 | 1,078億円 | +36.6% |
| 営業利益率 | 17.1% |
この決算のポイント
- 1受入手数料は前年同期比28.6%増の2,812億円となり、営業収益の伸びを支えた
- 2純営業収益の増加率が販管費の増加率を上回り、営業利益は前年同期比72.5%増
- 3オリックス銀行の全株式取得を8月に完了、取得対価は3,852億円でのれんは1,035億円
- 4中間配当は1株39円と前年同期の29円から増額、通期配当は44円を下限としている
- 5相場環境の影響が大きく、会社は2027年3月期の通期業績予想を開示していない
業績のポイント
大和証券(大和証券グループ本社)の2027年3月期中間期は、営業収益が前年同期比23.3%増の8,654億円、営業利益が72.5%増の1,484億円、親会社株主に帰属する中間純利益が36.6%増の1,078億円となった。純営業収益の伸びが利益を押し上げた。
- 受入手数料: 2,812億円で前年同期比28.6%増。委託手数料や引受け・募集関連手数料などが伸びた。
- トレーディング損益: 621億円で前年同期比36.0%増となり、収益の拡大に寄与した。
- 金融収益: 3,819億円で前年同期比13.7%増。一方、金融費用も3,172億円に増えた。
- 販売費・一般管理費: 2,959億円で前年同期比22.3%増えたが、純営業収益の増加率35.5%を下回った。
手数料やトレーディング収益の増加が、金融費用などを差し引いた純営業収益を押し上げた。人件費を含む販管費も増えたものの、収益の伸びが費用増を上回り、営業利益の大幅な増加につながった。前年同期には固定資産売却益が計上されていたため、特別利益は減少したが、本業の利益成長が純利益の増加を支えた。
セグメント別動向
決算短信の掲載内容には、事業セグメント別の売上高・営業利益の数値が示されていない。このため、以下ではセグメント実績ではなく、連結営業収益を構成する主な収益項目の前年同期比を整理する。
| 営業収益の項目 | 当中間期(億円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 受入手数料 | 2,812 | +28.6% |
| トレーディング損益 | 621 | +36.0% |
| 金融収益 | 3,819 | +13.7% |
| その他の営業収益 | 1,349 | +33.6% |
受入手数料の増加は、証券ビジネスの顧客取引や商品販売などを通じた収益拡大を示す。金融収益も増えた一方で金融費用が発生するため、グロスの収入だけでなく純営業収益の伸びを合わせて見ることが重要だ。オリックス銀行の連結は中間期の一部期間に限られており、今後は銀行事業の寄与や証券との連携が収益構成にどう表れるかが注目される。
財務状況と資本政策
9月末の総資産は3月末から6.1%増え、自己資本比率は4.6%で横ばいだった。中間配当は前年同期より10円増額し、1株39円となった。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 2026年3月末・前年中間期 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 404,071 | 380,776 | +6.1% |
| 自己資本比率 | 4.6% | 4.6% | 横ばい |
| 中間配当(円/株) | 39 | 29 | +10円 |
会社は中間・期末の年2回配当を基本とし、半期ごとに連結業績を反映した配当性向50%以上を方針としている。2025年3月期から2027年3月期までは年間配当の下限を44円としているが、今期の期末配当は業績を踏まえて決定するため未定だ。キャッシュフロー計算書の数値はこの短信の掲載内容に含まれておらず、自社株買いの発表も記載されていない。
通期見通し
大和証券は2027年3月期の連結業績予想を開示していない。有価証券関連業は経済情勢や相場環境の影響を大きく受け、業績予想が困難としているためだ。
- 売上高・利益予想: 通期の営業収益、営業利益、純利益の予想はいずれも非開示。
- 期末配当: 1株当たりの金額は未定。年間配当は44円を下限としている。
中間期は大幅な増益となったが、上期の勢いをそのまま通期予想に置き換えることはできない。市場環境による変動が大きい業態であるため、今後の収益動向と、業績に連動する期末配当の決定が焦点となる。
戦略トピック
大和ネクスト銀行は8月3日、オリックス銀行の全株式取得を完了し、同社を連結子会社化した。取得対価は現金3,852億円で、連結決算には7月から9月までの業績が含まれている。
- 取得・会計処理: 取得した議決権比率は100%。発生したのれんは1,035億円で、20年間の均等償却とする。
- オリックス銀行の資産・負債: 企業結合日に受け入れた資産は3兆2,946億円、引き受けた負債は3兆128億円。資産には営業貸付金、負債には銀行預金が大きく含まれる。
- 狙い: 融資・信託機能と専門人材を、大和証券グループの顧客基盤や預金獲得力と組み合わせる。
会社は、金利のある環境への移行で、融資や信託を含めた資産・負債両面の相談ニーズが高まっていると説明する。証券担保ローンや不動産担保ローン、相続関連サービスへの対応力を高め、預金と融資を拡大する好循環を目指す。将来的には両行の合併による機能統合も視野に入れており、買収後の統合と収益化が重要になる。
リスクと課題
中間期の増益は力強いが、証券業の収益は市場環境に左右される。銀行事業の拡大と並行して、買収後の統合や費用管理も問われる。
- 相場・経済環境: 株式市場や経済情勢の変化は、有価証券関連業の収益に影響する。会社が通期業績予想を示していない背景でもある。
- 金利・資金調達: 金利環境の変化は金融収益と金融費用の双方に影響し、純営業収益を左右する。
- 買収後の統合: オリックス銀行の融資・信託機能とグループの顧客基盤を結びつけ、想定する相乗効果を実現できるかが課題となる。
- 費用とのバランス: 収益拡大に伴い人件費など販管費も増加している。銀行統合や事業拡大後も利益率を維持できるかが焦点だ。
特に買収では、のれんの長期償却に加え、統合の進み具合が今後の収益性に関わる。市場変動への耐性を高める安定収益の拡大と、買収効果の実現を同時に進められるかを見極めたい。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,698.5円
最新終値(2026/10/30)
1,698.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
大和証券をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて証券業界の今
掲載13社大和証券は証券業界の掲載13社中、売上高で2位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +20.4%全業界 +14.9%
- 予想の上方修正
- 1社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 13.8%
- 大和証券+42.8%
- 証券(業界平均)+20.4%
- 全業界+14.9%
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本取引所(営業利益+34.3%)。
- 会社計画2027年度の会社計画(2社合計)は営業利益+29.6%。営業利益の伸びは全業界の計画(+13.0%)を上回る。




タグ#大和証券#決算#決算分析#四半期決算#中間決算#オリックス銀行#銀行買収#配当
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中間期の数字で目を引くのは、純営業収益の伸びが販管費の増加を上回り、営業利益の伸びにつながった点だ。手数料やトレーディング収益の増加が利益成長を支えた一方、相場環境が変われば収益の振れも大きくなり得る。
オリックス銀行の買収は、証券と銀行の連携を強め、融資・信託を含む顧客提案を広げる戦略として意味がある。買収した機能を安定収益に変えられるかが、今後の決算を見るうえでの重要な焦点だ。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




