野村HD、2027年3月期第2四半期決算、純利益26.8%増で中間配当増額
野村HDの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、金融費用控除後の収益が前年同期比24.6%増、当社株主に帰属する中間純利益は26.8%増と増収増益でした。資産運用手数料やトレーディング損益が伸びた一方、直近の7〜9月期は前四半期から減益。中間配当は1株35円に増えましたが、相場変動の大きさを理由に通期業績と配当の予想は公表していません。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高金融費用控除後 1.3兆円+24.6% | 2.7兆円 | +16.3% |
| 営業利益 | 3,595億円 | +21.1% |
| 純利益 | 2,493億円 | +26.8% |
この決算のポイント
- 1アセットマネジメント業務手数料は前年同期比70.8%増と伸び、収益拡大を支えた
- 2ウェルス・マネジメント部門の税引前利益は前年同期比62.1%増と大幅に伸長
- 3第2四半期単独の税引前利益は前四半期比30.0%減で、利益の勢いは鈍化
- 4中間配当は1株35円と前年同期の27円から増額、通期配当予想は非開示
- 5自己株式を中間期に185億円取得、総資産は前期末比4兆8,362億円増加
業績のポイント
野村HD(野村ホールディングス)の2027年3月期中間期は、収益合計が前年同期比16.3%増、金融費用控除後の収益が24.6%増、当社株主に帰属する純利益が26.8%増でした。税引前利益は21.1%増の3,595億円となり、手数料と市場収益がそろって伸長しました。
収益の増加を費用増が一部相殺したものの、税引前利益は前年同期から626億円増えました。要因の内訳は次の通りです。
| 税引前利益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期 | 2,969 |
| 金融費用控除後の収益増 | +2,554 |
| 金融費用以外の費用増 | -1,928 |
| 当中間期 | 3,595 |
収益面ではアセットマネジメント業務手数料が大きく伸び、トレーディング損益や投資銀行業務手数料も増加しました。一方、人件費や支払手数料など金融費用以外の費用は26.0%増え、収益の伸びを上回っています。累計では増益を確保したものの、7〜9月期の税引前利益は前四半期比30.0%減で、四半期ごとの振れにも注意が必要です。
- 前年同期2,969億円
- 純収益増+2,554億円
- 費用増-1,928億円
- 当中間期3,595億円
セグメント別動向
主要4部門はいずれも前年同期比で増収増益となりました。収益の伸び率ではインベストメント・マネジメント部門が先行し、税引前利益の伸び率ではウェルス・マネジメント部門が目立ちます。
| 部門 | 収益の前年比 |
|---|---|
| ウェルス・マネジメント | +29.1% |
| インベストメント・マネジメント | +64.4% |
| ホールセール | +25.5% |
| バンキング | +23.1% |
| その他 | -25.0% |
ウェルス・マネジメント部門は税引前利益が前年同期比62.1%増でした。委託・投信募集手数料の増加などが収益を押し上げ、費用の伸びを抑えたことで利益の伸びが収益を上回りました。
インベストメント・マネジメント部門は収益が64.4%増、税引前利益は38.5%増でした。アセットマネジメント業務手数料が大きく伸び、9月末の運用資産残高は152.8兆円。費用も増加しており、増収のすべてが利益に結びついたわけではありません。
ホールセール部門は収益が25.5%増、税引前利益が46.6%増でした。投資銀行業務手数料やトレーディング損益の伸びが全体を支えています。バンキング部門も収益、利益ともに前年同期を上回りました。一方、その他は収益が減り、税引前損失に転じています。
- ウェルス+29.1%
- 資産運用+64.4%
- ホールセール+25.5%
- バンキング+23.1%
- その他-25.0%
| セグメント | 収益(控除後) | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ウェルス・マネジメント部門 | 2,869億円 | 22% | 1,367億円 | 47.6% |
| インベストメント・マネジメント部門 | 1,831億円 | 14% | 724億円 | 39.5% |
| ホールセール部門 | 6,780億円 | 52% | 1,394億円 | 20.6% |
| バンキング部門 | 316億円 | 2% | 80億円 | 25.3% |
| その他 | 1,031億円 | 8% | -82億円 | -8.0% |
※ セグメント収益は金融費用控除後ベース(収益合計のグロス値とは異なります)
リスクと課題
市場環境に業績が左右されやすい金融ビジネスの特性から、会社は通期業績予想と配当予想を公表していません。中間期の増益だけで年間の利益水準を見通しにくい点が、投資家にとっての重要な確認事項です。
- 市場・相場の変動: 株式や債券などの価格、金利、為替や顧客の取引動向が変わると、トレーディング損益や運用関連収益が変動し、業績に影響します。
- 費用の増加: 金融費用以外の費用は前年同期比26.0%増でした。人件費や支払手数料などの上昇が続けば、収益が伸びても利益の伸びが抑えられる可能性があります。
- 部門・四半期ごとの振れ: 主要4部門が増益となる一方、その他は税引前損失でした。また、7〜9月期の税引前利益は前四半期比で減少しており、累計値だけでなく四半期推移も確認が必要です。
- 資本比率の低下: 株主資本比率は前期末の5.9%から5.6%に低下しました。総資産の増加とあわせて、取引規模や資産・負債の変化を継続して見る必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/28)
1,433.5円
最新終値(2026/10/28)
1,433.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
野村HDをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて証券業界の今
掲載13社野村HDは証券業界の掲載13社中、売上高で1位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +22.5%全業界 +17.1%
- 予想の上方修正
- 1社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 13.8%
- 野村HD+32.1%
- 証券(業界平均)+22.5%
- 全業界+17.1%
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本取引所(営業利益+34.3%)。
- 会社計画2027年度の会社計画(2社合計)は営業利益+29.6%。営業利益の伸びは全業界の計画(+11.4%)を上回る。




タグ#野村HD#決算#決算分析#四半期決算#証券会社#資産運用#トレーディング損益#中間配当
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手数料収入とトレーディング損益がともに増え、主要4部門がそろって増益となった点は、収益源の広がりを示す前向きな材料です。とくに資産運用手数料の伸びは、運用資産を基盤とする収益の存在感が高まっていることをうかがわせます。
ただし、7〜9月期は前四半期から利益が大きく減り、費用も増加しています。通期予想がないため、今後は次の四半期で利益の持続性と費用の伸びが落ち着くかを見極めたい決算です。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期





