小森、2027年3月期第2四半期決算は減収減益、半導体向け買収で新領域へ

小森の2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比1.6%減の513億円、営業利益が13.7%減の27億円、純利益が21.4%減の18億円となり、減収減益でした。高金利を背景に設備投資が伸び悩み、人件費やM&A関連費用も利益を押し下げました。一方、10月には半導体製造装置向けチラー会社を買収し、印刷機械から半導体分野へ事業領域を広げる動きが進んでいます。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 514億円 | -1.6% | 1,240億円 | 41% |
| 営業利益 | 27億円 | -13.7% | 95億円 | 29% |
| 純利益 | 19億円 | -21.4% | 72億円 | 26% |
| 営業利益率 | 5.3% | |||
この決算のポイント
- 1中華圏の売上高はパッケージ向け印刷機が伸び、前年同期比39.5%増の101億円
- 2北米は大型機販売の減少で売上高が17.4%減、その他地域も証券印刷機の減少で26.1%減
- 3丸山チラーを260億円で完全子会社化し、半導体製造分野への事業拡大を目指す
- 4年間配当予想は100円で、前期の70円から30円増額。中間配当は50円
- 5通期予想は据え置き、売上高1240億円、営業利益95億円を計画
業績のポイント
小森(小森コーポレーション)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比1.6%減の513億93百万円、営業利益が13.7%減の27億19百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が21.4%減の18億51百万円でした。売上高が8億22百万円減る一方、営業利益は4億32百万円、純利益は5億4百万円それぞれ減少しました。
- 売上高: 高金利の継続で世界各地の設備投資需要が伸び悩み、前年同期から8億22百万円減少
- 販売費及び一般管理費: 人件費やM&A関連費用などが増え、前年同期比9億7百万円増加
- 為替差損: 前年同期の為替差益1億46百万円に対し、当期は4億77百万円の差損を計上
売上原価率は前年同期とほぼ同じで、売上総利益は4億74百万円増えました。それでも販管費の増加が上回り、営業利益は減少しました。為替差損も響き、経常利益は前年同期比24.9%減の27億32百万円と、営業利益より大きな減益率となっています。
セグメント別動向
小森はこの短信で事業セグメント別ではなく、地域別の売上高を開示しています。増収となった中華圏と欧州に対し、北米とその他地域は減収となり、地域ごとの販売環境に差が出ました。
| 地域 | 売上高(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 日本 | 16,166 | +0.3% |
| 北米 | 3,701 | -17.4% |
| 欧州 | 11,735 | +4.0% |
| 中華圏 | 10,112 | +39.5% |
| その他地域 | 9,677 | -26.1% |
中華圏では投資や輸出に持ち直しが見られ、大手顧客向けのオフセット枚葉印刷機が増加しました。欧州は印刷業の設備投資にインフレの影響があったものの、紙器印刷機の販売が伸びて増収を確保しました。北米では中小企業の投資姿勢が慎重で、大型機の販売が減少。その他地域は東南アジアの枚葉印刷機が堅調だった一方、証券印刷機の販売減が全体を押し下げました。
通期見通し
小森は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期売上高は前期比4.5%増の1,240億円、営業利益は1.0%増の95億円を見込みます。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(概算) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 124,000 | 124,000 | 約118,660 |
| 営業利益 | 9,500 | 9,500 | 約9,406 |
| 純利益 | 7,200 | 7,200 | 約7,370 |
前回予想は2026年5月14日公表分で、今回も変更はありません。前期実績の概算は、短信に記載された予想の前期比から逆算した値で、増減率の丸めにより実績額とは差が生じる場合があります。中間期は減収減益でしたが、会社は通期計画を維持しており、下期の販売回復と費用増加の抑制が計画達成の焦点です。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比でほぼ横ばいの1,780億81百万円、自己資本比率は0.1ポイント低下して68.9%でした。配当は年間100円を計画し、前期実績の70円から30円増やす方針です。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・予想 | 前期末・前期実績 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 178,081 | 178,158 |
| 自己資本比率 | 68.9% | 69.0% |
| 現金及び預金(百万円) | 42,742 | 50,095 |
| 年間配当(円) | 100(予想) | 70 |
| 自己株式の取得(百万円) | 2,399 | — |
自己株式の取得により純資産が減少した一方、その他有価証券評価差額金の増加が下支えしました。現金及び預金は前期末から73億52百万円減少しています。短信には中間期のキャッシュ・フロー計算書の数値は記載されていませんが、期後には丸山チラーの買収資金として現金26,000百万円を投じ、借入も実行しています。財務基盤を保ちながら成長投資と株主還元を進める局面です。
戦略トピック
小森は2026年10月2日、半導体製造装置向けチラーを手がける丸山チラーの全株式を取得し、完全子会社化しました。取得対価は現金260億円で、取得後の社名はKOMORIプレシジョンテクノロジーズです。
- 事業領域の拡大: 印刷機械に加え、半導体製造分野への展開を進める
- 顧客基盤の活用: 丸山チラーが持つ東京、台湾、上海、米国、シンガポールの顧客接点を生かす
- 生産力の強化: チラーの生産能力や量産対応力を高め、需要拡大への対応を目指す
- 資金調達: 買収後の10月23日に、みずほ銀行から150億円を借り入れ
小森はプリンテッドエレクトロニクス事業の強化を中期経営計画で掲げており、既存の印刷技術と丸山チラーの温度制御技術、顧客基盤を組み合わせる考えです。買収のれんや取得資産・負債の金額は、短信時点では確定していません。新事業の成長に向けた投資である一方、統合後に顧客や生産面の相乗効果を実現できるかが重要になります。
リスクと課題
業績には世界の設備投資動向や為替、買収後の資金負担が影響します。短信でも、経済情勢や市場動向、為替変動などによって実績が予想と異なる可能性を挙げています。
- 高金利と投資需要: 借入条件の悪化や投資意欲の慎重化が続けば、印刷機の受注・販売が伸び悩む可能性
- 地域ごとの販売変動: 北米やその他地域では大型機・証券印刷機の販売減が表面化し、地域差が全体業績を左右
- 為替変動: 当期は為替差損を計上しており、為替の振れが営業外損益や海外売上の採算に影響
- 買収後の統合と資金負担: チラー事業の成長には生産力の増強と統合効果の実現が必要で、借入や投資に伴う財務管理も課題
中間期は中華圏の伸びが目立った一方、複数地域で設備投資の弱さや販売減が残りました。半導体分野への進出が成長の柱に育つかとともに、既存の印刷機事業で需要回復を確保できるかが今後の確認点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
1,900円
最新終値(2026/10/29)
1,900円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
小森をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社小森は機械業界の掲載54社中、売上高で40位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +17.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +14.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 17社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- 小森+30.0%
- 機械(業界平均)+17.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は31社合計で売上高+14.5%・営業利益+25.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は19社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは17社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






タグ#小森#決算#決算分析#四半期決算#印刷機械#半導体製造装置#丸山チラー買収#配当#海外売上
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印刷機事業では地域ごとの明暗が分かれ、中華圏の大幅増収だけでは他地域の弱さを補い切れていません。販管費の増加と為替差損も重なっており、通期予想を維持するには下期の販売回復が欠かせません。
丸山チラーの買収は、印刷技術を基盤に半導体関連へ広げる小森の方向性を具体化する一手です。中長期の成長投資と、足元の利益回復を両立できるかが、今後の評価を分けそうです。
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掲載企業

株式会社小森コーポレーション
東証 6349
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- 2027年3月期 第1四半期




