牧野フライス、2027年3月期第2四半期決算、営業利益86%増で受注も拡大
牧野フライスの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比22.3%増の1,459億96百万円、営業利益は85.7%増の176億44百万円、純利益は102.4%増の136億88百万円と大幅な増益でした。北米、中国を中心とするアジア、日本で設備投資需要が増え、航空宇宙や半導体製造装置関連の受注が伸びています。上期受注は42.2%増となり、会社は通期業績予想を修正しました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,460億円 | +22.3% | 3,060億円 | 48% |
| 営業利益 | 176億円 | +85.7% | 363億円 | 49% |
| 純利益 | 137億円 | +102.4% | 290億円 | 47% |
| 営業利益率 | 12.1% | |||
この決算のポイント
- 1上期受注高は前年同期比42.2%増の1,779億39百万円、受注残高も32.7%増
- 2米州セグメントの売上高は前年同期比41.0%増、航空宇宙や自動車向けが伸長
- 3自己資本比率は61.7%から59.2%へ低下、借入金増加と設備投資が影響
- 4株式分割を考慮した年間配当予想は68円相当、前期の分割前270円から増配見込み
- 52027年3月期の通期予想を修正、売上高3,060億円、営業利益363億円を見込む
業績のポイント
牧野フライス(牧野フライス製作所)の上期は、売上高が前年同期比22.3%増、営業利益が85.7%増、親会社株主に帰属する中間純利益が102.4%増となりました。経常利益も70.9%増の179億99百万円です。受注の急増が増益を後押しし、利益の伸びが売上高の伸びを上回りました。
- 受注拡大: 上期受注高は前年同期比42.2%増の1,779億39百万円。北米、中国を中心としたアジア、日本で設備投資需要が増えました。
- 需要分野: 航空宇宙や半導体製造装置関連を中心に受注が増加。自動車、エネルギーなどの部品加工向けも堅調でした。
- 利益の伸び: 売上総利益は前年同期の362億91百万円から499億63百万円へ拡大。一方、販売費及び一般管理費も増えましたが、営業利益の増加につながりました。
需要の強さは受注残高にも表れており、9月末の受注残高は前年同期比32.7%増の1,421億81百万円です。受注が売上に結び付くまでの生産・納入状況や、設備投資需要が持続するかが下期の注目点となります。
- 受注高+42.2%
- 受注残+32.7%
セグメント別動向
セグメント別では米州と欧州の売上高の伸びが大きく、国内、アジアも前年同期を上回りました。下記の前年比は外部顧客向け売上高に基づきます。
国内(セグメントⅠ)は、外部顧客向け売上高が前年同期を上回りました。半導体製造装置やエネルギー関連の部品加工向けが増え、航空宇宙関連も堅調でした。
アジア(セグメントⅡ)は、外部顧客向け売上高が前年同期比で増加しました。中国では半導体製造装置や油圧機器などの部品加工向けが堅調で、インドでは自動車、半導体製造装置、航空機関連が伸びました。アセアンでも半導体製造装置関連が底堅く推移しています。
米州(セグメントⅢ)は、航空宇宙関連が好調で、自動車や医療関連の部品加工向けも増加傾向でした。シカゴのIMTS2026では5軸加工機などを提案し、前回を上回る商談件数を獲得しています。
欧州(セグメントⅣ)は、外部顧客向け売上高が前年同期比で大きく伸びました。ドイツのAMB2026では5軸加工機や航空宇宙向け大型機、自動化を提案しました。セグメント利益は赤字が縮小したものの、引き続き黒字化が課題です。
| セグメント | 外部売上高の前年比 |
|---|---|
| 国内 | +20.9% |
| アジア | +9.5% |
| 米州 | +41.0% |
| 欧州 | +52.4% |
海外展示会での商談を受注につなげる営業活動と、航空宇宙や半導体関連の需要を捉えた製品提案が成長の鍵です。新製品や自動化提案が、受注拡大だけでなく利益率の改善にも結び付くかが焦点となります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内(セグメントⅠ) | 222億円 | 15% | 102億円 | - |
| アジア(セグメントⅡ) | 674億円 | 46% | 72億円 | - |
| 米州(セグメントⅢ) | 469億円 | 32% | 28億円 | - |
| 欧州(セグメントⅣ) | 94億円 | 6% | -7億円 | - |
財務状況と資本政策
9月末の総資産は前期末から299億72百万円増え、4,529億98百万円となりました。自己資本比率は前期末の61.7%から59.2%へ低下しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 452,998 | 前期末比 +29,972 |
| 自己資本比率 | 59.2% | 前期末 61.7% |
| 営業CF(百万円) | 5,072 | 前年同期 21,478 |
| 投資CF(百万円) | -8,392 | 前年同期 -4,220 |
| 財務CF(百万円) | 614 | 前年同期 -9,638 |
| 年間配当予想 | 68円相当 | 分割前換算340円、前期270円 |
営業キャッシュフローは前年同期を下回りました。売上債権や棚卸資産が増えたことが資金を押し下げた一方、有形固定資産の取得による支出は97億円となり、設備投資を進めています。財務活動では長期借入れによる180億円の収入がありました。
10月1日付で1株を5株に分割しました。中間配当160円は分割前の金額で、期末予想36円は分割後の金額です。年間では分割後換算68円、分割前換算340円となり、前期の分割前270円を上回る見込みです。また、自己株式取得による支出は22億5百万円でした。
通期見通し
会社は2026年4月30日に公表した2027年3月期の業績予想を修正しました。今回の予想は売上高3,060億円、営業利益363億円、親会社株主に帰属する当期純利益290億円で、いずれも前期比で増加する計画です。
| 項目 | 今回予想 | 前期比 | 4月公表の前回予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 306,000 | +17.2% | 本短信に金額の記載なし |
| 営業利益(百万円) | 36,300 | +45.0% | 本短信に金額の記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 29,000 | +38.1% | 本短信に金額の記載なし |
前回予想との具体的な差額や修正理由は、この短信ではなく、同日公表の「第2四半期(中間期)業績予想の差異および通期業績予想の修正に関するお知らせ」を参照するよう案内しています。そのため、今回の修正幅や理由は短信本文だけでは確認できません。
上期は受注が大きく伸び、9月末の受注残高も前年同期を上回っています。ただし、受注の売上計上時期や為替、設備投資の継続性によって業績は変動し得るため、下期の納入進捗と会社が公表した修正内容を併せて確認したいところです。
戦略トピック
牧野フライスは、加工機のラインアップ拡充に加え、自動化を含む提案を強めています。JIMTOF2026では最新機種の立形マシニングセンタ「V600」と、国内初公開の5軸制御横形マシニングセンタ「a630iT」などを出展しました。
- V600: 金型向け「Vシリーズ」の最新機種。加工エリアを広げながら、フロアスペースを従来比16%縮小しました。
- 自動化提案: 自動化支援ソフトウェア「MAS-μCX」と組み合わせ、スケジューリングや機械状態の監視など、周辺業務の省人化を目指します。
- a630iT: 中型の5軸制御横形マシニングセンタ。航空宇宙や発電関連など、幅広い加工ニーズへの対応を狙います。
機械単体の販売にとどまらず、加工課題の解決や省人化まで含めた提案を進める方針です。受注の増加を、付加価値の高い製品や自動化ソリューションの継続的な需要につなげられるかが成長のポイントです。
リスクと課題
上期は各地域で受注が増えましたが、工作機械の需要は顧客の設備投資動向や納入時期に左右されます。会社も、業績予想は一定の前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動するとしています。
- 設備投資の変動: 北米、中国、アジア、日本の設備投資需要が弱まれば、受注や受注残の売上計上に影響する可能性があります。
- 業種別需要の偏り: 航空宇宙や半導体製造装置関連の受注が伸びています。これらの業界の投資計画が変化すれば、需要の勢いが変わるリスクがあります。
- 為替変動: 為替差損は前年同期の2億24百万円から4億94百万円に増えました。為替の変動は営業外損益や海外事業の円換算額に影響します。
- 資金負担と納入進捗: 棚卸資産や売上債権の増加で営業キャッシュフローは前年同期を下回りました。受注を売上・回収につなげ、設備投資と運転資金を管理できるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
2,917円
最新終値(2026/10/30)
2,917円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
牧野フライスをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社牧野フライスは機械業界の掲載54社中、売上高で22位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +14.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +14.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 19社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- 牧野フライス+30.2%
- 機械(業界平均)+14.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は27社合計で売上高+14.6%・営業利益+24.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は18社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






タグ#牧野フライス#決算#決算分析#四半期決算#工作機械#受注高#半導体製造装置#航空宇宙#株式分割
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営業利益の伸びに加え、受注高と受注残高がともに増えた点は、足元の需要を評価するうえで心強い材料です。特に航空宇宙や半導体製造装置関連の引き合いが複数地域で確認でき、需要先の広がりも見えます。
一方、営業キャッシュフローは利益の伸びほど強くなく、棚卸資産や売上債権の増加が目立ちます。受注の増加が実際の出荷と資金回収に結び付くか、また通期予想の修正幅と理由が別途公表資料でどう説明されているかを確認したい決算です。
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株式会社牧野フライス製作所
東証 6135
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