DMG森精機、2026年12月期第3四半期決算、受注好調で営業利益46%増

DMG森精機の2026年12月期第3四半期決算は、工作機械の受注が地域・業種を問わず伸び、売上収益が前年同期比23.2%増、営業利益が46.3%増となりました。一方、親会社株主に帰属する利益は前年同期の保険金収入の反動で58.7%減です。受注の強さを背景に営業増益となったものの、通期業績予想は据え置きました。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,227億円 | +23.2% | 5,800億円 | 73% |
| 営業利益 | 169億円 | +46.3% | 300億円 | 56% |
| 純利益 | 87億円 | -58.7% | 155億円 | 56% |
| 営業利益率 | 4.0% | |||
この決算のポイント
- 19カ月累計の受注額は5,044億円、前年同期比25.6%増で、各四半期の受注が最高を更新。
- 2通期の受注見通しを従来の7,000億円から8,000億円以上へ引き上げ。
- 3機械本体の受注残高は2026年9月末に約5,000億円となり、2025年末から拡大。
- 4年間配当予想は1株105円で据え置き、前期実績と同額。
- 58月の公募増資で約200億円を調達し、国内外の工場設備投資などに充当する方針。
業績のポイント
DMG森精機(DMG森精機株式会社)の2026年12月期第3四半期累計は、売上収益が4,227億円(前年同期比23.2%増)、営業利益が169億円(同46.3%増)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は87億円(同58.7%減)で、営業増益と最終減益が分かれました。
- 工作機械の受注増: 5軸加工機、複合加工機に加え、自動化需要を受けた機種の受注が伸びました。
- 幅広い需要先: 航空・宇宙、防衛、医療、発電・エネルギー、造船、半導体関連の受注が好調でした。
- 前年の一時利益の反動: 前年同期の親会社株主利益には、非継続事業に関連する保険金収入が含まれていました。
売上と営業利益の増加は、受注の勢いが販売に反映されていることを示します。一方、前年同期にはロシア事業に関連する保険金収入があり、今回はその一時的な利益がなくなったため、純利益の前年比は大きく見劣りします。本業は増益、純利益は一時要因で減少と分けて見る必要があります。
セグメント別動向
マシンツールは受注が堅調で、5軸加工機や複合加工機、自動化に対応する機種が伸びました。半導体製造装置向けの超高分解能レーザー関連など、半導体関連企業からの受注も拡大し、増収・営業増益を支えました。
インダストリアル・サービスは、機械の修理・復旧やソリューション提供を担います。会社は受注環境が好調に続いていると説明しており、機械本体の販売に加えて、導入後のサービスを通じた価値提供を強めています。
地域別では全地域で前年同期を上回り、産業別でも幅広い需要が見られました。機械本体の受注残高は2025年末の約4,000億円から2026年9月末には約5,000億円に増え、長納期案件の増加も見込まれます。これは第4四半期だけでなく、2027年以降の売上拡大にもつながる可能性があります。
通期見通し
DMG森精機は2026年12月期の通期業績予想を据え置きました。売上収益5,800億円(前期比12.6%増)、営業利益300億円(同58.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益155億円(同35.5%減)を見込みます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 2025年実績の概算 | 今回予想の前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 5,800 | 5,800 | 約5,151 | +12.6% |
| 営業利益(億円) | 300 | 300 | 約190 | +58.1% |
| 親会社帰属利益(億円) | 155 | 155 | 約240 | -35.5% |
前回予想と今回予想に変更はありません。2025年実績の概算は、会社が公表した前期比からの計算値です。為替前提は米ドル157.7円、ユーロ181.8円で、受注の強さが続く一方、需要や為替の変化によって実績が予想を下回る可能性もあります。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は8,776億円で、2025年末から約1.0%増えました。親会社所有者帰属持分比率は40.6%と、前期末の39.2%から1.4ポイント上昇しています。
| 項目 | 2026年9月末・予想 | 前期末・前期実績との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 8,776億円 | 2025年末比約1.0%増 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 40.6% | 2025年末比1.4ポイント上昇 |
| 中間配当 | 50円 | 前期中間配当と同額 |
| 期末配当予想 | 55円 | 前期末配当と同額 |
| 年間配当予想 | 105円 | 前期実績と同額 |
キャッシュフロー面では、工場設備の取得など成長投資に資金を振り向けています。8月には公募増資で約200億円を調達し、長岡工場、ドイツの工場、シカゴのソリューション拠点などの設備投資に充てるほか、生産能力の強化や将来のM&A、資本・業務提携にも活用する方針です。営業キャッシュフローの金額は本文で確認できる数値が限られるため、ここでは会社が示した資金調達と投資方針を中心に整理しました。
戦略トピック
DMG森精機は、機械本体の販売に加えて、サービス、ソフトウエア、自動化を組み合わせた価値提供を強めています。製造現場でのAI活用や加工工程の最適化にも取り組み、設備の稼働効率や顧客の生産性を高める戦略です。
- 設備投資: 公募増資で得た資金を、長岡、ドイツ、シカゴの拠点などにおける設備投資へ充当する計画です。
- 製品力の強化: 5軸加工機「INHシリーズ」の新機種や、高剛性・高速性を備えた横中ぐり盤などを展開します。
- 製造現場のAI: 経済産業省とNEDOが推進する事業に採択され、設備データを活用した加工工程の最適化を目指します。
需要が強い局面で生産能力を増やし、高付加価値製品やデジタルサービスの開発を進める判断です。受注残を売上に結び付けられるかに加え、増資による資金を生産性向上と利益成長にどうつなげるかが、中長期の企業価値を左右します。
リスクと課題
受注は好調ですが、工作機械は企業の設備投資や景気動向の影響を受けます。受注残の増加が業績に結び付く時期や、増資を伴う投資の成果にも注意が必要です。
- 設備投資需要の変化: 地域・業種を問わず受注が伸びていますが、景気後退や顧客の投資計画変更で受注や納入が遅れれば、売上計上や利益に影響します。
- 為替変動: 通期予想は米ドル157.7円、ユーロ181.8円を前提としています。実際の為替が前提から動けば、売上や採算が予想と異なる可能性があります。
- 受注残の売上転換: 長納期案件が増えており、生産能力や部品供給、納期管理が計画どおりに進まない場合、受注残の消化が遅れるおそれがあります。
- 増資後の資本効率: 公募増資は工場などへの投資資金を確保する一方、発行株式数の増加を伴います。投資が収益力の向上につながるかが課題です。
- 利益比較の一時要因: 前年同期の純利益には保険金収入が含まれています。今後の利益を判断する際は、前年との単純比較だけでなく、本業の利益水準も見る必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
2,736円
最新終値(2026/10/30)
2,736円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
DMG森精機をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社DMG森精機は機械業界の掲載54社中、売上高で11位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +14.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +14.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 19社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- DMG森精機+14.0%
- 機械(業界平均)+14.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は27社合計で売上高+14.6%・営業利益+24.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は18社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






タグ#DMG森精機#決算#決算分析#四半期決算#工作機械#受注高#設備投資#配当#製造業AI
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受注が特定の地域や業種に偏らず、四半期ごとに最高を更新している点は、工作機械需要の広がりを示す前向きな材料です。増えた受注残が翌期以降の売上を支える可能性もあります。
一方、純利益の大幅減は前年の保険金収入の反動であり、営業利益の増加とは性質が異なります。投資家は営業利益と受注残の推移を軸に見つつ、公募増資で調達した資金が生産能力や利益率の改善に結び付くかを追いたい決算です。
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- 2026年12月期 第2四半期
- 2026年12月期 第1四半期
- 2025年12月期 通期




